クラシカルなデジタル時計製作。

 

 

 

 

 

表示部分にNEC製の蛍光表示管“LD8035E”を使ったクラシカルな雰囲気を目指したデジタル時計の製作ドキュメントを紹介します。

別に、時計が無くて困っている訳ではありません。

2008年秋も深まるある日、大阪日本橋のデジット(電子パーツ&ジャンク屋)に立ち寄った時のこと。店内を物色していると、“LD8035E”という蛍光表示管を発見、それを見た瞬間ビビビときました。カッコイイ、しかも@¥100=i見た目(外装)は小さなMT型真空管のようで、ガラス管内部に“日の字”の7セグメント表示部があります。)さらに、ふと目を横にやると、この“LD8035E”を6管ドライブできる、基板キットがあるではないか。(基板キット@¥1890)。思わず、基板キットと表示管単体数個を衝動買いしてしまったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑蛍光表示管“LD8035E

 

 

 

 

 

 

 

6管ダイナミック蛍光表示管基板キット内容物。

 ・専用基板 1

LD8035E 6

TD62783AP8回路入り非反転トランジスタアレイ)2

・抵抗 1W/910Ω 6

ICソケット 2

・ピンヘッダ 9pin / 6pin / 2pin 1

・写真には無いですが、組立説明書 1

 

LD8035E”6管を、ダイナミック式で表示させる基板キットです。

この形にビビビときたのです。

↑LD8035Eの説明書

 

 

↑基板キットの説明書(p,1

↑基板キットの説明書(p,2

 

そこで、この“LD8035E”で時計を作ろうと思いついた訳です。

 最初に思いついた構想は、購入した6管ダイナミック蛍光表示管基板キットを普通に組立て、手持ちのデジタル時計LSI、沖電気製のMSM5509でドライブしようというものですが、実際作ってみると大失敗。点滅の速度が速いせいか、LD8035Eがついていけないようで、表示にゴーストが発生してしまい、何時を表示しているのか分かりません。これでは悔しいので、他の方法を考えます。

 

 

 

 

 

 で、思いついたのが、(というか思い出したのが、)これまたデジットで以前見かけた、時計用LSI、東芝製T3605と多分専用と思う蛍光表示管と水晶発振子が入った、部品セットです。(@¥700、これは部品3点及び説明書のみのセットで、他の部品、基板は入ってません。)

 以前これも(説明書通りに)組み立てましたが、このLSIはスタティック点灯式のため、蛍光表示管と相性が良さそうですので、このICを使うことにしました。

 なおこのLSI12時間制表示のみで、AM/PMの表示機能もありません。そこでこの部品セット付属の説明書には、10時間、1時間用7セグメントの出力から、11時から12時に変わる時にパルスを作り出し、それをD-FFに入れることで、AM/PMLED で表示させる回路例が示されています。

 

T3605デジタル時計部品セット

 

説明書

                                  

 これらを基に構想した回路図を示します。T3605には秒表示機能はないので、時、分の4桁表示です。なので、蛍光表示管LD8035E4管あればいいのですが、時と分の間に1管追加し中央の“−”をコロンの代わりに使用しました。

T3605の出力に直に蛍光表示管を接続しても動作するかも知れませんが、(試してないので断定はできませんが)念のため非反転のトランジスタアレイを介します。AM/PMの表示は、時計部品セットの説明書にあった回路例をそのまま使用させてもらいます。

 

回路図(構想段階)

 

 さてさてこの回路図を握りしめ、2008年暮れも押し迫るある日、またまた大阪日本橋に降り立った私でした。(目的はもちろん部品集めです。)