野元正の小説-花四季彩
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氷の箱
第1回神戸ナビール文学賞佳作賞 冷蔵庫の中身はそれぞれ家庭など育った環境の象徴。男と女が一緒に棲み始めることは異なる二つの冷蔵庫を新しい一つの冷蔵庫を作って行くことではないのか?
草原の果てに
高射砲陣地だった草原の近くで育った男の幼き日の思い出や草原の果てにあるはずの未来への夢や幼なじみとの淡い思いなどを描き、そして自然への回帰を問うてみた。
円筒の家
海峡を渡る夢の大橋建設にともない撤去することになった大口径雨水管に棲んでいたアウトローの男女の話。いつも海の見える円筒の家は世俗にわずらわされることなく快適であったが……?
鏡の向こうに
もうとっくの昔に忘れてしまった、今は鏡にも映らない物憂い青春の思いを描き、当時は鏡の向こうの未来に何かあると模索する若者の苦悩を描いている。
かぶと虫型のポンコツ車を駈って、女友達を迎えに行くロードムービー的一編。貧しく誇り高い若者の人恋しさやリビドー(人間行動の裏に隠れた本能的欲望)が絡まった生活感を密度の濃い時間の中に描いてみた。
光の向こうに 桜の大樹を分岐点とする魔物が棲むというトンネルの道と女三代祖母も入れると、四代の生き方を重ねて女の性というか、未婚の母の家系にかかわる女の思いを三代目田鶴の目を通して男への思いや子育てや父恋いや未婚の母ゆえの苦悩をポジティブに描く。





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