川柳
〜川柳〜
Believe In Snow

俳句を作る人を俳人といいますが、川柳を作る人は柳人と呼ばれたりします。
信雪の父の「良心
ryoushin」の句を紹介するコーナーです。「良心」は父の雅号です。


福じい(良心の川柳キャラクター)


NHK「ときめき川柳」ぐるっと関西(平成十六年)

良心の入選句

 入選句

   こだわっていますあの日のあの言葉

   想像をしたほどでない閻魔様

   工夫した結果がついてこぬ売場

   早咲きの桜ちやほやされすぎる

   あやまりに行くのはいつも私です

   涙ぽろぽろ騙されてしまいそう

 佳作

   まだ未練切取り線の向こう側

   父の書く地図はいつでも回り道

   むすんでひらいてきらきら星光る

   瘠せている森クレヨンの色を選る
 


全国川柳作家年鑑』昭和50年・52年刊、
『川柳兵庫』53年刊に掲載されたものから良心の自薦句

〇 一族がカメラに納まるめでたい日

〇 達筆の詫び状許す気になれず

〇 督促に記念切手を貼ってやる

〇 百円の羽根で福祉へ事が足り

〇 スーパーで妻の病をたずねられ

〇 余所目には妻の上位を言わせとく
  
〇 いつもより園児手のいる参観日

〇 霜焼けの足をブーツの娘に踏まれ
   
〇 形見なら光らぬ指でいいのです

〇 祝電のまま人生を終わろうか

 

新春詠

平成13年 汗かいて還暦の巳が蛇行する

平成14年 鶴亀の軸にお屠蘇をせがまれる

平成15年 ひたすらに平和を願う群れひつじ

平成16年 自家彩のおせちが揃う初春の膳
 



信雪の川柳に対する思い出など

川柳には現代の川柳と、いわゆる古川柳の時代があります。小学生のとき図書館で写真入の本で見て気に入っていた古川柳に「本降りになって出て行く雨宿り」があります。どういうわけかそのページが気に入って、図書館に行くたびにそのページを確認した覚えがあります。

上の句は後で調べてみると正しくは「本ぶりに成て出て行雨やどり」『誹風柳多留597番』でした。

川柳は五七五であらわした駄洒落だと勘違いされている場合がおおくあります。しかし、父から川柳は単なる駄洒落ではないと聞いてきました。もちろん、ユーモアの精神が中心であることはいうまでもありませんが、そこには、ひたむきに生きようとする人の生活があるようにおもいます。俳句は季節を読み込み、川柳は人情を読み込むことを中心としていると思います。