Letter


9月4日から5日間、私は旅に出ました。
帰ってきたら、島の風景はすっかり実りの秋。不快指数の高い気候は夏そのものなのに、田んぼの中には深く頭を下げた稲穂が黄金に色づいているのです。
稲作地帯、典型的日本の農村に暮らすようになって13度目の秋ですが、今年ほどその風景を美しいと感じたことはありません。気温が下がらないせいなのか、葉には新緑を思わせる鮮やかさを残しながら、稲穂は黄金色に輝いています。その色合いは、田1枚1枚の実り具合で微妙に異なり、まるで島全体に美しい絨毯をしきつめたようです。
台風は、雨でほこりを洗い流して、いっそう色鮮やかに実りの海を輝かせました。
この美しい日本の田園風景が無くなってしまう日が永遠に来ませんように...

1999.9.15

P.S.共進会シーズンもたけなわです。いわば牛のミスコンです。 自慢の牛をきれい散髪して連れて来る人もいれば、 付き合いで仕方なく小屋から牛を引っ張り出してきた人、気合の入り方には差がありますが、 これも楽しいお祭りです。