私と超高層ビル

 

新宿住友ビル建設のニュース(小学生)

  田舎で小学生の時、NHKの朝のニュースで新宿住友ビル建設中のニュースをやっていました。「このビルは完成すると、日本一高くなります。上から見ると三角という珍しい形をしています。しかしこのビルも完成後すぐに隣のビル(新宿三井ビル)に抜かれます」とコメントしていました。あの時大変興奮を覚えました。思えばあれが超高層ビルに興味を持つきっかけではなかったのか?と思います。世界を見るとニューヨークにはWTCというはるかに高いビルがあることも知りました。超高層ビルはカッコええ!

 

修学旅行(高校生)

  高校の修学旅行は東京もコースに入っていました。何が楽しみかというと新宿の超高層ビルが見られるかな?と思ったことでした。なんとか新宿を通ってほしいと願っていたら、新宿の超高層ビル街のど真中をバスが走ってくれました。その頃には新宿の超高層ビルの名称と外観はすべて覚えていたので大変感動でした。日暮れ直後だったので窓の灯りがすごく綺麗でした。うれしくて興奮!興奮!

 

阪急グランドビル(学生)

  田舎から大阪に出てきました。すぐ阪神タイガースの大ファンになり、関西が大好きになりましたが、大阪に来て一番最初に遊びに行ったのは、阪急グランドビル(阪急32番街)でした。 大阪の友人も田舎者に見せるにはこれが一番と思ったのでしょう。実は生まれて初めて超高層ビルに登ったのがこのビルです。東京は地図をいつも見ていたので結構詳しかったのですが、大阪のことはあまり知らなかったので 「大阪も凄いやんか!」と感動したものです。数が少なかったこともありますが、この年の夏頃には日本中の100m以上の超高層ビルはすべて言えるようになっていました。友人から「実践に役に立たない変な趣味やなあ!」と言われていました。ほっといて!

 

がんばれ関西!東京に負けるな!(学生、社会人)

  80年代前半は、関西経済地盤沈下と言われる中でも、関西新空港の計画が具体化しOBPではTWIN21などが着工していきました。そして80年代後半 はまさにバブル経済の頂点では、りんくうタウンや南港に巨大な新都心をつくる計画が持ち上がりました。今思うと正気の沙汰か?と思うような計画でしたが、当時は私も実現を信じて疑いませんでした。いったい何本超高層ビルが出来るのだろうか?期待に胸躍らせていたらバブル崩壊・・・・

 

すさまじい東京一極集中(社会人)

  バブル崩壊とともにりんくうタウンや南港の計画は、凍結や解消していきました。不景気は特に関西経済に重くのしかかり、リストラに向かう企業はますます東京シフトしていきました。超高層ビルも関西では1年に1〜2本くらいしか着工されなくなりました。それとは反対に東京には雨後の竹の子のように建設ラッシュが続きます。首都圏の中でも元気があった 横浜のMM21や千葉の幕張も最近は東京都心にパワーを吸い取られて元気がありません。関西に住んでいる私には、東京の100mそこそこのビルはもはや把握不可能です。いったい現在何本あり何本工事中で何本計画中なのでしょうか? ( 最近はインターネットのおかげで首都圏も情報も手に取るように分るようになってきました。本当にいい時代になったものです。)

 

ワールドトレードセンターの倒壊

  同僚の送別会後10時半くらいに家に帰り、テレビを点けるとワールド・トレードセンターが燃えていました。「飛行機でもぶつかったのかな?」と思って見ていると、テロだと分かり大変驚きました。しかし倒壊するなんて夢にも思っていませんでした。1945年に濃霧の中エンパイア・ステート・ビルに爆撃機 「B−25ミッチェル」が激突した事があったのですが、倒壊しなかったので超高層ビルは飛行機の激突では倒れないと思っていました。しかし・・・・衝撃に言葉を失い、震え、その後涙が出てきました。あの中にいったい何人の人がいるのだろう か?ワールド・トレード・センタービルは私の一番好きな憧れのビルでした。 映画「デープ・インパクト」や「アルマゲドン」でも倒壊しなかったのに・・・・現実はハリウッドを超えていました。

 

東京一極集中への憂い

  関西人のひがみではないのですが、東京一極集中には大変憂いを抱いています。阪神大震災を経験した私は大都市も巨大地震で瞬時に崩壊することを知りました。もしも東京で巨大地震、その他の大惨事があったら日本経済は崩壊してしまいます。アメリカや中国やドイツのように拠点都市が複数あり分散していれば ある程度リスクが回避出来ますが、今の日本には東京をカバーできる能力とパワーのある都市はありません。それだけ何もかも東京に集中してしまいました。超高層ビル好きの視点から見ても、全国の拠点都市に超高層ビル街があったほうが楽しいです。
 しかし関西に住んでいて大阪府や大阪市の体たらくを見ていると東京一極集中は止まるどころか加速しそうです。こんな時こそ団結して行政にがんばってもらわないといけないのに・・・「あんたら!対立してる場合か?!改革という言葉を知らんのか?こんなことじゃ本社がますます東京に移転するぞ!」と声を大にして言いたいです。

 

日本経済の復活、怒涛の超高層ビルラッシュ

 2002年初めに日本経済は底を打ち、プラス成長に向かいます。しかしいつマイナス成長に陥るかも分からない状況でした。2003年春にはイラク戦争開戦、SARS(重症急性呼吸器症候群)、金融危機などで、日経平均株価は2003年4月28日にはバブル後最安値の7607円まで下落します。日本発の金融恐慌が心配されましたが、りそな銀行に公的資金を投入したことのより安心感が広がり、株価は急速に復活していきます。日本経済は地獄の淵からはい上がりました。

 企業は過去10年以上のリストラでスリムになったところに中国特需が重なり、好決算が続出するようになります。それに都心回帰、企業がリストラで都市部の土地を放出、タワーマンション人気などが重なり東京から始まったタワーマンション建設ラッシュは大阪、横浜、川崎に飛び火していきます。オフィス需要に関しては東京の独壇場で、東京以外は景気のいい名古屋が少し盛り上がっているくらいでした。しかし200 6年頃から大阪、横浜も急速に盛り上がっていきます。現在、各都市は未曾有の超高層ビルの建設ラッシュになっています。


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