ほうとう息子物語

ルカによる福音書15章11節〜32節

人形は教会学校の子ども達と共に製作した大阪昭和教会オリジナルのあやつり人形です。

物語は聖書の物語を基にしアレンジを加えました。

この人形劇は、子ども達によって合同礼拝において上演されました。


 あるところに大きな農園がありました。その農園を管理していた主人にはしっかり者で働き者の兄と、働くのがめんどくさいと思いながら、さぼってばかりいる弟がいました。ある時、弟が父に言いました。

 「お父さん、わたしも大きくなりました。お父さんから離れて、自分のことは自分でしてみたいのです。世の中を見てみたいのです。町に行って、財産をふやそうと思います。お父さんが死んだあとに、私のものになる財産を今ください。必ず、お金持ちになって、お父さんにも楽をさせてあげます。」

 お父さんはおどろいたが、息子の思うようにさせることにしました。そして、お父さんは、ふくろいっぱいのお金を息子に手わたしました。息子は自分の持ち物をまとめると、お父さんにもらったお金を持ってさっそく町へでかけて行きました。

 町はとてもにぎやかで、はなやかでした。
 息子は、新しいかっこいい着物を買い、新しくできた友達と毎ばんのようにごちそうを食べ、酒をのんでくらしました。飲めや歌えの好き勝手な生活をし、働こうとはしませんでした。息子は、たくさんのお金をあっという間に使ってしまいました。お金が無くなってしまった息子は友達にたのみました。
 「悪いけど、お金を少しかしてくれないかな。働いたらかならずかえすから。たのむよ。今までおごってやったじゃないか。」

 「悪いなあ、ちょっと、いそがしいからまた今度な。」
 今までいっしょに遊んだ友達は、むすこのお金が無くなた事を知ると、だれも助けてくれようとはしないで、むすこから去っていってしまいました。

 すっかりお金をなくした息子は、何日も食べていませんでした。むすこは、近くの農家にいって働かせてもらえないかたずねました。

 「ここで働かせてもらえませんか?何か食べるものさえわけていただければ、何でもやりますら。」

 「今は、うちも苦しいから食べるものは分けてやれないが、豚の世話をしてくれれば、その辺のものなら好きに食べてもいいぞ」

 そして、息子は豚の世話をして働きました。でも、食べるものは、豚の食べるえさしかなく、おなかがすいてたおれそうな息子は豚のえさをぶたといっしょに食べるしかありませんでした。そのとき、むすこはお父さんの家をおもいだしました。

 「ぼくは、なんて自分かってだったんだろう。お父さんといっしょに働いて、ごはんを食べられることは、本当にしあわせなことだったのに、そのことに気がつかないで、お父さんに無理なことを言って出てきてしまった。ああ、ぼくはバカだ。でもお父さんにあやまっても、ゆるしてもらえないだろうな。でも、ここで死ぬより、お父さんの所へ行って、お父さんの家のめしつかいにやとってもらおう。」

 むすこはお父さんのいる家へ帰りました。
 息子が帰ってくる姿をお父さんは遠くから見つけ、走ってきました。
 そして、お父さんは、息子をきつくだきしめました。

 「おーい、一番いい服ををもってきて着せてやれ。金の指輪もだ。それから、子牛をほふって、みんなでお祝いをしよう。私の息子が帰ってきたのだ。みんな、喜んでくれ。もう会えないと思っていた息子とこうしてまた会えたんだ。この子が生きていたんだよう。」
 そして、せい大なえん会が開かれました。

 けれども、弟の兄はこのさわぎを聞いておこり、お父さんに文句をいいました。
 「お父さん、私は何年もあなたのために働き続けてきました。それなのに、私のためには、一度だってえん会など開いてくださらなかったじゃないですか。」
 「息子よ、おまえはいつも私のそばにいたではないか。それはいいことではなかったのか。私たちといっしょに喜んでおくれ。一人でもいなくなってしまうことはとても、さみしくつらいことだよ。わかるだろ。お前たち一人一人が私にはとても大事なんだよ。」

 お父さんの声はやさしく愛にみちていました。

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