PARETO, Vilfredo,
Manuale di Economia Politica con una Introduzione alla Scienza Sociale. [Piccola Biblioteca Scientifica-13] , Milano, Società Editrice Libraria, 1906, Small 8vo, pp.xii+579
PARETO, Vilfredo, Manuel d’Économie Politique. Traduit sur l’édition italienne par Alfred Bonnet(revue par l’Auteur), Paris V.Giard & E. Briére, 1909,8vo, pp.695+16
 
 パレート『経済学提要』初版および仏訳。
 「パレートの経済学上の主著をただ一冊だけ挙げろと言われれば、やはり『経済学提要』を挙げることとなろう。・・・やはり、この著作の純粋経済学的部分が、その後の経済学の発展に与えた影響を考えてのことであった。」(松嶋敦茂『経済から社会へ』p156-7)
 数学的な展開は1909年刊のフランス語訳の数学付録でパレートが書き加え、独自の価値があるとされている。

 邦訳は日本経済評論社の近代経済学古典選集第Ⅰ期において松浦保訳が早くから予告されているが、現在まで未刊行。

 初版は、イタリアの書店からの購入。日本で言えば袖珍本の大きさである。ポケット科学叢書の一冊といったところか。届いた時にあの有名な本がこんな小さいのかと驚いたが。税関でも不審を持たれたのか、配達前に葉書で郵送物の内容確認が来た。貴重品でも入っていると疑われたのだろうか。こんな「お尋ね」は初めてであった。
 その後、仏訳初版を入手。上記のように数学付録で独自の価値があるとされ、経済学史年表でも付録1909年と特記されている。仏訳版は、アルゼンチンの書店からの購入。最初ABEを通じて申し込んだときは”Sold Out”とのメールが来たが、銀行口座が米国のロサンゼルスとあったのを幸い、たまたま息子が仕事の関係で当地にいたので、すぐ入金するとメールで交渉した結果ようやく入手できた。


初版


初版標題紙(拡大可能)


仏訳版の外観


仏訳版の標題紙(拡大可能)


(2019/5/30改訂:内容に変化なし、既述の順番を改めた)



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