パル判事について

平成12年5月8日



パル判事とは、極東軍事裁判の裁判官達の中において唯一人の

国際法の専門家だった人です。

東条英機始め多くの戦犯が絞首刑を宣告されましたが

パル判事は被告全員に対して無罪判決を出しています。

勝った側が負けた側を裁く不公平さ、そして、なにより

戦争が終わってから、戦争を起こすこと自体が人道に反する罪と言う事で

日本を裁くためだけの法律を作り、それをもって裁断を下そうとする

国際法上あってはならない行為に対し、毅然とした態度を示したのです。

しかし、当時判決文の中には彼の意見は少数意見としてすらも

取り上げてもらえず、全く世に知れる事はありませんでした。

その、当時誰の目にも触れなかったパル判事の判決は、

被告人全員無罪だったのです

その中に、ハルノートが実質上のアメリカから日本に対する

宣戦布告行為であり、日本の戦争突入(日米開戦)は

自衛戦争であり、侵略戦争ではないと、

更に、「真に侵略と呼ぶにふさわしいのは、イギリスやオランダ等の

行った植民地政策の事であり、それこそが人道に反する行為である。」


とはっきりと書かれています。

但し、決して日本の罪が何もなかったと言っている

判決でもない事も忘れてはいけません。

パル判事は、国際法上、事後立法適用は認められないという

常識を言っただけで、何も日本の罪そのものが無いと言っているのではない。

それと、国の責任と指導者個人の責任は全く違うと言う事

も彼の判決の重要な部分です。