PARETO, V., AUTOGRAPH POST CARD SIGNED : A postcard from Pareto to Mrs. Gisela Michels, written from Céligny, 22 June 1918 (14×9cm)

 V.パレート、ギセラ・ミヒェルス宛自筆署名入り葉書1葉。シェリニーから発信、1918年6月22日付。
 ギセラ・ミヒェルスは、ドイツ生まれの社会学者・歴史学者ロベルト・ミヒェルスの夫人と思われる。ロベルトは、パレートと同じくエリート論の著作で知られる。また、ウェーバー等と共に『社会科学および社会政策雑誌』の共同編集者でもあった。 1914年にバーゼル大学教授に就任していたから、あて先記載Bâle(仏、独ではBasel)とも一致する。ギセラ自身も学者のようであり、ドイツの古書サイトで検索すると経済学関連らしき著作が出てくる。  パレートの発信地であり、住所であるシェリニーについては、シュンペーター(『経済分析の歴史』1958、p.1816-1817)のつぎのような記述がある、「人並でない弱い健康と相続による充分な財産の継承とは、彼をして比較的若い年齢でジュネーヴ湖畔のシェリニー( Céligny)に引退せしめる動機となった。この地でなお彼に許された二十年に亙る施策と精励な執筆との間、彼は余裕を得て、彼の天才と彼の知性的野心とを満足のいくまで充たしたのである。ここで彼は「シェリニーの孤独の思索家」となってしまい、畏敬にも似た心を以て、いわば古代の聖者のように認められた。その当時は訪問するのも不便であった・むさ苦しい家屋で多数の猫に取り巻かれながら(だからアンゴラ荘の名がある(注))、決然として然も訪問客にもてなしの良い孤独の生活をつづけていた人物が、かくも偉大な影響を及ぼしたという興味深い事実は注目に値する」。
 内容は葉書を貰ったことの返信のようである。イタリア語で手書きのため内容はうまく判読できなかった

 (注)ターキッシュ・アンゴラ猫から転じて、長毛の猫の呼称か。


葉書表面

葉書裏面

(2017.11.29作成)




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