Z.スケール大きな山火事
今年のカナダは異常乾燥状態にあるらしい。バンフの町の南にあるサルファー山にゴンドラで
登ったときも西の山からは山火事の煙が立ち昇り、ハイキングコースは立ち入り禁止になってい
た。風向きによってはきなくさい臭が漂う。氷河ハイウエーとは枝分かれした国道93号線、同じ
国道であるが行き先が異なる道を通ってバンフから150kmほど離れたRadium Hot Springsの温泉へ
つかりに行こうと車を走らせると、一面、きな臭いにおいがして視界が悪くなってきた。
”山火事である”上空には大型の消防ヘリがときおり飛んでくる。そうこうしているうちに国道
は通行止め。昼間だけ、パトカー先頭に片側交互通行をしている。日本なら完全に通行止めにな
るところだ。パトカーについて走っていくと、消防士たちが付近の農家で待機している。カナダ
では人家近くに火がやってきたときだけ消火し、あとは自然鎮火を待つらしい。この方が生態系
に良いとのこと。山火事といっても森林の上部が燃えているだけなのだ(写真)。
この火事によって森林の自然更新が起こるのである。あらためて日本とスケールの違いを感じさ
せられた。
写真 サルファー山から見える山火事の煙
写真 山火事の煙で煙る国道93号線
写真 山火事の跡
[.まとめ
この7日間の旅で、マイ・レンタ
カーで走った距離は2000kmを上回っ
た。実によく走り巡ったものである。
カナダの大自然にふれ,また氷河の
後退という地球の温暖化を、身をも
って体験する旅となった。この旅で
撮影した写真やビデオをどのように
授業で使おうかと考えながらANA
機の窓から外を覗くと眼下にカナダ
北部の氷床と幾筋もの氷河が飛び込
んできた。上空1万mからこれらを
撮影した。
教科書や書籍を熟読するよりも、
旅は「環境教育」する上で最高の糧
となることを思い知らされた。
写真は次ページ。