WICKSELL, J. G.,
Über Wert, Kapital und Rente, nach den neueren nationalökonomischen Theorien, Verlag von Gustav Fischer, Jena 1893, pp.xiv+143

 ヴィクセル『価値、資本および地代について』初版。
 「ヴィクセルはジェヴォンズ、ワルラス、ベーム-バヴェルクなどの批判的解釈とその再構成から出発し、ワルラス体系の完全な理解の上に、ワルラスの生産理論に欠けていた時間要素をベームから取り入れて、まったくモダンな価値と資本の理論を建造した、それが単なる折衷的な理論ではなくて、彼自身の解釈と独創にもとづく新しい理論体系であり、現代理論はヴィクセル=マーシャルの分析装置から展開発達したものと言って差し支えない。」(大野忠男『限界革命の経済思想』p35)
 本書は労働者向けの通俗講演を基にしたものであると序文に書かれている。ずいぶんスエーデンの労働者は教養があるという気がしないでもない。後に『国民経済学講義』2巻に発展する。

 この本も、スイスの書店から購入。パレートの『講義』と同様スイスのバーゼル大学の蔵印が押されている。
 邦訳「訳者凡例」に「原書は版を絶つことすでに久しく容易に入手することができない。」とし京都大学所蔵の原本をもとに訳したと記載されている。

 




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