エピソード高校日本史(目次)

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エピソード日本史

第一章 古代国家の起源 猿から人へ〜大和朝廷の地方支配
第二章 律令国家の形成 仏教伝来〜仏像の覚え方V(曼荼羅)
第三章 律令政治と国風文化 承和の変〜国風文化(絵巻物)
第四章 武家社会の形成 以仁王挙兵〜鎌倉文化(絵巻物)
第五章 武家社会の成長 持明院統と大覚寺統〜室町時代の教育
第六章 幕藩体制の確立(1) コロンブスと日本〜焼ものの歴史
幕藩体制の確立(2) 武断政治〜江戸庶民の生活
第七章 幕藩体制の動揺 江戸-社会の動揺〜政治・社会思想の発達
第八章 近代国家の成立(1) ペリー来航〜殖産興業
10 近代国家の成立(2) 文明開化〜日清戦争
11 近代国家の成立(3) 立憲政友会の成立〜日露戦後の国際関係
12 第九章 近代日本とアジア(1) 大正政変〜文学(耽美派、白樺派、新思潮派)
13 近代日本とアジア(2) 柳条湖事件と満州事変〜真珠湾攻撃
14 第十章 現代世界と日本(1) 占領下の実状〜国民生活と文化T
15 現代世界と日本(2) 国民生活と文化U〜現代の日本
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なぜ勉強するのか
 「なぜ勉強するのか」という質問から私の最初の授業が始まります。
 私は私のメッセージを言葉を使って皆に伝えます。皆は私のメッセージの意味を理解しようとします(これを読解力といいます)。意味が分かれば、今度は皆は自分のメッセージを私に返そうとします(これを表現力といいます)。つまり一番大切なのは言葉という方法ではなくて、伝えようとするメッセージだということが分かります。個性とは自分にしかないメッセージの集合ということです。
 自分のメッセージ(気持ち)を相手に伝える方法には、言葉だけでなく、彫刻や文章や音楽や映像があります。
荻原守衛の彫刻『女』のメッセージは?
 荻原守衛という人の『女』という彫刻があります。作者はこの彫刻で私たちにどんなメッセージを伝えようとしたのでしょうか。首から下は苦しい明治時代の厳しい女の人の状況を描き、空を見上げる姿はそれにもめげず、そのくびきから脱しようとするたくましい女の人を描いています。そう理解すれば、作者も納得してくれるでしょう。
心揺さぶる代筆で作詞家阿久悠の誕生
 作詞家に阿久悠という人がいます。本名は深田公之さんです。阿久悠という名前のいわれを本人が説明していました。それによると、高校時代、友人からラブレターの代筆を頼まれ、彼が書くと必ず返事が来たといいます。代筆のことを知った女生徒から「悪友ね」と言われたことから来ているというのです。文字は人の心を揺さぶる力を持っているのです。
尾崎豊のあり余るメッセージとは?
 尾崎豊を世に出した人の証言です。歌手として売り込みに来た高校時代の尾崎豊の歌は普通だったそうです。断った時、尾崎豊は学生カバンから大学ノートを数十冊も取り出し、見せたそうです。そこには尾崎豊の文字でぎっしりと詩が書き綴られていたといいます。彼は尾崎豊のあり余るメッセージに、すごさを感じて、契約を結んだと言います。歌もやはり自分のメッセージを伝える道具であるということが分かります。
ジョージ・ルーカス監督が大切にしているもの
 世界の大人も子供も、男子も女子も等しく、アメリカ映画「スター・ウォーズ」を見ます。その秘訣をジョージ・ルーカス監督はこともなげに、日常生活を大切にし、その中の「思い出の瞬間や感動したこと(メッセージ)をそのままの思い出を伝えたい」と語ります。その日常のメッセージをそのまま映画にしているというのです。
勉強はメッセージのキャッチボール
 彫刻や文字や歌や映画を通じて作者はどんなメッセージを私たちに伝えようとしているのでしょうか。それを読解し、それを誰かに伝えるには、表現力が必要です。また、伝えるメッセージがないのに、いくら伝える技術を磨いても意味がない。メッセージは美容院で茶髪に変えるように簡単にいかない。日常を大切に、相手(人や自然などすべて)のメッセージを正しく理解するために、私たちは勉強するのです。すべてが先生なのです。
 私はそう問い続け、生徒はそれに答え続けてくれた36年間でした。
 日本の歴史を通じて、彼や彼女に語りかけてきた、エピソードを「エピソード日本史」として発行します。
プリントはパソコンに残るが、エピソードは喋ると終わり、復元が難しい!!
 卒業生からプリントが欲しいという要望があったので、パソコンの底に眠っていたプリント日本史とその解答、史料集だけは復元できました。
 しかし、36年間の教師生活と共にエピソードで綴った教材も地上からは姿を消しました。プリント日本史をインターネットで見た卒業生から、エピソード日本史も是非見たいという強い要望があり、断片的なメモを辿りたどり復元に努めています。基本的な部分は辞書で確認していますが、記憶違いもあると思います。協力を仰ぎながら、より完成を目指したいと思っています。