著書“Diathermy”の著作権侵害となるため、禁無断転載・複写。

従来治療法

原因:局所感染と過度のうがいによる血餅不足が原因と考えられ、Dry Socketの原因としては抜歯窩の細菌感染、血餅の形成不全があげられている。いかに臨床経験豊かな術者が十分な注意を払って抜歯を行っても、必ず数%の割合で生じると記載している本もある。
治療法:患部を毎回強い消毒液(イソジン、リバノールなど)で洗い、鎮痛効果のある薬剤や、消毒抗菌作用のある薬剤(ケナログ軟膏、テトラサイクリンCMC など)を患部に填入し、その上をパックで覆う方法が一般的である。テラ・コートリル軟膏付きの小ガーゼを抜歯した穴に軽く詰めなさいと記載しているのもある。それでも痛みが取れない場合は、抜歯窩再掻爬をして血餅の形成を促して、局所と全身への抗生物質長期投与、鎮痛剤の長期投与さらに度重なる局所の消毒などが行なわれ、そのうち治るという言葉を信じて、患者はただ耐えるだけである。QOLの低下は著しい。

問題点

①抜歯創には一般的には排膿はない感染ではない
②所属リンパ節の腫脹はなく、発熱のような全身の症状はめったにない←この症状からでも感染ではない。
③悪臭←壊死組織や食物残渣が原因で、これを除去すると通常骨面はきれいな状態であることが多い。
④過度のうがいによる血餅不足←縫合した抜歯窩では説明がつかない。うがい程度では抜歯窩の血餅まで流れ出ることは少ない。
⑤現行の治療法は褥瘡を毎日強い消毒剤で消毒し、ガーゼを当てて乾燥して治らない治らないといっているのとまったく同じである。
  抜歯窩も同じでMoist Wound Treatmentを適応してDiathermyとHSPの三者併用すればDry Socketなど併発するはずがないのである。
  事実、著者は40年間Dry Socketを併発させたことはない

Dry Socket(ドライソケット)最先端治療法

さらに進化した治療法

 激痛から当日解放!ジアテルミー・湿潤療法・HSPの三者併用療法で劇的に治癒する。毎日通院して、強い消毒薬で洗浄していても、逆に治りを遅くする。詳細及び治療法は著書“Diathermy”を参考にして下さい。全国では、毎日強い消毒薬で傷口の洗浄をしてもらい、じっと激痛に耐えている多くの患者がいる。


症例 ドライソケット Dry socket (図1-8)
患者:28歳、男性
医療面接:バッファリンで口唇炎、その他特記事項なし。
診断および治療経過:2008年2月28日;某歯科医で左下親知らず抜歯。
 3月3日;Dry socketを併発。ケナログ軟膏、テトラサイクリンCMC(塩酸テトラサイクリンパスタ)を抜歯窩に入れ、フロモックス、ボルタレン投与で経過を診ていたが、激痛が増大したため当クリニックに紹介された。
 2008年3月5日;耳、頭、頭部に夜も眠れないほどの激痛。食事の時の接触痛。この痛みの原因は創部の乾燥(図5)によるもので あるからMoist wound treatmentの原則に従い、まず乾燥を防ぐことから始める。ここでも消毒剤は一切使用せず、オゾン水または水 道水で創面のBiofilm、Debridementを洗い流し、INTRASITE GEL(England)(図3)をSocket内に流し込む(図4)。流れ出ないようにSpongel(止血用ゼラチンスポンジ)で閉鎖する(図7)。これでMoist wound treatment湿潤状態が確保された。その後、内D透射(図7)。
 麻酔も投薬もせずに全ての処置が終了した時点でVAS(Visual Analog Scale)は1/10に低下した。従来の方法では考えられない早さである。
 2008年3月10日;5日後、疼痛から解放された(図8)。



(図8)肉芽の成長が始ると、Diathermy、湿潤治療HSPの併用作用で一気に歯槽骨が肉芽で覆われる

(図7)湿潤治療ができたら、内科的Diathermy
とHSPで免疫力を高める

(図5)Dry Socket。病名通り乾燥が
痛みの
原因である

(図4)INTRASITE GELを乾燥抜歯窩に
流し込む

(図6)INTRSITE GELで乾燥歯槽窩を覆い、Spongelでさらに湿潤状態を確保する。細胞成長因子が滲出してくる

(図2)初診時(2008年3月5日)。
X線では底部のCondensing Ostitis?

(図1)初診時(2008年3月5日)28歳。
抜歯窩底部は真っ白な緻密骨が露出状態

(図3)INTRASITE GEL(England)。
二次治癒ハイドロゲル創傷被覆・保護材