SCHUMPETER,J.A.
, AUTOGRAPH LETTERS SIGNED To and about Wolfgang Stolper

 シュンペーター、W・ストルパー関連署名入り自筆書簡2葉。 

1. 27×17cm(recto and verso)
‘JOSEPH A. SCHUMPETER
7 ACACIA STRRET /CAMBRIDGE, MASSACHUSETTS’
のレターヘッドあり。
“Stolper”宛のドイツ語の手紙。私には内容を判読できない。
2. 21×14cm(recto)
 英語で‘Robbins”宛に書かれている。ライオネル・ロビンズ宛か?内容はストルパーの紹介状あるいは推薦状のようである。だいだい色の紙に記載。
都留重人の『近代経済学の群像』には、シュンペーターは「葉書大のみかん色の紙をつねにポッケトにしのばせていて、自分が講義をしているさい中でも、何か想念が浮かべば、ただちにくだんの紙をとりだし、語るのを中断することなく、独特のオーストリア式速記でノートする習慣」とあるが、その紙であろうか。
  ストルパーは、ミシガン大学教授で、国際経済学の「ストルパー=サムエルソンの定理」で知られている。また、Schneiderとともにシュンペーターの愛弟子だったようだ。シュンペーターの伝記 ”J. A. Schumpeter: The public life of a private man (1994)” を書いている。
 
 “Capitalism Socialism and Democracy”の初版を注文した際「おまけ」として付いてきたもの。初版は既に持っていたが、状態が良くないので、安くて良好な本が出ていたので発注した。注文してから“Include in the work are two letters by Schumpeter”とあるのに気付いたが、値段から手紙だとは思えなかった。 
 アメリカの本屋で購入。都留氏の献呈本なども出ていたので、ストルパーの蔵書が処分されたものらしい。

 シュンペーターの『書簡集』(Hedtke und Swedberg ed. Briefe = Letters, Tübingen, Mohr Siebeck, 2000)には、ボルフガング・ストルパー宛の書簡はこの1941年5月1日付のものはもちろん、他日付の書簡も一通も収載されていない。しかし、「ストルパーの私的文庫中のコピーから(Nach einer Kopie im persönlichen Archiv Wolfgang F. Stolper, Ann Arber)」と注記された書簡が5通確認出来た(シュンペーターの出状した手紙のカーボン・コピーか何かを、ストルパーが引き継いだのであろうか)。とすると、自分宛の書簡は意識的に提供しなかったのであろうか、まさか本の間に挟んで、忘れてしまったとは思えないのだが。なお、上記『書簡集』は京大経済学部図書館で閲覧させていただいた、感謝。

(書簡内容の追記) 
 ずいぶん以前に(2012年)上記書簡集の編者の一人(ここに載せることを了承を得ていないので名前は伏せる)に、メールで連絡を取り、この書簡を見てもらった。1.書簡は、ストルパーの初めての大学講義を祝福し、シュンペーターの理論に精通することの難しさを告げている内容らしい。らしいというのは、小生がドイツ語のメールの内容を、もう一つ理解できないからである。「ロシアのヒットラー」との表現があり、"interessanter Brief! "という返事をもらった。


1.書簡の表面


1.書簡の裏面


2.書簡


(H16.8作成、H21.6写真追加、H23.11『書簡集』収載状況を追記、2016/8/17 「書簡内容の追記」を付加)





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