詩集TOP

冬眠
(1965.8〜1966.10)

駄荼懦惰堕
(1967.2〜1968.4)

呪歌
(1968.5〜1968.11)

名前のないもの
(1968.11〜1969.3)

拾遺集
(1969.4以降) 

 

Home

詩集 名前のないもの 第1章  冬眠  03

嵐はいってしまった


嵐はいってしまった
透き通った空を残して

嵐はいってしまった
命の終わった病葉を吹きはらって

嵐はいってしまった
川には水が満ちて

嵐はいってしまった
だが赤い実は地に落ちて

嵐はいってしまった
トタン屋根ははがれて

嵐はいってしまった
わずかな風と雲とを残して

嵐はいってしまった
それは終わった後の空しさ

嵐はいってしまった

(1965.9.19)

back                   next