パソコンの歴史1983年
1983年 1月  (米)アップル Lisa発表(米発売は5月、日本発売は10月)


Lisa

CPU  68000/5MHz
RAM  512KB
VRAM  メインメモリ兼用
FDD  5インチ*2ドライブ (Lisa)/3.5インチ*1ドライブ(Lisa2)
HDD  オプション
グラフィック   720*364ドット
サウンド  -
備考  -


Lisa2(1984年発売)

 アップルが当時の最高技術を投入して開発したパソコンです。テキストではなくGUI環境で操作できる画面、マウス標準装備などゼロックス社の「アルト」譲りの機能が搭載されました。しかし「Lisa」の評判は本国アメリカでも価格が高すぎたこともあり良くなくて、主力は「appleU」のままでしたが、設計思想は「Macintosh」に引き継がれます。

★当時私のいた店に後継機の「Lisa2」が置いてありました。大変珍しく「Lisa2」を見 に来る方も結構いました。特に英語圏の外国人が多かったように思います。220万円もするため当然売れませんでした。それに店も買った訳ではなくメーカーから借りていました。
 珍しいためかよく触られハードディスクの中身を消されたりして起動しなくなり青ざめたものです。壊したら当然弁償でしょうから・・・ 当時ハードデスク搭載のマシンは他にはほとんどなくて何やら危険で近づいてはならないようなオーラを放っていました。しかし事務の女の子は そんなことは気にもとめず、標準で添付していた画面上 に現れる電卓を猛烈な勢いで入力していました。 聞いたところによるとテンキーが使いやすいからだそうです。220万円が電卓代わりに!うわさでは関西に数台しかないということでした。 ちなみにハードディスクは「Lisa2」の上に四角い箱で設置されていました。
 今では当たり前ですが、当時は毎日閉店時には片っ端から電源を切っていったのですが、Lisa2はアプリケーションをすべて終了してから電源を落とさねばならなかったため、面倒くさかった思い出があります。
 
1983年 1月  NEC PC-8001mkII発表

CPU  Z-80A/4MHz(同等品)
RAM  64KB
VRAM  24KB
FDD  オプション(外付)
グラフィック  640*200ドット*モノクロ/320*200ドット*8色
サウンド  BEEP音
備考  本体 123,000円
 「PC-8801」とのすみ分けのためか 、当時8ビットマシンの標準になりかけていた640×200×8色のグラフィックをサポートしていませんでした。性能的には「FM-7」より かなり劣っていましたが、NECブランドのためか店頭売上では「FM-7」と人気を2分していた。カーソルキーの配列が悪くキーボードは使いにくかったです。
 
1983年 1月  NEC PC-8201発表

CPU  80C85/2.4MHz
RAM  16KB
VRAM  -
記憶装置  オプション
グラフィック  240*64ドット
サウンド  -
備考  本体 138,000円
 当時としては画期的なマシンでしたが、一般向きではないためあまり売れませんでした。 これを買った方は何に使っていたのでしょうか?ソフトもほとんどなくBASICでプログラムを組むしかありませんでした。中身は京セラのOEMです。京セラは前年10月の社名変更まで京都セラミックという 社名でした。ボディカラーが3色用意されていました。
 
1983年 1月  (米)ロータス 1-2-3 R1.0を発売

  アメリカの表計算ソフトのスタンダードになります。 日本に上陸するのは1986年になります。
 

1983年 1月  ナムコ アーケードゲーム「ゼビウス」発売(1月29日発売)

 当時このゲームに衝撃を受けた方は多いと思います。ゲームでここまで出来るんだと感動したものです。神秘的な美しいグラフィック や「アンドアジェネシス」 「バキュラ」「ソルバルウ」その他の魅力的なキャラクター、 またサウンドや効果音なども良かったです。個人的には「バキュラ」を撃ったとき跳ね返す音がいかにも硬いものを撃っているような音で好きでした。今でもオープニングのテーマ音楽と、つねにバックで流れていた”キンコロコロコロ、キンコロコロコロ”のサウンドは耳に残っています。ゲームセンター以外にも喫茶店のテーブルとしてもよく使われていました。 パソコンで出来たらいいのになあ!と思っていたものでした。

★私はヘタクソだったのでアーケード版では16面をクリアーしたことがなかったのですが、知人には16面を何度もループしてカウンターストップの9999999点(1000万点)を出すのがいました。数時間もトイレにも行かず、ひたすら撃ちまくっていました。いつも「すごい !」「うまい!」なとの歓声とともに人垣が出来ていたのを思い出します。

1983年 2月  アスキー Microsoft Multiplan Ver.1.0日本語版発売

 
海外では「ロータス1-2-3」が圧勝しますが、日本では1986年の1-2-3発売まで表計算ソフトと言えば「マルチプラン」でした。会社にはワープロソフトと共に欠かせませんでした。
 
3月  (米)IBM PC/XT発売

 1981年8月発売の「IBM PC」にハードディスクを搭載したモデルです。CPUは「8088」でクロック数は同じ4.77KHz、メモリは強化されていて128KB、何よりも10MBのハードディスクを搭載したのが大きな特徴でした。
 

3月  (米)マイクロソフト MS-DOS Ver2.0発売

 「IBM PC/XT 」用に 開発されたOSです。強化した部分は10MBのHD、360KBのFDDをサポート。ファイルのツリー構造を採用したところです。 フロッピーのみなら容量も小さくファイル管理は簡単ですが、10MBとなるとファイル数も膨大になり、目的のファイルを探すのも一苦労です。そこでファイルをツリー構造(階層ディレクトリ)にすることによって管理しやすくしました。
 

1983年 3月  日本IBM マルチステーション5550を発表(出荷開始6月)

CPU  8086/8MHz
RAM  256KB(増設可能)
VRAM  -
FDD  5インチ2DD*1ドライブ(最大3台)
HDD  オプション(内臓モデルあり)
グラフィック  720*512ドットモデル/1024*768ドットモデル
サウンド  -
備考  -
 会社のオフィスによく採用されていたマシンです。基本を非常におさえてい て使いやすいマシンでした。1024×768ドットで今で言えばXGAの高解像度で表示できました。 漢字も24ドット表示で大変見やすかったですが、なぜかモノクロ画面の文字は白ではなく薄いイエローでした。
  当初は720×512ドットモノクロまたはカラーモデル、1024×768ドットモノクロモデルでしたが、その後1024×768ドットのカラーモデルやハードディスク 搭載モデルが登場して、売っている方も訳が分からなくなるくらい細分化されてしまいました。初期モデルは製造を松下電器産業に委託していました。
 私も会社でマルチプラン専用マシンとして使っていましたが、フロッピーのアクセス音が独特できしむような音がするのでフロッピー壊れるんじゃないかといつも心配していましたが 、心配無用で非常に丈夫でした。当たり前ですがアクセス音は関係ないんですね。ちなみにフロッピーは松下通信工業製(九州松下電器か松下寿電子工業だったかも)だったと思います。
 
1983年 3月  EPSON QC-10発売

CPU  Z-80A/4MHz
RAM  256KB(最大512KB)
VRAM  32KB/96KB
FDD  5インチ2D*2ドライブ
グラフィック  640*400ドット*モノクロ/640*400ドット*8色
サウンド  単音
備考  本体 398,000円 キーボード 43,000円
 JIS第一水準漢字ROM標準装備
 このマシンを知っている人は業界人または相当のツウですね!私のいた店にもおいていましたがさして特徴はなかったのです 。キーボードが別売りで価格も高かったです。確かにキーボードは大変分厚く立派でした。ゲームソフトの「アンダーグランド・シティ」が付属していたように記憶しています。8ビットCP/M マシンなのですが価格は16ビットマシン並でした。
 
1983年 4月  富士通 FACOM-9450IIを発表


画像 富士通ミュージアムより

 外観がかっこよくて未来的雰囲気でした。「IBM5550」の発売により「FACOM-9450」の性能をアップしたタイプです。 この製品もパナファコムと共同開発でした。 当時の雑誌や新聞などによく宣伝していました。 同じ商品が松下電器からも発売されていて、「オペレート7000」という型名で、斉藤慶子がイメージキャラクターでした。
 
1983年 5月  日立 ベーシックマスターレベル3マーク5発売

CPU  6809
RAM  64KB
VRAM  -
FDD  オプション
グラフィック  640*200ドット*8色
サウンド  -
備考  本体 118,000円
 一体型なのに奥行きが長くCRTを乗せることが出来ました。 技術の日立らしくたいへん高性能だったのですが流通ソフトがほとんどなく、あまり売れた記憶がありません。 オプションで3インチ(3.5インチではないです)外付フロッピーを発売していました。メディアは当然グループ会社の日立マクセル製でした。
 
1983年 5月  東芝 PASOPIA7発売

CPU  Z-80A/4MHz
RAM  64KB
VRAM  48KB
FD  オプション
グラフィック  640*200ドット*27色中8色(タイリング機能)
サウンド  8オクターブ6重和音
備考  本体 119,800円
 横山やすし、木村一八親子がCMをしていました。TVCMもバンバンやっていてる上に、東芝の営業さんも熱心だったので結構売れました。擬似的とはいえ640×200ドットで27色中8色表示、サウンドも8オクターブ6重和音でこのクラスでは一番が良かったです。取替え可能なキーボードカバーが数色標準で付いていました。
 
1983年 6月  マイクロソフトの統一規格「MSX」に14社が賛同

 趣旨は大変よかったのですが、当時8ビット機の主流は640×200ドット×8色のグラフィック、8オクターブ3重和音のサウンドが必須条件でした。 「MSX」の規格はこれよりも下でした。ゲームマシンと して発展する可能性も大いにあったのですが、翌月任天堂がファミリーコンピュータを発売したので「MSX」の存在意義は大変中途半端になってしまいました。また富士通は申し訳程度に1機種出しましたが、NECとシャープが規格に加わらなかったので当初より成功は大変難しいと思われていました。
 

1983年 6月  NEC PC-6001mkIIを発表

CPU  Z-80A/4MHz(同等品)
RAM  64MB
VRAM  メインメモリ兼用
記憶装置  オプション
グラフィック  320*200ドット*4色/160*200ドット*15色
サウンド  8オクターブ3重和音+音声合成
備考  本体 84,800円
 BASICにTOLK命令があり人間の声が出せたため、それを使ったデモが多く見 られました。ヒワイな放送禁止用語を入力していく方もいたのでよく電源を消していました。当時流行っていた松田聖子の天国のキッスがデモソフトの音楽に使われていたのを思い出します。今も耳に残っていますが、カセットのケースを見ると製作アスキーと確か書いてあったような?キータッチが悪く押しにくかった記憶があります。
 
1983年 6月  三菱電機 MULTI8発売

CPU  Z-80A/4MHz
RAM  64KB
VRAM  48KB
FDD  オプション
グラフィック  640*200ドット*8色
サウンド  8オクターブ3重和音
備考  本体 123,000円
 当時売出し中の人気女流棋士、林葉直子をカタログなどに使ってい ました。当時はまだ清純なイメージがありました(笑)。NECのN-BASICのソフトが作動するということなのでためしにゲームをロードしてみましたが当然ながらマシン語を使用しているた作動しなかった記憶がありあます。 基本性能をよく押さえていて性能はよかったのですが、たいして特長もなくあまり売れませんでした。
 
1983年 7月  任天堂 ファミリーコンピュータ発表

 発売当時のことはそんなに印象に残っていません。1983年はあまり売れませんでしたが、1984年頃から売れ出して1985年のスーパーマリオブラザーズで人気が爆発しました。品薄で店ではファミコンを確保することが至上命題でした。また人気のないソフトと抱き合わせ販売もよく行われ問題になっていました。 現在の任天堂の高収益体質を築いたのがファミコンです。 価格は1万4800円で、1986年には流行語に選ばれています。
 累計で6,200万台生産されましたが、2003年9月をもって細々と行われていた生産も完了し、同時に部品交換や修理などのメンテナンスも終了しました。
 
1983年 7月  シャープ MZ-2200発売

CPU  Z-80A/4MHz
RAM  64KB
VRAM  48KB
FDD  オプション
グラフィック  640*200ドット*8色
サウンド  内臓
備考  本体 128,000円
 「MZ-2000」からグリーンモニターを取り除いてVRAMを標準装備したモデルです。もう半年早く発売していたら「FM-7」と対等に渡り合えたと思います。私のいた店は店員にシャープファンが多かったので結構よく売れました。MZ−2000のソフトが使えたのでソフトは意外と多かったです。 ただ「MZ-2200」と「X1」は性能も似通っていて、事業部が違うとはいえ同じシャープから発売するのは大変非効率でした。今思えばもっと早く統合してNECに対抗すれば、その後の展開も違っていたと思います。1982年前半まではNECと 市場をを二分していたんですから・・・・
 
1983年 9月  シャープ MZ-5500シリーズ発売(9月5日発表)

CPU  8086/5MHz
RAM  128KB(5501,5511)/ 256KB(5521)
VRAM   96KB
FDD  オプション(5501)/5インチ2D*1ドライブ (5511)/2ドライブ(5521)
グラフィック   640*400ドット*8色
サウンド  8オクターブ3重和音
備考  本体 MZ-5501  218,000円
           MZ-5511  288,000円
           MZ-5521  388,000円
 「PC-9801」に対抗すべくシャープが発売したモデルです。フロッピーを標準で内臓など当時は素晴らしいコストパフォーマンスでした。デモソフトの出来も素晴らしかったので大変高性能に見えました。 この写真じゃないですが、カタログもLisaを意識してかマルチウィンドウ風の画面&マウスをのせていました。ただ悲しいかなすぐ後に日本電気が「PC-9801F 」を発売したため 、性能面での優位は3日天下でした。NECの新製品は秋に発表が予想されていたのでもう半年前に発売していれば・・・・
 
1983年 9月  ソニー SMC-777発表(9月22日発表)

CPU  Z-80A/4MHz
RAM  64KB
VRAM  32KB
FDD  3.5インチ1DD*1ドライブ
グラフィック  640*200ドット*4色/320*200ドット*16色
サウンド  8オクターブ3重和音
備考  本体 148,000円
 「MSX」と同じように松田聖子がカタログの表紙でした。「MSX」と同じで名称はHiTBiTでした。色は後から発売される「SMC-777C」と違いブラックでした。 あまり印象はありませんでしたがカーソルキーが一体型でユニークだったのですが、目的の場所に行かない場合があってやはりカーソルキーは独立していた方がいいと思いました。
 
1983年 9月  シャープ X1C/D発表(9月28日発表)


CPU  Z-80A/4MHz
RAM  64KB
VRAM  48KB
FDD  オプション/3インチ2D*1ドライブ(Dタイプ)
グラフィック  640*200ドット*8色
サウンド  8オクターブ3重和音
備考  本体  C  119,800円
      D  198,000円

 写真は上がX1C、下がX1D
  ボディカラーは両タイプ共レッドとシルバーあり

 


第22回エレクトロニクスショーX1ブース

 初代「X1」は性能的には魅力的 でしたが、セットにすると価格30万円近くが非常に高かったのが弱点でした。そこで価格を大幅に下げたモデルを登場させました。「X1C」は拡張機能を省き本体をキーボード一体型にしてコストを下げたタイプ です。D型は3インチフロッピ内臓タイプ(当時ソニーの3.5インチと日立などが推す3インチフロッピーが規格争いをしていました)です。「X1」もやっと買える価格になりました。
 当時テクノソフトの「サンダーフォース」のデモがどこの店でも流れていました。 「X1」が”サンダーフォース!”って喋るんですよ!それに圧倒的なスクロール速度で他のマシンを圧倒していました。「X1」には他のマシンとは違いPCG(プログラブル・キャラクター・ジェネレータ)を標準で持っていたためプログラムによってキャラクターを設定し、テキストと同じように 高速で移動することが出来たのです。スプライト機能よりは劣りますがスクロールの激しいアクションゲームには向いていました。

★写真は1983年10月大阪で行われた第22回エレクトロニクスショーの「X1」ブースを撮影(10月10日)した写真です。かなり広い面積をとって力を入れていました。ゴルフのスイングをスーパーインポーズでチェックしたりいろいろデモをやっていました。このコンパニオンのお姉さんはミニスカートで とても美人だったのですが、肖像権の問題がありそうなのでカットしました(笑)。この頃のエレクトロニクスショーは東京と大阪の隔年開催で、大阪会場は朝潮橋でした。
 
1983年 10月  NEC PC-9801F1/F2発売(10月13日発表)

CPU  8086/8MHz
RAM  128KB
VRAM  192KB
FDD  5インチ2DD*1ドライブ(F1)/2ドライブ(F2)
グラフィック  640*400*8色
サウンド  BEEP音
備考  本体 F1  328,000円
           F2  398,000円
 「PC-9801」シリーズの圧倒的優位性を決定的にしたマシンです。640MB5インチFDDと漢字ROMを標準装備していました。クロック数もアップしVRAMも2倍になりました。 F1は1ドライブ、F2は2ドライブです。このマシンからマウス対応のソフトが増加 していきました。CADソフトのCANDYなどが先駆けです。ビジネス中心と思われた「PC-9801」シリーズでしたが、フロッピーを内蔵したモデルが登場したことでゲームソフトも大量に発売されるようになりました。

★余談ですが写真のカラーCRTは同時発売された「PC-KD551」です。「PC-8801」シリーズにも使用でき、価格も下がったので本当によく売れました。また同時に発売された24ドット漢字プリンター 「PC-PR201」は定価 が298,000円もしましたが人気機種でした。それまで130桁で24ドットの漢字プリンターはエプソンの「MP-130K」しかありませんでした、でも定価がなんと50万円を超えていました。今思えばなんてプリンターは高かったのでしょう。
 高かったといえば純正(純正しかなかった)のマウスはなんと29,800円もしていました。この頃はまだマウス専用インターフェイスは内蔵していなかったので拡張ボードと同梱になっていました。確かPC-9871という型名だったと思います。後に発売されるPC-9872はマウスのみでしたが、マウス専用インターフェイスが内蔵されているパソコン専用でした。安くはなりましたが定価で2万円だったと思います。それにしてもなんて高かったのでしょうか!
 
1983年 10月  NEC PC-100シリーズ発売(10月13日発表)

CPU  8086/7MHz
RAM  128KB
VRAM  128KB
FDD  5インチ2D*1ドライブ(model10) /2ドライブ(model20/30)
グラフィック   720*512*512色中16色(model30)
サウンド  -
備考  本体 model10  398,000円
           model20  448,000円
           model30 558,000円
 専用カラーCRT    198,000円
  (PC-KD651)


1983年〜1984年当時の販促品ステッカーシール

   画期的な高性能なマシンでした。フロッピーが360KB(MS-DOSフォーマットのため320KB ではない)と「PC-9801F2」と比べて中途半端なところもありましたが、720×512ドットのグラフィックス、画面を縦横どちらでも使える設計、最初からMS-DOS上ですべて作動するソフト、 「マルチプラン」、「JS-WORD」標準装備、マウス標準装備など非常に贅沢なマシンでした。 そうそう「ロードランナー」まで付いていました、「ロードランナー」までがマウス対応だったんです。
 私はこのマシンを見たとき大変な衝撃を受けました。NECの底力に驚くばかりでした。絶対このマシンが主力になると思いました。しかし現実は違いました身内の「PC-9801F2 」に完敗しました。価格が高すぎたから?それとも時代の先を走りすぎたからでしょうか?しかし全く無駄だったわけではありません。そうです標準装備の「JS-WORD 」は、その後「一太郎」として大きく羽ばたいていくのです。ちなみに本体は「PC-8201」と同じく京セラのOEMでした。
 最上位機種のモデル30+純正カラーCRT+「PC-PR201」(漢字プリンタ)の3点セットが売れると実売で100万円近くなり、その日の個人予算達成するためゴールデンセットと勝手に呼んでいました。 なぜか売れるのはモデル30ばかりでした。結局「PC-100」を買う方は高度なグラフィック機能に惚れていたので、他の2モデルは対象外だったのだと思います。ただ高級感あふれる 「PC-100」ですがキーボードが「PC-8801mkU」とやたら似ていて安っぽかったのは気のせいでしょうか?キータッチもそっくりでしたし・・・・

★「PC-100」にはマウスの関連かどうか知りませんが、ネズミのキャラクターが存在していたのを知っていますか?クリップやシールなどいろいろ販促品がありました。ほとんど捨ててしまいましたがステッカーシールだけは今でも持っていました。
 
1983年 10月

 NEC PC-9801シリーズ用MS-DOS Ver2.0日本語版発売

10月  各社「MSX」パソコンを発売開始

 エレクトロニクスショーで松下電器のブースで「MSX」マシンを勝手に触って怒られました。展示会なのにー? と思いながらその担当者が他に行ったのでまた触っていました。今となればデモ中に触られるとどれだけ腹が立つかよく分かります。担当者の方ゴメンナサイ(笑)NEC、シャープ、富士通( 一応FM-Xを発売しましたが)以外のブースはMSXに相当力を入れていました。でも私にはとても夢の統一パソコンには見えませんでしたが・・・・
 
1983年 10月  カシオ FP-3000発売

CPU  8086/8MHz
RAM  128KB
VRAM  32KB(TYPE-1)/96KB(TYPE-2)
FDD  オプション
グラフィック  640*400ドット*15色中8色(TYPE-2)
サウンド   -
備考  本体 TYPE-1  148,000円
           TYPE-2  198,000円
  価格は物凄くも安くグラフィック性能もよかったのですが、ソフトがないこととカシオと16ビットパソコンのイメージが結びつかずあまり売れませんでした。 16ビットマシンなのに8ビットマシン並の価格でしたが、1983年後半は時代がフロッピー内臓で高機能化に向かっていました。
 
1983年 11月   NEC PC-9801E発売(11月18日発表)

CPU  8086/8MHz
RAM  128KB
VRAM  192KB
FDD  オプション
グラフィック  640*400ドット*8色
サウンド  BEEP音
備考  本体 215,000円
  PC-9801の新型で、フロッピーは別売り、漢字ROMも別 売りでした。外付の8インチや5インチフロッピーをすでに持っているユーザーがターゲットでした。ただそんなユーザーはあまりいなくてほとんどの方はPC-9801F2を買っていきました。後からいろいろオプションで取り付けるとPC-9801F2より高くなるので当然ですね。
 
1983年 11月  NEC PC-8801mkIIシリーズ発売(11月21日発表)

CPU  Z-80A/4MHz(同等品)
RAM  64KB
VRAM  48KB
FDD  オプション(model10)/ 5インチ2D*1ドライブ(model20)/2ドライブ(model30)
グラフィック  640*400ドット*モノクロ/640*200ドット*8色
サウンド  BEEP音
備考  本体 model10  168,000円
           model20  225,000円
           model30  278,000円
 発売以来2年経過したので性能の大幅アップが図られるかと思われましたが、性能には 全く変化がありませんでした。.フロッピーの内臓が強化の中心でしたが、サウンド機能もなくBEEP音のみで、この頃になると8オクターブ3重和音は常識だったのに何故搭載しなかったのか不思議でした。それでもNECであることと、価格が手ごろになったためでしょうか本当によく売れました。 キャリーラボのワープロソフト「JET-8801A」 なども発売になりビジネスにも使えるようになりました。
 安く買いたい方はモデル10を買ってティアックなどの内臓フロッピーを増設する方法もありました。ただ本体の色とは違いフロッピーが黒だったので増設がミエミエでちょっとかっこ悪かったです。今思えばフロッピー増設を店頭で一番多くやったマシンは 「PC-8801mkU」だったことになります。
 何故かSTOPキーがやたら硬く店頭展示品キーボードのSTOPキーがかなり折られていました。あのカシャカシャと軽い音のするキータッチもあまり好きではありませんでした。
 
1983年 11月  NEC PC-6601発売

CPU  Z-80A/4MHz(同等品)
RAM  64KB
VRAM  32KB
FDD  3.5インチ1D*1ドライブ
グラフィック  320*200ドット*4色/160*200ドット*15色
サウンド  8オクターブ3重和音
備考  本体 143,000円
 PC-6001mk2にフロッピーを搭載したモデルです。 あまり印象に残っていません、もう少しお金を出せばPC-8801mkUが買えたからだと思います。
 
11月  (米)マイクロソフト MS-Windowsを発表(出荷開始は1985年11月)

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