てのひらを、たいように

ソフトハウスClear 消滅?
発売日2003/01/24
価格\9,240
ジャンル恋愛アドベンチャーノベル
対応OSWin98/Me/2000/XP
音声
1stプレイ時間12時間
総プレイ時間22時間
シナリオ80点
グラフィック70点
サウンド80点
システム80点
演出・構成55点
Hシーン30点
 
総合評価80点

 

ストーリー / あらすじ紹介

川の音が聞こえる場所。
水郷の里。
ぼくたちはそんなところに住んでいた。
家から少し歩くと山があって、そこには大きな芙蓉の樹がある。
そんな風景の中でぼくたちは過ごしてきた。

夏休みも近いある日。
ぼくたちの通う学校に一人の女の子が転校してきた。
女の子の名は永久。
明るい笑顔と淡く透き通るような髪が印象的な少女だった。
だが、初めて会ったはずの彼女の顔にぼくはどこか見覚えがあった。


夢を見た。
芙蓉の樹の下にある土を掘り返す夢を。
何か大切なものが埋まっている。
だからぼくたちは土を掘り返した。
手が痛くなるまで、ずっと……。


そして夏休みが始まる。
蒼穹と純白で彩られた季節の中でぼくたちは無邪気な時間を過ごしていく。
やがて目の前に現れる出来事も知らないままに。
水郷の里。
その名前とは別のもう一つの名。
さとりの里……そうとも呼ばれるこの町の中で。


ぼくたちは彼女を助けたかった。

 
 
 

シナリオ / 冬雀・秋津環

田舎町に伝わる伝記をベースに、主人公たちの友情を描いた物語です。
時間をかけて、本当に丁寧に作りこまれてます。
心理描写が非常に巧く、キャラの台詞一つ一つに心を打たれます・・・。
熱いです、泣ける場面もしばしばです。
このシナリオはネタバレせずに書くのが至難の業なんで自分にはこんな事しか書けませんが、 心暖まるシナリオをお探しの方、是非チェックしてみてください。

しかし、シナリオ的に若干無理のある部分、中盤〜後半ややダレる部分もありました・・・
あとこれ非常に大きな問題なんですが蛇足的部分も多いです。

もう一つ、誤字の多さと、セリフと文章の合ってない部分が後半多いような・・・修正パッチは現時点(2003/02/25)では出てないようですが

 
 

グラフィック / おーじ

ヒロインのつるぺた率80%、その道の人にはもう堪らない(中略)
原画家は管理人、密かに好きな
noanticaのおーじさんです。
つるぺた縞パン少女を描かせたら1.2を争うであろう萌え絵を描かれる方です。
案の定萌えます、萌え尽きますマヂで(〃∇〃)

しかし、やはりつるぺた専門なんで万人向けな絵ではありません。
ツボに入るともう萌えすぎること必死なんですがねぇ
まぁ萌えた者勝ちって事ですかね、こーゆージャンルでは♪

 
 

サウンド

―音声―
ヒロインフルボイス、サブキャラ一部ボイスあり、です。
何故に完全フルボイスにしなかったんだとClearに問い詰めたいのは山々ですがまぁ使用なので諦め(つД`)
みんな上手いと思います、特に永久と穂、まりあは秀でてると思いましたねー
永久の「がっこ〜いこ〜♪」に萌え殺された人間は数知れずw
自分は穂の照れ声にイチコロでしたが(*´д`*)

公開されてませんが声優さん、かなり有名な人使ってますねぇ♪
自分の耳だと1人しか分かりませんでしたが・・・情けない(苦笑


―BGM―
牧歌的、というか、夏が題材なのにも関わらず涼しげなメロディーが多いですー
この作品全体に言える事ですが、すっごい柔らかいんですよ、なんていうかふあふあーって感じ。
でも引き締めるとこはきちっとした曲も用意されてて、適材適所としか言えないですねぇ。
というか早くサントラを(略


―主題歌等、ヴォーカル曲―
『てのひらを、たいように』 Vocal:佐藤裕美
『あしたの約束』 Vocal:佐藤裕美
OPムービーと共に流れる「てのひらを、たいように」の躍動感や疾走感、堪りませんw
ゲームの主題歌としてこのクオリティを保っている佐藤裕美さんはすごいですなぁ(遠い目

 
 

システム

AVGではこれが限界だと思われます。
シナリオスキップは快速、セーブ数は100個でしかも見やすい、ログでボイスのリピートが可能・・・
細かい設定でキャラごとの音声のボリュームやらフォントの変更やら、しまいにはジョイパッドまで使用可能と、至れり尽くせりです。
パーフェクトとも言えるシステムです。
製品版であるver1.00では少々バグもありましたが修正パッチを入れると鬼に金棒状態でした。
個人的に非常に満足です☆

 
 

演出・構成

「てのひらを、」編と「たいように」編の2編構成な本作、自分が誉めに誉めているのは「てのひらを、」編のみです。
「たいように」編はシナリオライターが別の人なんで、温度差が凄いです・・・
最早別のゲームとなってしまった感もあるほど。
ヒロイン増やすための苦渋の方法とは言え、シナリオ重視な自分にはきつい物がありました。
そんな、遠い昔を思い出しつつ。(2005/04/26 wrote.)

 
 

Hシーン

全7種類・・・少なっ!!Σ(゚Д゚ )
まぁ純愛モノだし、えちぃには拘ってないんで全く構いませんがねw
凛と更紗のえちぃはそこそこアリです、はい

 
 
 

総合評価

2003年度最初に発売した良作です。
今年はもしかしたらとんでもない年になるんじゃねぇか?!って思わせた事は間違い無いですね。
今まで(失礼ですが)パッとしなかったソフトハウスなだけに徐々に広まっていくと思います。
ほのぼのしたゲームの雰囲気に是非包まれてください(何

いろんな面から多角的に見てもやはりこのゲームは優秀だと思います、突出している点は無くとも全体的に高レベルです。 古臭い台詞回しや、無駄に説明部分が長かったりと、少なくない粗の中に、プレイヤーを惹きつける魅力があると思うんです、俺は。

Clearは今まで良作『っぽい』ゲームばかり出してきました、パッケ絵見る限り面白そうと言いますか・・・
今回の「てのひらを、たいように」でClearは大きく成長したと断言します。
18禁というジャンルにおよそ似つかわしくない、男女の友情≠描いた本作。
決して悲しい話ではありません。心暖まるお話がプレイしたい人は是非お手にとって見られてはいかがでしょうか?

Clearさんは胸を張っていいと思います、このゲームは良作です。

My Best Character:佐倉 穂 (健気な子です・・・そして強がり、萌えですー)

 

 

ネタバレ考 / 反転文字にて記載しております。プレイ後見ることを推奨致します。

ていうかメーカーHPが消滅している(汗
潰れた?
ファンディスク「AB」がとてつもなくつまらんかったわけですが、潰れたのかぁ・・・
冬雀氏、どっかでシナリオ書いてるのかなぁ。
秋津氏は今もねこねこで頑張ってるみたいですが。こっちはどうでも
 
時代を感じますね、ほんと。
 
2003/02/26 wrote. / 2005/04/26 corrected.