地積の求め方
図形の面積を求める方法はみなさん学校で学んだことと思います。
三角形、長方形、台形、平行四辺形など、求積の公式を今でも覚えているのではないでしょうか。
(「今でも」、という表現は私のように年を喰った方向けですね^^;。お若い方には当てはまりませんよ。たぶん^^;;;)
測量における求積の場合、その図形は多角形になる場合が多いですので、求積はちょっと難しくなります。
昔の地積測量図では「三斜法」という求積方法が用いられていました。「三斜法」とは、多角形をいくつかの三角形に分解して各三角形の面積を求めて合算する手法です。
三角形の面積ですから、底辺になる辺長と高さにあたる部分の距離が求められればよいわけです。高さについては三角形の三辺の長さが分かれば自動的に決まってくるものですので、筆界点の座標値が無くてもそれぞれの筆界点間の距離が分かっていれば求積が可能となります。昔の測量技術では正確な筆界点の座標値の算出は大変難しいものであったと思われる(経験者ではないのであくまで推測ですが...)ので、この求積手法が一般的だったのでしょう。
「座標法」は筆界点の座標値のみで面積を求めてしまう方法です。昨今の測量はトランシットやトータルステーションなどを用いて測量をし、結果をパソコン等に取り込んで計算するため、座標値の算出が容易にできるようになりました。
「座標法」の計算手法ですが...ちょっと難しいですよ。
まず、土地を構成している筆界点の座標値を列挙します(ここでは簡単にするために筆界点の数をA〜Dの4つ、すなわち四角形の土地にしました)。
X Y
A 100.00 100.00
B 120.00 110.00
C 110.00 80.00
D 90.00 90.00
次に、自分の次の点のY座標値から前の点のY座標値を引き算
した値を書き込みます(前や後ろの座標が無い場合は最初や最
後の座標値を見ます)。
X Y Yn+1 − Yn-1
A 100.00 100.00 20.00
B 120.00 110.00 -20.00
C 110.00 80.00 -20.00
D 90.00 90.00 20.00
計算した値にX座標値をかけます。
X Y Yn+1 − Yn-1 X(Yn+1 − Yn-1)
A 100.00 100.00 20.00 2000.0000
B 120.00 110.00 -20.00 -2400.0000
C 110.00 80.00 -20.00 -2200.0000
D 90.00 90.00 20.00 1800.0000
かけた値を合算します。
X Y Yn+1 − Yn-1 X(Yn+1 − Yn-1)
A 100.00 100.00 20.00 2000.0000
B 120.00 110.00 -20.00 -2400.0000
C 110.00 80.00 -20.00 -2200.0000
D 90.00 90.00 20.00 1800.0000
-------------------------------------------------------
2A=-800.0000
合算値のプラスマイナスの符号を無視して2で割ります。
X Y Yn+1 − Yn-1 X(Yn+1 − Yn-1)
A 100.00 100.00 20.00 2000.0000
B 120.00 110.00 -20.00 -2400.0000
C 110.00 80.00 -20.00 -2200.0000
D 90.00 90.00 20.00 1800.0000
-------------------------------------------------------
2A=-800.0000
A= 400.0000
結果、400.0000が面積ということになります。座標値の単位が
メートルであれば400.0000uということです。
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