無痛抜歯・Painless Extraction

 当Clinicでは,Diathermy・HSP・Moist wound treatmentの三者併用療法により、外来外科手術すべて無痛で施行して好評を得ている。その内,一般に頻度の高い抜歯のヒントを記す。

1.抗生物質のPremedication(術前投薬)
2.術前HSP産生(全身)
3.Preoperative Irradiation(術前透射)
4.多量の水(消毒剤は禁忌)での局所洗浄によるBiofilm の除去
5.High Skillで抜歯
6.鎮痛剤投与
7.Postoperative Irradiation(術後透射)
8.術後HSP産生(局所、全身)
9.術後経過観察には消毒剤は一切使用禁止

 (無投薬で施行したい場合は1,6をはぶくことも可能) これで明日から名医になれる!


                     智歯・親知らずの無痛抜歯

■症例   ●薬物アナフィラキシー Drug anaphylaxis

患者:29歳、女性(看護師)
医療面接:2000年感冒のためフロモックス?、PL?、胃薬服用。直後にショック状態になり、呼吸困難、意識(±)。輸液(ステロイドを受け治癒。その後、薬物すべてに対して心的外傷・外傷体験(Traumatic Experience)を持つようになる。その他特記事項なし。
診断および治療経過:2006年7月11日;右下埋伏智歯。
疼痛のため近医数件を受診したが、いずれも無投薬では抜歯できないといわれ、当Clinicに紹介された。キシロカイン?にアレルギー反応がないことを確認し、抜歯前日からHSPを産生するように指示した。
2006年7月26日;局麻後、術前透射(Preoperative Irradiation)をし、短時間で抜歯を済ませ縫合。術後透射(Postoperative Irradiation)
を行い、除痛と治癒促進をはかる。含嗽剤、鎮痛剤は投薬せず、内Diathermy、HSPとMoist wound treatmentで経過をみる。
2006年7月27日鎮痛剤は必要なく、感染も無い。内Diathermy。
2006年7月28日;少し開口障害が出てきたので、障害になっている咬筋と患部に透射。
2006年8月02日;抜糸。治癒は非常に早い。一切の化学療法を用いなくても物理療法で十分可能である。

 2006年7月26日。右下知歯の抜歯は最小の外科
的侵襲で済ます

 初診時(2006年7月11日)。右下の埋伏智歯  

著書“Diathermy”の著作権侵害となるため、禁無断転載・複写。

★無痛抜歯を御希望の方は事前予約が必要です★

 当Clinicで外科処置を受けた場合、入浴、洗髪、運動、飲酒など通常の日常生活ができます(喫煙のみ禁止)。ただし、全身的疾患を有する者はこの限りではありません。

 2日後(2006年7月28日)開口障害が出て、患部の観察が困難であったので(上)、咬筋部と患部に透射すると、すぐ、本人が驚くほど開口度が増した(下)