SAMUELSON, PAUL A.,
ECONOMICS An Introductory Analysis, New York, McGraw-Hill, 1948, 8vo., pp. xx + 622

 サムエルソン『経済学』。初版第1刷である。
 サムエルソンが『経済分析の基礎』の日本語版序文で自ら述べているように、G.スティグラーは、『基礎』で名声を得たサムエルソンは『経済学』で富を求めようとしていると言ったとか。
 現在は、マンキューやステイグリッツ等経済学教科書の定番も多様化したようだ。小生の学生時代は、なんといってもサムエルソンの本書が近代経済学を学ばんとする者が繙くべき本であった。丁度、都留重人氏による邦訳書が岩波から出たところであった。昭和41年12月発行で第6版によるものだったと思うが、現物を探したが出て来ないので間違っているかも知れない。所得決定の「45度線図」と方法論の「新古典派総合」は、勉強した者の頭にズッと残っているのではないか。20世紀後半を代表する教科書といえるだろう。

 5年ほど前、署名入りだったと思うが初版第1刷が500ドルで出ていた。この手の本はバカ高値が付いているか、使用済み教科書として5ドル、10ドルの値段で打ち捨てられている。いわば、古本屋店頭の均一価格台の本である。だからサイバーカタログの記述も詳しくなく、書店にメールで問い合わせても、関心がないのか,まともに返事は来ない。しかたなく、初版本の記述を信じて発注すると重刷本だったりする。この本も郵送料の方が高かったくらいだから、非常に安く手に入れたが、元手はたっぷり掛かっているのである。




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(H17.2. 記)



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