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春の気配が少し感じられるようになりました。
年度がわりということで、職場では人事異動の季節です。
うちの部所では人事異動は無いようなのですが、この前、隣保の役員交代がありました。
都会の人には「隣保」と言っても馴染みが無いと思いますが、戦時中で言えば隣組、今では町内会というやつです。
今まで独り者の私は会費を納めるだけで、行事には参加したことはなかったのですが、平成11年度は第13隣保長を引き受けるはめになり、生まれて初めて町内会の総会というものに出席しました。そこで来年度の会長、副会長、会計を選挙で決めるのですが、地元のものではない私は誰に投票していいものか分かりません。この町内会で知っている人といえば、近所の酒屋さんと行きつけの居酒屋の大将(酒ばっかり飲んでるみたい)、仕事で診療に行く農家のおっちゃん、あとは洗濯機を修理してもらった電気屋さんくらいでしょうか。
そういうわけで、私は現会長さんが事前にこそっと推薦していた全然知らない人の名前を書くという無責任な投票をしたのでした。回りに座っていた人も同じ名前を書いていました。
かくして、私が投票した見ず知らずの人々は圧倒的な票数を集めて当選しました。
事前に根回しはできていて、投票は形式的なものと思われましたから、当然、本人たちはこの総会に出席しているものだと私は思っていました。
でも、なんか様子が変です。3人の隣保長さんがあたふたと公民館を出て行きました。新3役に選ばれた人を呼びに行ったということでした。
それを見て、もったい付けてるなと私は思ったのですが、しばらくして、戻ってきた隣保長さんたちは、みんな一人で帰ってきます。現3役が何か話し合っていて、なんだか様子が変です。
結局、新3役は誰も家には居なかったのでした。
要するに、これは完全な欠席裁判。事前に本人への打診はなく、選ばれた人は「青天の霹靂」といったところでしょう。現会長さんの「委任状出してるんだから、嫌とは言えないでしょう。」という言葉に私は唖然。
恐るべし、隣組なのでありました。

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