JR西日本脱線事故

2005年5月12日



先月におきましたJR西日本の脱線事故について

まず、事故に遭われた方々へのお悔やみを申し上げます。

で、本題ですが、今回の事故は90%は運転士の責任ではないでしょうか?

自分の過ちを隠蔽しようとして、多くの人々を危険に晒してまで、無謀極まる

危険な運転をし、その結果自分ばかりでなく100人を超える人々の生命を

奪ったのです。

その後の報道では「日勤教育」なるものを取り上げて、さも運転士も

JR西日本の犠牲者ではないか?みたいな方向へ持って行こうと

している様に感じられるのですが、大きな間違いがそこにはあります。

多くの人々の生命を預かる仕事である運転士の失敗や過失への

懲罰制度(?)がある事は当然と思います。

むしろ、そういった制度が無くて今回の事故が起きていたら

今の数倍の勢いで責め立てていたはずのくせにと思います。

そうでしょう、ミスを繰り返す人間を罰することなく、乗務させていて

今回の事故を起こしていたとしたら。

むしろ、この運転士の様に自分のミスを隠蔽する為には多くの人々を危険な目に

遭わせても「自分さえ良ければそれでいい」みたいな最低な人間を厳しく指導するのが

日勤教育だったのだと思います。

それと、新型のATS-Pの導入が他の私鉄などと比較して遅れていて、さも安全よりも

利益を優先させた為に、避けられる事故を避けれなかった様に報道している

番組も有るように感じられますが、それにも疑問を感じます。

日本は年間1万人の交通事故死者を出しています。

言い方を変えれば、日本の車社会は年間1万人の犠牲者の上に成り立っています。

最近では、ABSやエアバッグなどの新型(?)の安全装置が開発されていますが

もしも、それらの安全装置の装備を義務化すればどうなるでしょう?

1%の犠牲者が減るだけでも年間100人の生命が救われるのです。

今回の事故の犠牲者と同じ人数の生命が毎年救われるのです。

では、ABS・エアバッグの装備を法整備して義務化しない国土交通省を

今回のJR西日本のATS-Pの件みたいに責めているでしょうか?

そのような報道はまだ見たことも聞いたこともないです。


つまり、私が言いたい事は事故を起こしてしまったという負い目のある企業の

その負い目の部分に付け込んで、なんでもかんでも非難ありきで番組を組み立てて

いるマスコミの姿勢に対して間違っていると言いたいのです。

勿論JR西日本を殊更に弁護すると言うものではありません。

JR西日本には、自分たちの起こしてしまった事故に対して、原因の究明、反省、対策

更には被害者の賠償などと信頼回復に全力をあげて頂かなくてはなりません。

が、今回のマスコミの報道には、頭を傾げる事が多かったので取り上げました。


日本人は死んでしまった人間を責めるのを嫌います。

そのこと自体は日本特有の美しい(?)風習だと思いますが、運転士の責任の追及避けて

企業に責任があるかのような事実の歪曲報道は間違っていると言わざるを得ません。

更には、運転士の責任をうやむやにして、企業に責任があるような言い方がまかり通ると

今回のような無責任な運転士に事故再発防止への覚悟を鈍らせてしまい、

第二第三の事故を誘発する危険まである事をここで指摘しておきます。


尚、運転士に対してもお悔やみ申し上げます。

又、運転士の遺族の方々の辛い心中お察し致します。