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詩集 名前のないもの 第1章 冬眠 12

生花苗(おいかまなえ)の湖畔


オイカマナエの湖畔には
馬が6頭 人ひとり
カモが12羽 人ひとり
もうじき咲き出すクロユリみっつ
もうじき咲き出すハマナスいつつ

オイカマナエの湖畔では
男がひとりもの想う
草のしとねに寝ころんで
雲の波間に見るその夢は
はるかな人のあの日の笑顔

オイカマナエの湖畔には
馬が6頭 それだけさ
カモは旅立ち花は散り
人は帰った南の国へ
人は帰った南の国へ

(1966.5.31)

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