順番が逆になってしまったが、これが工作を外注していたブリッジ。材質は汎用性の高い5000番台のアルミを使用している。発注先は川崎のアルミプラスという工場で、発注から到着までは約三週間掛かった。ここは、iPod用の装甲を作ったという人のサイトから辿って見つけたが、メイルへのレスも速く、丁寧な応対をしてくれる。なお、このお店もそうだったが、場所によってはCADデータに加えて製図を持ち込む必要があるので、事前に図面を用意しておこう。僕のようなCAD工作に不慣れな人間の場合、送付するファイルにゴミデータが混入する危険があるので、フェイルセーフの意味も込めて製図を行った方が良いだろう。工程が多いので、工賃は結構良い値段となってしまうが、自分でこれだけの作業を行うことを考えて、マンパワーに換算したところ納得出来るレベルであった。


ご覧のように、下段のブレードのカウンター部分がブリッジを貫通する構造となっている。M3ネジで固定される部分を対称として、ブレードが振動する訳だ。直径はマージンを見て2oとなっている。

一方、手持ちにノギスがなかったのでスポークの正確な径を計らずにタイト目に横穴を発注していたが、案の定現物あわせの段階で失敗。やはり、スポークそのものを送付して判断を仰ぐべきだった。一瞬の手間を惜しんだ為に、後々にしないでよい苦労を背負い込むことになるので、設計の段階で「バグつぶし」に精を出すべきだ。実際の工作経験はこうしたショーもない体験の積み重ねなので、次回に向けて精進せねばならない。

チューニング及びブレードの固定はブリッジ上面のM3ネジで行う構造となっている。真ん中の細い間隙にBuzz用のパーツを仕込むことも出来る。横穴の精度がそのままブレードのピッチの精度となるので、シロート仕事での対応はほぼ無理だと思う。なんせ、多分世の中に存在しなかった、もしくは、どこかの文献に埋もれている構造の楽器なので、実際の用法は今後の試行錯誤に委ねられることになるだろう。




つづく