SWEEZY, P.M.
, TYPED LETTER SIGNED, letter from Sweezy to Bernard Barber: April 22,1947 (recto and verso, 21×28cm)

 アメリカを代表する、マルクス経済学者ポール・M・スウィージーの署名入りタイプ手紙。あて先は、社会学者のバーナード・バーバーである。
 スウィージーは、アメリカでは希少種に属するマルクス経済学者であるが、彼の業績である限界曲線を使った屈折需要曲線理論は、近代経済学の寡占価格論の基本論文である。
 スウィージー『資本主義発展の理論』のバーバー旧蔵本に挿入されていたもの。この本についてバーバーの質問や批評に、スィージーが答えている。
 内容は、―――マルクス主義の研究に十分な人材が投入されていず、その研究の遅れを嘆きつつも、現実を説明する最善の理論と自信を見せている。また、資本主義社会でマルクス主義者が如何に生きるべきかについてのとまどいを語り、最後にアーノルド・トインビーについても触れている。ちなみに、トインビーは当時大きな影響があったようで、『歴史としての現代』にも「トインビーの世界史」(元論文は1946年)なる章がある。

 定年後のてすさびの予行演習として連休のつれづれに一応翻訳も試みました。スキャナーも新しいのを買ったので、現物も併せてアップしようと思いましたが、スウィージーはまだ健在と思いますので思い止まりました。


(書簡の写真)


(H19.7.16記)



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