パソコンの歴史1992年
1992年 1月  NEC 486SXパソコン「PC-9801FA」発売(1月27日発表)

CPU  486SX/16MHz
RAM  1.6MB(最大14.6MB)
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*2ドライフ(FAU2、FAU5,FAU7)
 5インチ2HD*2ドライフ(FA2,FA5,FA7)゙
HDD  オプション(FA2,FAU2)/40MB(FA5,FAU5)
 100MB(FA7,FAU7)
グラフィック  640*400*4096色中16色
サウンド  FM音源3重和音+SSG音源3重和音
備考  本体 FA2/FAU2 458,000円
     FA5/FAU5 578,000円
     FA7/FAU7 648,000円
 
 遂にノーマルPC-9801シリーズに486搭載パソコンの登場です。PC-9801DA シリーズの新型ですので”PC-9801DA21”の型名を予想していましたが違いました。CPUが変わったからだと思います。大きな変化があったのが本体前面にファイルスロットを1スロット装備したことです。今まで外付けでしか拡張できなかったハードディスク、光ディスク、CD-ROMなどが内蔵できるようになりました。ファイルスロットは翌年発売される 「PC-9821MATE」シリーズに引き継がれていきます。PC-9801FAは価格的には高かったのですが非常によく売れました。
 
1月  NEC PC-9801NS/T発売(1月27日発表)

CPU  386SL/20MHz
RAM  640KB+1.25MBRAMドライブ
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*1ドライブ
HDD  オプション(T)/40MB(T40)/80MB(T80)
グラフィック  640*400ドット*8階調(液晶画面上)
サウンド  BEEP音
備考  本体 T      288,000円
     T40 398,000円
     T80 458,000円
 
  PC-9801NS/Eの新型で、速度的には25%高速化していました。搭載しているCPUの386SL(98)はインテルとNECの共同開発した98仕様のものです。PC-9801NS/T はバランス的に優れていたので良く売れました。
 
1992年 1月  NEC PC-9801NL発売(1月27日発表)

CPU  V30HL/16MHz
RAM  640KB(最大8.6MB)
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*1ドライブ
HDD  -
グラフィック  640*400*8階調(液晶画面上)
サウンド  BEEP音
備考  本体 238,000円
 
 愛称は98NOTEライトでした。PC-9801シリーズと互換性を保った上に、本体重量1.3kgの超軽量マシンでした。また緊急避難的に単3アルカリ乾電池が使用可能でした。ただフロッピーディスク外付けでしたし、液晶画面はバックライト無しだったので見づらかったです。あまり実用的でなかったのか斬新 なアイデアの商品でしたが、あまり売れませんでした。
 
1月

 (米)AMD 486とピン互換CPU「Am486」ファミリー発表(1月31日)

 
486DXとピン互換CPUのAm486DXと486SXとピン互換CPUのAm486SXを発表しました。
 

1992年 2月  シャープ X68000CompactXVI発表

CPU  68000/(16/10MHz)
RAM  2MB(最大12MB)
VRAM  512KB+512KB(テキストVRAM)両方ともビットマップ
FDD  3.5インチ2HD*2ドライブ
HDD  オプション
グラフィック  768*512ドット*65536色中16色(仮想1024*1024モード)
 512*512ドット*65536色
サウンド  FM音源8オクターブ8重和音+ADPCM
備考  本体 298,000円
 
  X68000シリーズ初の3.5インチフロッピー内臓タイプです。本体もマンハッタンシェイプではなくシングルタワー型になり、従来よりも44%も薄型化されました。それ以外の基本性能は前年に発売されたX68000XVIと同じです。しかし3.5インチのアプリケーションソフトはほとんど発売されることはありませんでした。すでに初代モデル の発売から5年近く経過していたので競争力もほとんどなくなっていました。
 
1992年 3月  コンパック 日本向けDOS/Vパソコン発表(3月2日発表)

 前年7月に日本法人を設立したコンパックが、デスクトップからノートパソコンまで5シリーズ25モデルのラインナップで日本向け新製品を発表しました。この時にはすでにアメリカ のコンパック本体では創業者のロッド・キャニオン氏は業績不振の責任を取って解任されていて、CEOにはエッカード・ファイファー氏が就任しました。

★直接関係ないですが、当時IBMはパソコンを中心としたダウンサイジングの影響で、1991年度に創業以来はじめての巨大赤字に陥り会長兼CEOのジョン・エイカーズ氏は大リストラを決行します。そして1993年1月26日、ジョン・エイカーズ氏が引退(更迭)することになり、後任としてルイス・ガースナー氏が1993年4月1日にIBMのCEOに就任しました。ルイス・ガースナー氏はそれまでRJRナビスコの最高経営責任者でした。RJRナビスコは食料品関係の会社なので全く畑違いでしたが、卓越した経営手腕で見事にIBMを復活させました。
 
3月  エプソン PC-386NWR発表(3月25日発表)

CPU  386SX/20MHz
RAM  1.6MB(最大9.6MB)
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*1ドライブ(NWR1B,NWR1D)/2ドライブ(NWR2)
HDD  オプション(NWR2)/40MB(NWR1B)/80MB(NWR1D)
グラフィック  640*400ドット*8階調(液晶画面上)
サウンド  BEEP音
備考  本体 NWR2  278,000円
     NWR1B 398,000円
     NWR1D 458,000円
  PC-386NWの新型です。CPUのクロック数が16MHzから20MHzにアップしました。エプソンのノートパソコンは当時引退したばかりの元F1レーサー中嶋悟をイメージキャラクターに使っていました。
 
3月  (米)インテル 486DX2(50/66Mhz)発表

 すでに486DXの50MHz版は発売されていましたが、高性能であったにも関わらず採用するメーカーはあまりありませんでした。理由はあまりの高クロック数のため周辺チップがCPUついて行くことが出来なかったからです。高性能な周辺チップを使用する方法もありますが、パソコンの価格が上がってしまい 価格競争力を失うため各パソコンメーカーは採用には消極的でした。
 そこでインテルが考えた方法は外部クロックはそのままにしておいて、内部を2倍に上げる方法です。50MHzの場合は内部が50MHzで外部は25MHzになります。その後486SXを486DX2相当にするODP(オーバー・ドライブ・プロセッサ)も登場しました。
3月  (米)シリコングラフィックスがミップスを吸収合併

 
シリコングラフィックスは後にネットスケープ・コミニケーションズ社を設立いたジム・クラーク氏によって設立されました。3Dグラフィックワークステーションに強みをもっていました。 ディスプレイ上で3Dグラフィックスを回転させることの出来るジオメトリーエンジンの開発は画期的でした。今ではハリウッドの映画産業には必要不可欠な存在です。シリコングラフィックスが有名になったのは 「Indigo」が「ターミネーター2」で使用された出来事でした。今までの映像と根本的に違う滑らかな動きは今でも忘れられません。MIPS社は当時R4000などの高性能CPUを開発しているメーカーでした。
 
1992年 4月  (米)マイクロソフト Windows3.1発売(4月6日)

  MS-Windows3.0の欠点が大幅に解消されました。画面上でも見たイメージはあまり変わりませんでしたが、アイコンがより立体化していました。 日本語版は約1年後の1993年5月に発売されます。

★今振り返ると不思議に思うのが名称がVer3.0の頃までは「MS-Windows」呼ばれていたのにいつの間にか「Windows」なってしまった事です。雑誌等も当初はずっと「MS-Windows」と書いていましたが、いつの間にかMSがとれていました。 いろいろ本を見ていていても正確な時期は分かりません。店頭では「Windows95」が発売されるまで「MS-Windows」と呼ばれていたような記憶がします。
 

4月  (米)IBM OS/2 V2.0発売(4月6日)
 日本IBM OS/2 V2.0日本語版発売(日本版91年10月21日に発表)

 左の写真は当時のOS/2の広告です。今ではほとんど姿を見かけることはありませんが、当時IBMはOS/2にかなり力をそそいでいました。GUIは「ワークプレースシェル」 と呼ばれていました。 OS/2は最初からGUIソフトが付いていたようなイメージがありますが、V2.0が発売されるまではMS-DOSと同じテキストモードでした。最初のバージョンが発表されたのはIBMがPS/2を発売した1987年4月です。

本来ならOS/2は
V1 1987年4月発売
V2 IBMとマイクロソフトの共同開発(決裂しIBMが独自開発)
V3 マイクロソフトが開発し中身はWindowsNT(その後WindowsNTとして発売)

 以上のような計画でプロジェクトは進んでいましたが、1980年後半ごろからIBMとマイクロソフトの蜜月関係があやしくなり、1990年5月マイクロソフトがMS-Windows3.0を発売しこことをきっかけに決裂が決定的になり、提携を解消しました。その後IBMは独自に開発を続けますがOS/2はメジャーになることはありませんでした。そんないきさつもあり英語版の発売はMS-Windows3.1の発売日にぶつけてきました。
 当時は次世代OSということで32ビットOSが大変話題になっていました。マイクロソフトのWindowsNT、サンマイクロシステムズのSolaris、IBMのOS/2などです。
 

1992年 5月  NEC PC-9801FSシリーズ発表(5月12日発表)
 NEC PC-9801FXシリーズ発表(5月12日発表)

CPU   386SX/20MHz(FS)
  386SX/12MHz(FX)
RAM   1.6MB(最大14.6MB)
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*2ドライブ(FXU2,FXU5,FSU2,FSU5,FSU7)
 5インチ2HD*2ドライブ(FX2,FX5,FS2,FS5,FS7)
HDD  オプション(FX2,FSU2,FS2,FSU2)
  40MB(FX5,FSU5,FS5,FSU5)
 80MB(FS7,FSU7)
グラフィック  640*400*4096色中16色
サウンド  FM音源3重和音+SSG音源3重和音
備考   FX2/FXU2 278,000円  FS2/FSU2 348,000円
  FX5/FXU5 398,000円  FS5/FSU5 468,000円
                          FS7/FSU7 538,000円
 
 筐体はPC-9801FAシリーズと全く同じです。FA/FS/FXシリーズが前面にファイルスロットを装備したことにより外部拡張機器の増設方法が大きく変わりました。それまでは本体後部にあるCバスに拡張インターフェイスを差し込んで外付けするのが一般的でした。それくらい98シリーズの影響力は絶大でした。スロットが1ヵ所しかないのが多少難点でしたが・・・
 
5月  エプソン PC-486GFシリーズ発表(5月12日発表)
 エプソン PC-486GRシリーズ発表(5月12日発表)

CPU  486SX/25MHz(GR)
 486SX/16MHz(GF)
RAM  1.5MB(GRハイレゾモード)/1.6MB(GF)
VRAM  256KB(GF)/512KB(GR)
FDD   3.5インチ2HD*2ドライブ(GF2,GF2E,GR2,GR2E)
 5インチ2HD*2ドライブ(GF5,GF5E,GR5,GR5E)
 3.5インチ2HD*2ドライブ+5インチ2HD*1ドライブ(GF3,GR3)
HDD  オプション(GF3,GF5,GF2,GR3,GR5,GR2)
 100MB(GF5E,GF2E,GR5E,GR2E)
グラフィック  1120*750ドット*4096色中16色(GR)
サウンド  FM音源3重和音+SSG音源3重和音
備考  本体 GF3   373,000円   GR3   483,000円
      GF5   348,000円   GR5   458,000円
      GF5E  498,000円   GR5E  608,000円
      GF2   348,000円   GR2   458,000円
      GF2E  498,000円   GR2E  608,000円
 
 NECのPC-9801FAシリーズに対抗すべく発売したのがPC-486Gシリーズです。今回は両モデル共最初からハイレゾモードを標準搭載していました。PC-9801FAを意識して思い切った価格設定だったのですが、FAの牙城は崩すことが出来ませんでした。
 PC-98シリーズ独自のハイレゾ規格は1120×750ドット表示で漢字ROMに24ドットのフォントを持つものでしたが、Window自体が日本語フォントを持つようになると急速に存在意義を失っていきます。周辺機器メーカーからDOS/VやPC-9801シリーズにスーパーVGA対応のグラフィックアクセラレータボードが続々発売されるようになったのが独自モードの衰退に拍車をかけました。

 同時にハイレゾボードが3種類発売されました。
(1)PCSKB(79,800円)はPC-486GF/GRのグラフィックアクセラレータボードでWindows時に1024×768ドット×16色、640×480ドット×256色の表示が可能でした。S3社の86C911を使用していました。Cバス第3スロットに装着しますが、特別対応のボード(PCSKBなど)を装着するとローカルバス接続になりより高速になりました。
(2)PCHRLB2(39,800円)はPC-486GFをGRと同じ1120×750ドット対応にするハイレゾボードです。 
(3)PCHKB(79,800円)は従来のPC-386シリーズでPCSKB相当にアップするボードです。しかしローカルバス接続でないためPCSKBよりも速度的には遅くなります。
 
5月  (米)インテル ODP(オーバー・ドライブ・プロセッサ)発表(5月27日発表)

 486SX搭載のパソコンを486DX2相当にアップグレードさせるCPUです。中身は486DX2とほとんど同じです。486SX搭載パソコンの487SX (数値演算プロセッサ)用のソケットにオーバードライブプロセッサを差込むことにより486DX2相当のパソコンに変身しました。ODPを差込むと486SXは作動をやめます。かなり速度に改善がありましたが、価格も高かったです。

 それまでパソコンはCPU性能を上げるには本体を買い換えるか、サイリックスやAMDが発売していた386、486ピン互換CPUを、ユーザー がリスク覚悟で差し替えるしかありませんでした。しかし差し替えても思ったほど速度は上がりませんでした。
1992年 6月  東芝 Dynabook EZ発表(6月29日発表)

CPU  386SX/16MHz
RAM  2.0MB(最大10MB)
VRAM  −
FDD  3.5インチ2HD*1ドライブ
HDD  オプション(40MB/60MB)
グラフィック  640*400ドット*(オプションにより640*480ドット可能)
サウンド  −
備考

 本体 248,000円

 一太郎dashとロータス1-2-3R2.3JをROMで内臓するという現代のパソコンの走りのようなマシンでした。この頃のパソコンはOS、アプリケーションともほとんど別売りでした。当時一太郎dash が39,800円、ロータス1-2-3R2.3Jが98,000円という今では信じられないくらい高かったので、内蔵の価格的メリットは非常に大きかったです。
 オプションのVGAアダプタで外部のCRTに640×480ドットの表示が可能でした。フジテレビのF1中継のとき鈴木亜久里がコマーシャルをやっていました。 ちなみにEZは「イージー」と読みます。
 
6月  新バス「PCI Ver.1.0」規格発表

 
この頃のPC/AT互換機のバス規格はローカルバスと言って各メーカーがバラバラの方式でした。そこでPCI規格が生まれたのですが、当初は採用するメーカー がほとんどありませんでしたし、話題になることもありませんでした。1993年にはVer.2.0が登場します。その頃から少しずつ普及するようになり、その後急速に採用するメーカーが増えていきます。
 
7月  NEC PC-9801USシリーズ発売(7月15日発表)

CPU  386SX/16MHz
RAM  1.6MB(最大14.6MB)
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*2ドライブ
HDD  オプション(US)/40MB(US40)/40MB(US80)
グラフィック  640*400ドット*4096色中16色
サウンド  FM音源3重和音+SSG音源3重和音
備考  本体 US   248,000円
     US40 358,000円
     US80 418,000円
 
 PC-9801UF/UR以来の久しぶりのコンパクトタイプ です。CPUが386SXに強化されました。NECの32ビットパソコンの中では最も安いのがセールスポイントでした。でも正直言うと私はこの機種のことをあまりよく覚えていません(涙)。
 
7月  NEC PC-9801NS/Lシリーズ発売(7月15日発表)

CPU  386SX/20MHz
RAM  640KB+1.25MBRAMドライブ
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*1ドライブ
HDD  オプション/40MB
グラフィック  640*400ドット*8階調(液晶画面上)
サウンド  BEEP音
備考  本体 NS/L   288,000円
     NS/L40   398,000円
  A4ジャストサイズでPC-9801NS/Tの薄型版という感じでした。非常に薄くしたためハードディスクはNS/Tと違い組込み式のため交換できません。ハードディスク内蔵タイプにはMS-DOS Ver.3.3D-Hがインストールされていました。
 
1992年 9月  エプソン PC-386NAR発売

CPU  386SX/25MHz(AMD製)
RAM  1.6MB
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*1ドライブ(NAR1,NARX2,NARC2)/2ドライブ(NAR2)
HDD  オプション
グラフィック  640*400ドット*8階調(モノクロタイプ液晶画面上)
サウンド  BEEP音
備考  本体 NAR2  288,000円(2ドライブ)
     NAR1  288,000円(1ドライブ+Lスロット)
     NARX2 398,000円(FTNカラー液晶)
     NARC2 598,000円(TFTカラー液晶)
 この頃エプソンは「アップグレード」を盛んに提唱していました。液晶画面をモノクロからカラーにアップグレード出来る点や、オプションの脱着可能な20/40/125MBハードディスクパック が売りでした。しかしすぐに高性能で価格安いが新製品が次々と発売されるのでアップグレードの需要はほとんどありませんでした。ちなみに個人で液晶を交換するのは不可能でエプソンや量販店に持ち込む必要があり、修理と同じ感覚でした。
 CPUはインテル純正ではなくAMDの互換CPUを採用してました。この頃インテルとAMDは著作権をめぐり法廷闘争の真っ最中で、一歩間違えばインテルを敵に回すことになり、覚悟を決めて採用したのだと思います。
 
9月  高エネルギー加速器研 日本で最初のホームページ発信(9月30日)

  日本最初のホームページは、1992年9月30日に茨城県つくば市にある文部省(現文部科学省)高エネルギー加速器研究機構計算科学センターの森田洋平博士によって発信されました。
 当時のパソコン関係の書籍や雑誌を見ても「インターネット」という言葉は全く登場しません。この頃はニフティ・サーブやPC-VANなどのパソコン通信が主流でした。また個人でインターネットを見ようにもブラウザソフトがなかったのでホームページの閲覧はほぼ不可能でした。
 日本でインターネットが普及し始めるのは1994年頃からです。しかし発信元は大企業、大学、中央官庁が中心で英語表記がほとんどでした。そして1995年1月に阪神大震災の惨状をインターネットで全世界に発信してから急速に世間に認知されるようになります。

★ちなみに携帯電話も1994年4月にレンタルから売切りがスタートしました。当初は加入権込みで15万円以上していたので、ほとんど売れませんでした。しかし携帯電話も阪神大震災で威力を発揮したので、震災後急速に普及していきます。日本ではインターネットと携帯電話の普及拡大がほぼ同時期にスタートしました。
 

1992年 10月  IBM、モトローラ PowerPC601 50/66Mhz発表(10月1日発表)

 IBM、モトローラ、アップルの3社が共同開発した32ビットマイクロプロセッサです。PowerPCシリーズの中では一番最初の製品です。RISCプロセッサで、64ビットのアドレスバスと32ビットのデータバスも持っていました。
 1993年4月よりサンプル出荷が開始され、IBMのRS/6000シリーズに最初に搭載されました。世間に認知されるようになったのは、1994年4月にアップルがPowerMacintoshにPowerPCを搭載したモデルを発売してからです。



 

10月  NEC PC-9821modelS1/S2「98MULTi(マルチ)」発表(10月26日発表)

CPU

 386SX/20MHz
RAM  1.6MB(S1)/3.6MB(S2)
VRAM  512KB
FDD  3.5インチ2HD*2ドライブ
HDD  オプション(S1)/40MB(S2)
グラフィック  640*480ドット*1677万色中256色
サウンド  FM音源6重和音+リズム音源6重和音+SSG3重和音+PCM
備考  本体 S1 318,000円
     S2 438,000円
 CD-ROM搭載 のマルチメディアパソコンです。「PC-9821」の称号が初めて使用されました。後のCanBeシリーズ へと発展していきます。ハードディスク搭載モデルにはMS-DOS5.0A-HとMS-Windows3.0A-Hがインストール済みでした。
 PC-9821シリーズになり640×480ドットのVGAモードとフルカラーがサポートされるようになり、MS-Windowsが大変使いやすいようになりました。いずれにしても1997年秋のNX発売まで続くPC-9821シリーズのご先祖様です。
 
10月  NEC PC-9801NA/Cシリーズ発表(10月26日発表)
 NEC PC-9801NAシリーズ発表(10月26日発表)

CPU  486SX/20MHz
RAM  2.6MB(最大14.6MB)+1.25MBRAMドライブ
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*1ドライブ
HDD  オプション(NA,NA/C)/40MB(NA40,NA/C40)
  120MB(NA120,NA/C120)
グラフィック  640*400ドット*4096色中16色(NA/C)/8階調(NA)
サウンド  BEEP音
備考  NA      348,000円  NA/C     498,000円
 NA40   438,000円  NA/C40  588,000円
 NA120 488,000円 NA/C120 638,000円
 
  ついにノートパソコンにも486SXが搭載されました。NAがモノクロ液晶で、NA/Cがカラー液晶です。液晶の解像度が640×480ドットになるだろうと予想されていましたが、640×400ドットのままでした。

★今では120MBのハードディスクなんて驚きもしませんが、当時小さいパックに120MBもの容量を詰め込める技術力には驚いたものです。この頃はハードディスクの価格が急激に下がっていたので、少し前に買われたお客様によく叱られました(涙)。
 
1992年 10月  NEC PC-H98model105シリーズ発表

CPU  486DX2/66MHz
RAM  7.5MB(最大73.5MB)
VRAM  1MB
FDD  3.5インチ2HD*2ドライブ(U105-100,U105-300)
 5インチ2HD*2ドライブ(105-100,105-300)
HDD  100MB(105-100,U105-100)/300MB(105-300,U105-300)
グラフィック  1120*750ドット*1677万色中256色
サウンド  BEEP音
備考  本体 105-100/U105-100  980,000円
     105-300/U105-300 1,180,000円
 
 1990年8月に発売されたmodel100シリーズの新型です。CPUが486DX2に強化され、価格が大幅に値下げされました。 しかしいくらサーバマシンとはいえ100万円を超すような高価格、急速なWindowsの普及、独自のグラフィック規格、独自の拡張バスなどによって存在価値が急速に薄れていきます。
 
10月  マイクロソフト Excel for Windows Ver4.0日本語版発表  98,000円(10月16日発売)
 マイクロソフト Word for Windows Ver1.2A日本語版発表 58,000円(10月30日発売)

 Excelのバージョンアップは1991年10月のVer3.1以来になります。ぱっと見は大きな変化はありませんが「使いやすさの徹底的な追及」をテーマに強化されました。MS-DOS上ではまだまだLotus1-2-3でしたが、Windows上ではすでにExcelが表計算ソフトのNo1になっていました。

 Wordのバージョンアップは1991年11月のVer1.2以来にになります。大きな変更点は一太郎Ver.4や一太郎dashの文書ファイルを直接読み込むことが出来るようになったことです。今では想像も出来ませんが、この頃はWordといえども一太郎の牙城には歯が立ちませんでした。


 
1992年 11月  富士通 FM-TOWNSUHRシリーズ発表(11月4日発表)
 富士通 FM-TOWNSUHGシリーズ発表(11月4日発表)
 富士通 FM-TOWNSUUGシリーズ発表(11月4日発表)


写真はFM-TOWNSUHR

CPU  486SX/20MHz(HR)
RAM  4MB(最大28MB)
VRAM  512KB+128KB(スプライト)
FDD  3.5インチ2HD*2ドライブ
HDD  オプション(HR20)/100MB(HR100)/200MB(HR200)
グラフィック  640*480ドット*1677万色中256色/320*200ドット*32768色
サウンド  FM音源6和音+PCM8チャンネル
備考  本体 HR20  328,000円
     HR100 408,000円
     HR200 468,000円
 FM-TOWNSUHRシリーズ
HRは外観が従来の縦型から横型のタイプに変化した上に、大幅に性能アップしました。CXは386DX/16MHzでしたが、HRは486SX/20MHzになりました。メモリも標準で4MB(最大28MB)と大幅に強化されました。フロッピーが1.44MBに対応し、3モード対応になりました。

 FM-TOWNSUHGシリーズ
HGはCXの後継機種で外観がHRと同じ筐体になりました。CPUは386DX/20MHz(CXは386DX/16MHz)です。HG20、HG40、HG100の3モデル発売されました。フロッピーが3モード対応になりました。

 FM-TOWNSUUGシリーズ
UGはUXの後継機種でCRT一体型です。CPUは386SX/20MHz(UXは386SX/16MHz)です。UG10、UG20、UG40、UG80の4モデル発売されました。フロッピーが3モード対応になりました。
 
11月  (米)サイリックス 486SXピン互換CPU発表(11月9日)

 
型名はCx486S2/50でインテルび486SX互換CPUです。倍クロックの技術を採用していて、486SX/33MHzに比べて約50%高速化されていました。
 
11月  (米)インテル 486SL(20/25/33Mhz)発表

 486SXの省電力タイプです。ノート型パソコンに採用されていました。
 
12月  エプソン PC-486P発表

CPU  486SX/25MHz
RAM  1.6MB(最大14.6MB)
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*2ドライブ
HDD  オプション(P2)/100MB(P2E)
グラフィック  640*400ドット*4096色中16色
サウンド  FM音源3重和音+SSG音源3重和音
備考  本体 P2   278,000円
     P2E 368,000円
 30cm×30cmの超コンパクトタイプ でした。ハードディスク搭載モデルでもフロッピーを2ドライブ標準装備していました。オプションのPKSKB(グラフィックアクセラレータボード)を装着することにより1024×768ドットの 表示が可能になりました。PC-486GR/GFの第3スロットと同じく、PC-486Pの第2スロットはローカルバス方式が採用されていました。PCSKBは第2スロットに装着します。
 
12月

 アップル 漢字Talk7.1発売

 Macintoshの最新OSで、System7.0の日本語版です。英語版から遅れに遅れてやっと発売になりました。画面上のデザインも大幅に変化していますが、中身は同じOSと思えないくらい強化されています。また日本語版は英語版と違うOSと思えるくらい日本語に関する部分が強化されているので英語版から1年以上かかったのも納得できます。

強化点
(1)ハードディスクを使用して仮想記憶のサポート、(2)32ビットアドレッシング、(3)アイコンのカラー化、(4)コントロールパネル専用フォルダ、(5)吹き出しのヘルプ機能、(6)日本語入力システムに「ことえり」採用、(7)フォントにTrueTypeの日本語版採用、(8)2バイト系文字がシステムに組み込まれる(これまでは英語のシステムに日本語表示用プログラムを追加)などですが、それ以外にも大幅に強化されています。
 

 

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