パソコンの歴史1982年 | ||||
1982年 | 2月 | (米)インテル 80286発表 | ||
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8086の上位バージョンとして開発されました。8086互換のリアルモードに加え、80286独自機能が使用できるプロテクトモードも搭載されていました。1984年8月にIBM PC/ATに採用され てから急速に普及し、スタンダードの地位を獲得します 。プロテクトモードを使用すると16MBまでアクセスできましたが、業界の標準OSであったMS-DOSがプロテクトモードをサポートしなかったため、8086の高速版として使用されていました。80286のプロテクトモードが本格的に使用できるようになったのはMS-Windows/386からですが、この頃にはすでに386DXが主力になっていました。 | |||
1982年 | 2月 |
(米)PC互換メーカー コンパック創業
IBMPC互換機メーカーの誕生です。その後互換機メーカーが乱立しIBM本体のシェアをどんどん奪っていきます。創業者のロッド・キャニオンはTI(テキサス・インスツルメンツ)出身者です。コンパックは巨大パソコンメーカーになりますが、HPと合併して社名が消えます。 |
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4月 |
アスキー パソコンゲーム雑誌「ログイン」創刊 パソコンゲーム総合雑誌
として他の追随を許しませんでした。販売店などからの信頼も厚くゲームソフトを仕入れる場合販売予定リストなど大変役に立ちました。また人気ランキングなどもいつも参考にしていました。他社がエロゲー分野に特化したりしても正統派路線を守り通し、競合他誌は休刊していく中で唯一生き残っています。 |
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1982年 | 5月 |
(米)マイクロソフト MS-DOS Ver1.1納品 「IBM PC」用でバージョンアップ版です。320KBFDDをサポートしました。 |
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5月 |
日本ソフトバンク Oh!PC/Oh!MZ創刊 メーカーごとに発売されていました。
最初にNEC系の「Oh!PC」、シャープ系の「Oh!MZ」そして翌年富士通系の「Oh!FM」が発売されました。
この3誌は、「Oh!MZ」は「Oh!X」に、「Oh!FM」は「Oh!FM-TOWNS」に名称が変わりますが1990年代まで生き延びます。しかし2000年には最後まで残った「Oh!PC」も8月号をもって休刊になりました。 |
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6月 |
(米)インテル 80186発表 「8086」の上位機種ですが、あまり普及することなく終わりました。1984年末に富士通が
「FM-16β」に採用しました。 |
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6月 | (米)マイクロソフト MS-DOS Ver1.25発表 | |||
1982年 | 7月 | シャープ MZ-2000発売 | ||
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CPU | Z-80A/4MHz | ||
RAM | 64KB | |||
VRAM | オプション(48KB) | |||
記憶装置 | カセットデータレコーダー内臓 | |||
グラフィック | オプション 640*200ドット*8色 | |||
サウンド | 内臓 | |||
備考 | 本体 218,000円 10インチグリーンモニター内臓 |
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シャープはクリーンコンピュータといってBASICを最初にカセットからロードしないと使えませんでした。だからカセットはほとんど標準装備でした。
「MZ-2000」はグリーンモニターと一体になっていました。 |
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1982年 | 7月 | エプソン HC-20発売 | ||
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CPU | HD6301 | ||
RAM | 32KB | |||
VRAM | - | |||
記憶装置 | マイクロカセットテープレコーダー | |||
グラフィック | 120*32ドット | |||
サウンド | - | |||
備考 | 本体 138,600円 マイクロプリンタ内臓 |
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ハンドヘルドコンピューター
で、コンパクトな本体にプリンタとマイクロカセットテープレコーダーがセットできました。そういえば当時「Oh!HC」なんて月刊誌もありました。
この頃社名を信州精器からエプソンに変更しました。 |
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1982年 | 9月 | 東芝 パソピア発売 | ||
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CPU | Z-80A/4MHz | ||
RAM | 64KB | |||
VRAM | 16KB | |||
FDD | オプション | |||
グラフィック | 640*200ドット | |||
サウンド | - | |||
備考 | 本体 163,000円 | |||
そこそこの性能だったのですが、11月に富士通の「FM-7」とシャープの「X1」が発売されたため、日の当たることはありませんでした。ほとんど印象に残っていません。 |
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1982年 | 10月 | NEC PC-9801発売(10月13日発表、出荷開始10月下旬) | ||
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CPU | 8086/5MHz | ||
RAM | 128KB | |||
VRAM | 96KB | |||
FDD | オプション | |||
グラフィック | 640*400ドット*8色 | |||
サウンド | BEEP音 | |||
備考 | 本体 298,000円 | |||
1997年秋に路線変換をしてDOS/VパソコンのNXを発売するまで、15年間NEC
98帝国を支えた「PC-9801」シリーズ最初のマシンです。当時にしては思い切った価格設定でしたが、本体だけでは何も出来ず、カラーCRT、外付けフロッピー、漢字ROMをセットすると軽自動車が買えました。特に外付け8インチフロッピー(
覚えていますか?)は40万円を超えていました。フルセットで売れた時は狂喜乱舞しました。このマシンをターゲットにした
ビジネスソフトが続々と発売され、特にワープロソフトはアイ企画の「文筆」、高電社の「マイレター」、管理工学研究所の「松」などは本体の普及に拍車をかけました。また表計算のマルチプラン
は電卓世代の私には新鮮でした。 |
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1982年 | 10月 |
各社 CD(コンパクト・ディスク)プレーヤー発売 SONYの「CPD-101」を始め各メーカーからCDプレーヤーが一斉に発売されました。LPレコードの数分の1の大きさでLPレコードよりはるかに高音質なため急速に普及しました。ちなみに映像版のLD(レーザーディスク)は前年の10月にパイオニアから発売されています。 |
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10月 |
(米)IBM マイクロソフトMultiplanを発売(表計算)
アメリカでは終始「ロータス1-2-3」に圧倒されていましたが、日本では「ロータス1-2-3」が発売されるまで表計算のスタンダードになりました。
マイクロソフトの日本法人が出来るまで、日本ではアスキーから発売されていました。 |
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1982年 | 10月 | 東芝 PASOPIA16発売 | ||
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CPU | 8088/6MHz | ||
RAM | 192KB(最大512KB) | |||
VRAM | 256KB | |||
FDD | 5インチ2DD*1(増設可能) | |||
グラフィック | 640*500ドット*8色 | |||
サウンド | - | |||
備考 | 本体 398,000円 JIS第一水準漢字ROM標準装備 |
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東芝の16ビットマシンです。
グラフィック機能に力を入れており、640×500ドットの表示ができした。またオプションでVRAMを増設すると256色中16色の表示も可能でした。 |
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1982年 | 11月 | 富士通 FM-7発売 | ||
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CPU | 68B09/8MHz | ||
RAM | 64KB | |||
VRAM | 48KB | |||
FDD | オプション(外付) | |||
グラフィック | 640*200ドット*8色 | |||
サウンド | 8オクターブ3重和音 | |||
備考 | 本体 126,000円 | |||
たいへんよく売れた人気モデルで1983年には
「PC-8001mk2」と人気を2分していました。モトローラのCPUを採用していたの
で速度的にも早く、グラフィックもこのクラスでは最高の640×200ドットで8色対応でした。F-BASICも強力でSYMBOLなど他のメーカーにはないグラフィック命令がありました。欠点と言えば
テキスト入力して改行するとグラフィック画面がずれてしまうことで、カーソルキーを動かすとその部分のグラフィックが消えました(笑) |
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1982年 | 11月 |
富士通 FM-11ST/AD/EX発売 |
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CPU | 8088/8MHz(EX) 68B09E/2MHz(ST/AD/EX) |
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RAM | 128KB | |||
VRAM | 192KB | |||
FDD | 5インチ2D*1ドライブ(増設可能/STはドライブなし) | |||
グラフィック | 640*400ドット*8色(16色中) | |||
サウンド | 内臓 | |||
備考 | 本体 ST 268,000円 AD 338,000円 EX 398,000円 ADに8088カードを取り付けるとEXと同等になります。サウンドは8オクターブ出ますが単音だったのか3重和音だったのか資料がありません。CPUのクロック数が2MHzなのにどうして8MHzのFM-7よりはるかに処理速度が速かったのか当時は理解出来ていましたが忘れてしまいました。 |
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ADは8ビットなのに超高性能でした。BASICのLISTを出したらスクロールが早すぎて見ることが出来ないくらいでした。
この高性能に惚れ込んで衝動買いをしてしまいました。EXは「8088」カードの入った16ビットマシンです。純正のカラーCRTが確か定価で188,000円もしたと思います。シャープや三洋電機の安いCRTを買う手もあったのですが、
「FM-11」は16色対応なので純正でないと当時8色しか出ませんでした。
キータッチもたいへんよく私の一番好きな8ビットマシンです。あと1984年春に発売されたOS-9は8ビットOSなのに画面分割が出来てマルチタスクで作動する大変スグレモノのでした。 |
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1982年 | 11月 | シャープ テレビ事業部「パソコンテレビX1」発売(10月14日発表、出荷開始11月16日) | ||
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CPU | Z-80A/4MHz | ||
RAM | 64KB | |||
VRAM | 48KB(オプション) | |||
FDD | オプション | |||
グラフィック | 640*200ドット*8色(オプション) | |||
サウンド | 8オクターブ3重和音 | |||
備考 | 本体 155,000円 CRT 113,000円 |
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デザインも素晴らしく性能もよかったので人気がありました。スーパーインポーズ機能も搭載されていた。MZ系と事業部が違うせいもあったのか、分かりにくかったS-BASICを採用せず、ハドソンのHu−BASICを搭載していました。ハドソンと仲がよかったのかハドソンのゲームがX1発売後大量に発売されていました。そういえばどの店もキャノンボールというゲームのデモをしていました。下からレーザーを出して飛んでくる玉を割るという今
となっては他愛もないゲームでしたが・・・・ テープを入れるだけで自動的にロードするAPSS機能搭載は大変便利でした。他の機種はLOAD”○○”と入力しないとテープが回らなかったのですが、「X1」は勝手にすべてやってれました。VRAMが別売りでかなり高価で純正のテレビCRTをセットすると30万円近くになるのが 弱点でした。当時店頭でバイトを始めたばかりの私にはVRAM別売りなんて知らなかったのでVRAMなしで販売してお客様に大変叱られました。 |
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1982年 | 11月 | シャープ MZ-700シリーズ発売 | ||
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CPU | Z-80A/3.6MHz | ||
RAM | 64KB | |||
VRAM | 4KB | |||
記憶装置 | カセットデータレコーダー | |||
グラフィック | 80*50ドット*8色(セミグラフック) | |||
サウンド | 単音 | |||
備考 | 本体 MZ-711 79,800円 MZ-721 89,800円 MZ-731 128,000円 |
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キーボードが大変押しにくかった
記憶があります。なんとグラフィック性能がほとんどなくゲームソフトもテキストベースでした。最上位機種の「MZ−731」はプロッタプリンタを搭載していました。
このプロッタプリンタはペン式でペンの色を変えることが出来ました。このプロッタプリンタにはグラフィック表示が出来たので、丸を描いたり四角を書いたりしていました。
性能はイマイチだったのですが、価格が安かったせいか結構売れました。 |
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1982年 | 11月 |
シャープ MZ-3500シリーズ発売 Z80を2つ搭載するマシンでした。ビジネス用ですがほとんど記憶にありません。ビジネスマシンは16ビットの時代に入っているのに
、何故今更8ビット機なのか?装備は16ビットマシン並みだったので価格も高く、あまり展示している店もなく本当に印象の薄いマシンでした。 |
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1982年 | 11月 | ソニー SMC-70発売(11月18日発表) | ||
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CPU | Z-80A/4MHz | ||
RAM | 64KB | |||
VRAM | 32KB | |||
FDD | 3.5インチ(オプション) | |||
グラフィック | 640*400ドット*白黒/320*200ドット*16色 | |||
サウンド | - | |||
備考 | 本体 228,000円 | |||
ソニー独自のモデルです。ソニーの開発した3.5インチフロッピー
をオプションで搭載出来きました。グラフィックの解像度を4パターン変えることが出来ました。640ドット×400ドット表示にすると画面がちらついてチカチカしました。大きなパソコンショップに行かないと展示していませんでした。
これが今大人気のバイオの御先祖様なのでしょうか? |
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1982年 | 11月 | カシオ FP-1000/1100発売 | ||
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CPU | Z-80A/4MHz | ||
RAM | 64KB | |||
VRAM | 16KB(FP-1000)/48KB(FP-1100) | |||
FDD | オプション | |||
グラフィック | 640*400ドット*モノクロ/640*200ドット*8色(FP-1100) | |||
サウンド | - | |||
備考 |
本体 FP-1000 98,000円 FP-1100 128,000円 |
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この価格で一体型ではなく本体とキーボードが分離していました。「FP-1000」は性能が低かったのであまりどこの店も展示していませんでしたが、「FP-1100
」は魅力的でした。ただ流通ソフトが非常に少ないのが泣き所でした。640×400ドット対応は驚きでしたが、実際はインターレース仕様で擬似的な400ドットなので
、表示してみるとチカチカして実用的ではありませんでした。実際本当に400ドット対応さようとすれば、各メーカーカラーCRTだけでも15万円を超えている時代でした。
キシキシきしむような音のするキータッチは好きではありませんでした。 |
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1982年 | 11月 |
(米)ロータス 1-2-3 R1.0を発表 世界の表計算ソフトのスタンダードになります。 |
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11月 |
(米)コンパック PC互換機マシンCompaq Portable PC発表
このポータブルマシンを発売をきっかけに急成長していきます。 |
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11月 | NEC PC-9801シリーズ用MS-DOS Ver1.25日本語版発売 |