HICKS, J. R.,
Value and Capital An Inquiry into Some Fundamental Principles of Economic Theory,oxford university press, 1939, pp.xi+331

 ヒックス『価値と資本』初版。
 本書は、サミュエルソンが『経済分析の基礎』で予言したように古典的な地位を確保した。現に、岩波文庫に収蔵されている経済学の翻訳書で一番刊行年が新しいものではないかと思う。
 本書第一部の内容は標準的ミクロ経済学の教科書となっているが、「本書の本当の面白さは、様々な経済思想(ローザンヌ学派、ケンブリッジ学派、オーストリア学派、スェーデン学派など)を見事に総合させていく第二部以降にあるといえるかもしれない」(根井雅弘氏)ヒックスの見事な「総合の才」が示された書。
 森嶋通夫氏のごとく経済学者たらん者は何回も精読を要する本であるが、小生にとっては、とても通勤電車中では無理で、きちんと机に向かはなければ頭に入らぬ感じで、未だ読み通せていない。

 比較的新しい本でそれほど稀覯ではないが、所蔵本はきちんとカバーまで残っている美本なので挙げてみました。
 標題紙にイニシャルでなく正式にサインした第二版本も所持しています。「サイン集」をご覧下さい。

 




標題紙(拡大可能)


(H16.9. 作成、H18.1.22写真追加)



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