パソコンの歴史 1993年(1月〜3月)
1993年 1月  NEC PC-9821MATE(メイト)Ap/As/Aeシリーズ発売(1月18日発表)


MATEとPC-KM151

 MATE(メイト)シリーズはPC-9801(9821)シリーズの中でも燦然と輝くマシンです。1997年秋にDOS/VパソコンのNXを発売するまで、PC-9821シリーズはこのアーキテクチャーを踏襲します。ハイレゾモード、S3、ローカルバス、アップグレード、3モードのFDD、IDE規格など、当時のDOS/Vの最新規格をPC-9801シリーズに組み込んだマシンです。

 グラフィックは標準でDOS/Vと同じ640×480ドットに対応し、ローカルバス対応のアクセラレータボードA(PC-9821A-E01、S3の最新チップ86C928を搭載)を装着することにより1024×768ドット×1,677万色中256表示が可能になりました。
 3.5インチフロッピーが新たに1.44MBに対応になり、3モードに対応しました。 5インチモデルの方が価格が高くなり5インチモデルの時代は終焉しました。前面のファイルスロットにはIDE規格の周辺機器が装備できました。

★同時にカラーCRT、PC-KM171(17インチ)、PC-KM151(15インチ)が発売されました。私はPC-KM151を持っていましたが、1995年1月の阪神大震災で寝ている枕元10センチの所に落下してきました。部屋が明るくなっては初めて気が付きましたが、CRTの角が尖っているのでもう少しで直撃即死するところでした。今思い出しても寒気がしますが、CRTはその後故障もせず動いていました。
 

型 名

CPU・グラフィック

スペック表

Ap

 PC-9821Ap/U2

486DX2/66MHz

640*480ドット*256色

 3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 オプション(HDD) 555,000円
 PC-9821Ap/U7  3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*1 120MB(HDD) 600,000円
 PC-9821Ap/U9  3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*1 510MB(HDD) 830,000円
 PC-9821Ap/M2  3.6MB(最大14.6MB) 5インチ(FDD)*2  オプション(HDD) 564,000円
 PC-9821Ap/M7  3.6MB(最大14.6MB) 5インチ(FDD)*1  120MB(HDD) 607,000円

As

 PC-9821As/U2

486DX/33MHz

640*480ドット*256色

 3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 オプション(HDD) 448,000円
 PC-9821As/U7  3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*1 120MB(HDD) 498,000円
 PC-9821As/U8  3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*1 240MB(HDD) 580,000円
 PC-9821As/M2  3.6MB(最大14.6MB) 5インチ(FDD)*2  オプション(HDD) 462,000円
 PC-9821As/M7  3.6MB(最大14.6MB) 5インチ(FDD)*1  120MB(HDD) 505,000円

Ae

 PC-9821Ae/U2

486SX/25MHz

640*480ドット*256色

 1.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 オプション(HDD) 358,000円
 PC-9821Ae/U7  3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*1 120MB(HDD) 438,000円
 PC-9821Ae/M2  1.6MB(最大14.6MB) 5インチ(FDD)*2  オプション(HDD) 372,000円
 PC-9821Ae/M7  3.6MB(最大14.6MB) 5インチ(FDD)*1  120MB(HDD) 445,000円
1月

 NEC PC-9801FELLOW(フェロー)BA/BXシリーズ発売(1月18日発表)

 コンパック の日本進出は”コンパックショック”と言われるくらい衝撃的でした。実際にはコンパックのパソコンが売れた訳ではないのですが、アメリカ流の激安価格で発売したため、それに引きずられるように日本メーカーのパソコンの価格が 急落し、NECのPC-9801シリーズは相対的に割高なりました。そこで一気に価格競争力を取り返すべく発売したのが、FELLOW(フェロー)シリーズです。
 強化点は3.5インチフロッピーが新たに1.44MB対応になり3モードに対応しました。この機種から3.5インチモデルの方が5インチモデルより安くなり、5インチモデルの終焉が近づいてきました。オプションでアクセラレータ ボードB(PC-9801-85、7万円)が発売されました。汎用スロットに差すことによって1024×768ドット または640×480ドットで1,677万色中256表示が可能になりました。従来の1150×750ドットも表示可能でしたがこのモードを使用するメリットはもうありませんでした。

 コストダウンを実現するために従来のFA/FS/FXシリーズからかなり機能を削っています。
(1)拡張フロッピーインターフェイスがオプションに
(2)FM音源をなくしてBEEP音に
(3)拡張スロットが4スロットから3スロットに

 

型 名

CPU・グラフィック

スペック表

BA  PC-9801BA/U2

486DX2/40MHz

640*400ドット*16色

 1.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 オプション(HDD) 328,000円
 PC-9801BA/U6  3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*1 80MB(HDD)   388,000円
 PC-9801BA/M2  1.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 オプション(HDD) 342,000円
BX  PC-9801BX/U2

486SX/20MHz

640*400ドット*16色

 1.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*1 オプション(HDD) 218,000円
 PC-9801BX/U6  3.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 80MB(HDD)   288,000円
 PC-9801BX/M2  1.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*1 オプション(HDD) 232,000円
1993年 1月

 NEC PC-9801NS/Rシリーズ発売(1月18日発表)

CPU  486SX(J)/16MHz
RAM  1.6MB(最大14.6MB)
VRAM  256KB
FDD  3.5インチ2HD*1ドライブ
HDD  オプション(NS/R)/40MB(NS/R40)/120MB(NS/R120)
グラフィック  640*400ドット*16階調(モノクロタイプ液晶画面上)
サウンド  BEEP音
備考  NS/R       288,000円
 NS/R40    378,000円
 NS/R120  428,000円
 

 前年10月にPC-9801NAが発売されたばかりなのに、ほぼ同性能のNS/Rが発売されました。ラインナップ的にはNAの下位機種になるのですが、進化している部分があります。まずCPUの486SX(J)は日本向け特別仕様で486SLに近い省電力タイプです。そのためバッテリーでの駆動時間が最大で7時間(セカンドバッテリー使用時)と大幅に伸びました。フロッピーディスクもMATEやFELLOWと同じく3モード対応になりました。
 

1993年

2月

 

 アップル Macintosh Centris650/610発表(2月9日世界同時発表)


写真はCentris610
CPU  MC68040/25MHz(Centris650)
 MC68LC040/20MHz(Centris610)
RAM  8MB(最大136MB)Centris650
 8MB(最大68MB)Centris610
VRAM  512KB(最大1MB)
FDD  3.5インチ(720KB/800KB/1.4MB)*1ドライフ
HDD  160MB/230MB/500MB(Centris650)
 160MB/230MB(Cenntris610)
グラフィック  680*480ドット*256色/1152*870*16色
サウンド  PWM+AM方式 4音(サンプリング周波数:44.1KHz)

備考

  650 568,000円(160MBHDD)
         668,000円(230MBHDD+CD-ROM)
         798,000円(500MBHDD+CD-ROM)
  610  448,000円(160MBHDD)
         498,000円(230MBHDD)
         598,000円(230MBHDD+CD-ROM)
     

 Centris(セントリス)シリーズはMacintoshUシリーズの新型で す。当時は誰もMacintoshシリーズの中心機種になると思っていたのですが、翌年PowerMacintoshが発売されてわずか1年間の寿命で終わりました。

 Centris610は全く新しい筐体で16インチディスプレイがちょうど乗せれるようなサイズです。CPUの68LC040は68040からPFU機能を外したタイプです。CD-ROMはフロッピー左のスロットに搭載可能でした。 VRAMを拡張すると640×480ドット(13インチ)×32768色、1152×870ドット(21インチ)×32768色中256色表示が出来ました。
 インチ数が書いてあるのはアップルの純正CRTと純正プリンタを使用した場合WYSIWIG(ウィズィウィグ)対応になり画面上と印刷結果が同じで、画面上の1センチは印刷結果も1センチでした。 しかしこの頃からMac用に周辺機器メーカーがCRTを発売してきました。価格が安いので売れていましたが、WYSIWIG対応にはなりませんでした。

 Centris650は1992年10月に発売されたMacintoshUvi/vxの筐体を使用していました。実質的にMacintoshUvi/vxの新型 で1987年以来続いたMacintoshUシリーズはこれによって完了しました。MacintoshUvi/vxをCentris650相当にするアップグレードサービスも行われていました。
 

 アップル Macintosh Quadra800発表(2月9日世界同時発表)

 Quadra700シリーズの新型です。CPUは68040/33MHz、RAMは8MB(最大136MB)、筐体はQuadra700と似たミニタワー型ですが、筐体のデザインが変更されたためQuadra700やMacintoshcx/ciからのアップグレードは出来ませんでした。CD-ROMなどを内蔵する拡張ベイが最上部に用意されていました。
 

2月

 アップル Macintosh LCV発表(2月9日世界同時発表)

 
デザインは1992年6月に発売されたLCUと同じです。強化点はCPUが68030/25MHzに強化、VRAMがLCUの256KBから倍の512KBに強化されました。メモリは4MB(最大 36MB)、表示能力は640×480ドット×256色(VRAM増設時32768色)、832×624ドット×16色(VRAM増設時)、価格は80MBHDDタイプが268,000円、1 60MBHDDタイプが308,000円でした。
 

 アップル Macintosh Color Classic発表(2月9日世界同時発表)

CPU  MC68030/16MHz
RAM  4MB(最大16MB)
VRAM  256KB(最大512KB)
FDD  3.5インチ(720KB/800KB/1.4MB)*1ドライフ
HDD  80MB/160MB
グラフィック  512*384ドット*256色(VRAM拡張で32000色)
サウンド  PWM+AM方式 4音(サンプリング周波数:44.1KHz)

備考

 本体 238,000円(80MB)、278,000円(160MB)
 

 一体型は同じですが、今までのClassicシリーズとデザインが大幅に変わりました。CRTは10インチのトリニトロン管で標準で256表示、VRAMを拡張すると32768色表示が可能でした。ただCPUは68030ですがLCVとは違いClassicUやLCUと同じ16ビットバスを使用していたので、漢字Talk 7を使用するのには多少重かったです。
 

 アップル Macintosh PowerBook165C発表(2月9日世界同時発表)

CPU  MC68030/33MHz+MC68882/33MHz
RAM  4MB(最大14MB)
VRAM  512KB
FDD  3.5インチ(720KB/800KB/1.4MB)*1ドライフ
HDD  80MB/120MB
グラフィック  640*400ドット*4096色中256色
サウンド  PWM+AM方式 4音(サンプリング周波数:44.1KHz)

備考

 本体 598,000円(80MB)、648000円(120MB)
 

 PowerBook初のカラー液晶搭載パソコンです。液晶は9インチサイズのFSTN液晶で、反応速度が遅く、斜めから見ると見難かったですが、当時はPowerBookのカラー化ということで話題になりました。
 

1993年 2月 

 シャープ X68030発表(5インチタイプは3月発売、3.5インチタイプは5月発売)

CPU  68EC030/(25MHz)
RAM   4MB(最大12MB)
VRAM  512KB+512KB(テキストVRAM)両方ともビットマップ
FDD  5インチ2HD*2ドライブ
HDD  オプション(CZ-500C/300C)/80MB(CZ-510C/310C)
グラフィック  768*512ドット*65536色中16色(仮想1024*1024モード)
 512*512ドット*65536色
サウンド  FM音源8オクターブ8重和音+ADPCM

備考

 本体 CZ-500C  398,000円
           CZ-510C  488,000円
      CZ-300C  388,000円
           CZ-310C  478,000円
     
 初代X68000が発表されたのが1986年10月(発売は1987年3月)でした。発売から5年間は仕様変更をしないと約束を守り、6年後にX68030としてCPUを大幅にパワーアップして発売しました。しかし時すでに遅しとという感じで全くインパクトがありませんでした。ライバルのPC-9801シリーズはインテルの32ビットCPUの486シリーズを搭載した高性能マシンが主力で、パンチ力にも欠けました。X68000シリーズは完全に役目を終えたと言えるでしょう。3.5インチモデルも同時に発売されました。型名はCZ-300(HDDが80MBタイプはCZ-310)で価格は5インチモデルより1万円安い388.000円でした。
 
 富士通 FM-TOWNS MARTY(マーティ)発売

 キーボードもRGB端子もないのでパソコンというよりはFM-TOWNSのゲームソフトが使えるゲームマシンという感じでした。CPUは386SX/16Mzで2MBのメモリーを搭載していました。記憶装置としてはCD-ROM、3.5インチ2HD/2DD×のフロッピーディスクを搭載していました。
 RGB端子の代わりに本体からS端子とビデオNTSC出力がありテレビに接続することを前提としていました。FM-TOWNSのソフトはほとんど使えましたが、ゲーム機として使用するには定価98,000円は高くあまり売れませんでした。富士通はあくまでもゲーム機ではなく家庭用入門コンピュータの需要を狙っていたみたいですが、それならジョイパッドではなくキーボードを標準装備にするべきだったと思います。

2月

 エプソン PC-486GR SUPER/GR+/P発表

 前年の5月発表されたPC-486GRの新型です。SUPERはCPUが486DX2になり大幅に強化されました。GR+とPもオプションのODP(オーバー・ドラ イブ・プロセッサ)により486DX2/50MHz相当にすることが可能です。オプションの専用拡張ビデオボード(PCSKB2)もパワーアップされて1024×768ドットと640×480ドット以外に800ドット×600ドットの表示も可能になりました。またこのビデオボードは最初からVRAMを1MB搭載しているため256色同時表示も可能です。

★Pタイプは従来のPシリーズと同じコンパクトサイズの新型です。
 

型 名 CPU・グラフィック

スペック表

GR
SUPER
 PC-486GRS3 486DX2/50MHz

1120*750ドット*16色
640*400ドット*16色
 3.6MB(最大46.6MB) 3.5インチ(FDD)*2+5インチ(FDD)*1 オプション(HDD) 493,000円
 PC-486GRS5  3.6MB(最大46.6MB) 5インチ(FDD)*2 オプション(HDD)  468,000円
 PC-486GRS5E  3.6MB(最大46.6MB) 5インチ(FDD)*2 100MB(HDD)  548,000円
 PC-486GRS2  3.6MB(最大46.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 オプション(HDD) 493,000円
 PC-486GRS2E  3.6MB(最大46.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 100MB(HDD) 548,000円
GR+  PC-486GRP3 486DSX/25MHz

1120*750ドット*16色
640*400ドット*16色
 3.6MB(最大46.6MB) 3.5インチ(FDD)*2+5インチ(FDD)*1 オプション(HDD) 383,000円
 PC-486GRP5  3.6MB(最大46.6MB) 5インチ(FDD)*2 オプション(HDD)  358,000円
 PC-486GRP5E  3.6MB(最大46.6MB) 5インチ(FDD)*2 100MB(HDD)  438,000円
 PC-486GRP2  3.6MB(最大46.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 オプション(HDD) 358,000円
 PC-486GRP2E  3.6MB(最大46.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 100MB(HDD) 438,000円
 PC-486P2 486DSX/25MHz

640*400ドット*16色
 1.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 オプション(HDD) 278,000円
 PC-486P2E  1.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 100MB(HDD) 368,000円
 PC-486PWIN  1.6MB(最大14.6MB) 3.5インチ(FDD)*2 100MB(HDD) 398,000円
 MS-DOS3.3+Windows3.0A搭載
1993年 3月

 エプソン MJ-500/MJ-1000発売

 エプソンはMP-80(海外名MX-80)の発売以来プリンタの盟主として1980年代君臨していました。1980年代はドットプリンタと熱転写プリンタが主力でNEC(当時の日本市場のプリンタトップメーカーはNEC)と市場を2分していました。

 しかし1990年代初めにキヤノンがバブルジェットプリンタBJ-10Vを発売してからは状況が一変しました。A4サイズで非常にコンパクトな上に、価格も安く印字品質も美しかったので、たちまち圧倒的なシェアNo1になり、エプソンのプリンタは存在感を急速に失いました。瀕死状態のエプソンのプリンタを救うべく登場したのがマッハジェットプリンタMJ-500/MJ-1000です。
 発売された当時は、キヤノンのBJ-10シリーズと比べると大きくデザインがイマイチであまり評判は良くありませんでした。しかし印字品質はかなり美しく、BJ-10V発売後の2年半くらいの間にキヤノンに追いつくべく、エプソンの研究陣が必死で開発した事が想像出来ました。その後改良を続けて、1996年末に大ヒット商品PM-700Cを発売し、1997年にはついにキヤノンから年間シェアNo1を奪い返しました。MJ-500/MJ-1000は「死んだ」と言われていたエプソンプリンタを復活に導いた記念すべき製品なのです。

◇MJ-500はA4サイズ対応で74,800円(税別)、MJ-1000はB4サイズ対応で126,000(税別)円でした。 当時のインクジェットプリンタはモノクロしか印刷出来ませんでした。だから型名がMJ-500Cではなく、MJ-500なのです。
 

3月

 (米)インテルPentium(60/66Mhz)発表

 「586」の名称でで発売すると思われたのですが、 386や486などの数字は商標登録が認められないと裁判所の判決が出たため、名称でAMDやサイリックスなどの互換CPUメーカーが名称で追随することが目に見えていたため 、ギリシャ語で「5」を意味する「Penta」から作った造語の「Pentium」になりました。

 従来の486シリーズとは上位互換性を保ちながら、66MHz版では486DX(66MHz)の約2倍の処理速度を実現しています。搭載されるトランジスタの数は従来の120万個(486DX2)から約3倍になる310万個を搭載しています。

主な特徴としては
スーパースケーラ・アーキテクチャ ペンティアムプロセッサは、2命令を独立して実行できるパイプライン方式のスーパースケーラ・アーキテクチャを採用しています。このため同一クロック周波数の486DXに対して2倍の処理速度が実現できます(実用レベルでは約1.5倍)。

オンチップ・キャッシュ 486DX2は8Kバイトのキャッシュメモリを内蔵していましたが、ペンティアムプロセッサではコード・キャッシュ(プログラム用)とデータ・キャッシ ュ(データ用)がそれぞれ8Kバイトずつに分けて内蔵されています。

浮動小数点演算ユニット 486DXと同様、FPU(浮動小数点演算ユニット)が更にパワーアップされて標準で搭載されています。

64ビット外部バス ペンティアムプロセッサは内部では、従来の486シリーズと同じ32ビットのデータバスを使用していますが、メインメモリへの外部データバスは2倍の64ビットに拡張されています。

 この時点での価格の発表はありませんでした。このCPUが発表された頃はPentiumがここまで市場を席巻して、現在まで続く超人気CPUになるとは予想できませんでした。Pentiumはインテルを世界最大・最強の半導体メーカーにした立役者なのです。

■Pentiumの立ち上がりは順調だった訳ではありませんでした。当初はCPUの発熱量も多く、VLバスとの愛称も悪く、また価格も非常に高かったためなかなか普及しませんでした。また本格的な生産の立ち上がりも1994年度からになりました。市場でもまだ486DX2や486DX4(1994年3月発表)の人気が高く、アメリカでPentiumが本格的に普及し始めたのは1995年からです。日本では更に遅く、主力がほぼPentiumマシンに入れ替わったのは、1995年11月にWindows95が発売されるのと同時に投入された各メーカーの新型マシンからです。
 

 

HOME⇒