PARETO,Vilfredo,
Cours d’Economie politique…Tome premier,Tome second
, Lausane,F. rouge, 1896-97. Two vols,8vo, pp.vii+430,426

 パレート『経済学講義』初版。
 パレートは、1993年ローザンヌ大学法学部員外教授に就任し、ワルラスの跡を襲って経済学を講義する。93年から96年に講義した純粋経済学及び応用経済学をもとにしてこの処女作を書いた。
 「パレートが、経済学の「第一次近似」――「純粋経済学」に割り当てたのは、『講義』の一割にも満たぬ僅か75ページであった。その内容は、基本的にはワルラスの『要論』に従うものであった。が、いかにも冗長なワルラス『要論』のエッセンスを、その六分の一ほどの紙幅の中に示したことの啓蒙的意義は小さくはなかったようだ。G・プスケによれば、「ワルラスの理論が、とりわけフランスで、本当に普及し始める時点は、『要論』の刊行までまたねばならない」。
 この「純粋経済学の諸原理」に続く諸章が「応用経済学」的展開(二つ「『社会学』的諸章を含む」であった。」(松嶋敦茂『経済から社会へ』p.139)

 Ex-libraryコピーである。標題紙にバーゼル大学の蔵印あり。スイスの古書店より購入。『講義』の古書価は『提要』の3~4倍している。それだけ、希少なのだろう。

 




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