Funeral Service entitled ‘Westminster Abbey, The Order of Service In Memory of John Maynard Baron Keynes C. B.,F.B.A(1883-1946). On Thursday, May 2nd, 1946 at 12.30 p.m.’ , (6pp., 15×24cm)

 「J・M・ケインズ追悼式用冊子」。
 以前英国に旅行を計画していた時、ケインズの墓がどこにあるか調べたことがある。伝記類を随分調べたが、結局記載箇所を見つけることができなかった。それもそのはず、ケインズに墓はなく、火葬にされた後、遺骨は住んでいたティルトン周辺に散骨されたのだった。その折、日経新聞昭和63年4月の文化面に、安川正彬氏が随筆でそのことを書かれていたことまでは調べがついた。その後は、福岡正夫『ケインズ』(1997年刊)等に散骨の事実が記載されている。

 これは、ケインズの追悼式(伝記類の表現、平たくいえば葬式か)の式次第を記したものだ。導師の言葉や、唱和する祈りの言葉が印刷されている。ケインズの死亡は1946年4月21日であるが、式は5月2日にウエストミンスター寺院で執り行われたことが判る。

 英国の肉筆類を得意とする書店より購入。ものの性質上、保存される事は稀ということで、値段も安くは無かった。こんな下手物に手を出すようになるとは、病膏肓のたぐいである。余人には笑止の沙汰か。


(冊子の写真)

(H19.4.28記)





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