オクトバス搭乗記


 2001年10月20日に正式就航を開始した道頓堀とUSJを結ぶ大タコを乗せた水上バス「オクトバス」の搭乗記。



オクトバスとは?

旋回中のオクトバス湊町桟橋付近を旋回中のオクトバス

 「道頓堀スタジオジャパン」(ええ感じのネーミングや)が運営する道頓堀とUSJを結ぶ水上バス。(実際の運行作業は一本松海運が受託している)

 写真をごらんの通りタコの模型を載せているのがウリで運航中の船内では講談など古くから大阪で親しまれてきた町人文化の紹介などを行っている(講談は土日を中心に不定期に行われる予定で必ずあるものではないそうな)

 一日3往復が予定されていて、湊町桟橋とユニバーサルシティポートを約60分で航行する。途中、中之島西桟橋にも停船する

 運賃やダイヤについては「道頓堀スタジオジャパンのサイト」で確認して欲しい。ちなみに定期運行以外にイベント等でのチャーター便も受け付けているらしい^^;

要目スペック
船名キングリバー(King River)(オクトバスは通称)
サイズ全長21.16m 全幅4.6m 喫水からの高さ1.49m(最大)
総トン数19t
エンジン三菱重工製ディーゼルエンジン 340馬力
定員81名(船長、スタッフを含めて。乗客は70名となってます)

オクトバスとの出会い

「ハリウッドがサメなら、大阪はタコでいく!」このキャッチフレーズを目にしたのは5月GW明けのある日に見たasahi.comの記事だ。タコの模型を乗せた船で道頓堀とUSJを結ぶのだという。おお〜こらおもろい絶対のったるで〜と誓ったのであった。

オクトバス、誕生までの経緯

 新聞記事からの聞きかじりなんやけどUSJ人気を地元に結びつけようと地元8商店街の有志48名が計1000万円を集めて道頓堀とUSJを結ぶ水上バス「オクトバス」を運行する為に「道頓堀スタジオジャパン」を設立した。

 その後、当初の6月運行予定が遅れていたのだが7月26、27日に試乗会を行ったりして就航が近い事を窺わせていた。遅れに関してはやはり道頓堀川の航行や、安治川水門のスケジュール。その他お役所との折衝に時間がかかったようだ。

 10月になって正式運行が20日に決まり、その直前17日〜19日には運賃約半額のプレオープン運行を実施。

 そして10月20日(土)14:30 オープニングセレモニーが行われ遂に正式就航したのだ。

オクトバス、意外にもハイテク?

湊町桟橋でのオクトバスユニバーサルシティポートでのオクトバス左の写真が湊町桟橋で撮影。
右の写真がユニバーサルシティポートで撮影。
コクピット背後の船室の位置と船室の天井に注目

道頓堀川航行中の船内安治川航行中の船内左の写真が道頓堀川航行中。
右の写真が安治川航行中。
座席の位置に注目

 オクトバスは単にタコのハリボテを乗せただけなんつ〜安易なイロモノやない。そこには道頓堀川の低い橋梁(進路にある橋の数は合計16もある)を潜り抜ける為に各種の工夫が凝らされている。

 最初の工夫はウリであるタコがバルーンになっている所だ。必要のない個所ではしぼませて片付けられるようにしてあり、これで随分と稼いでいる。

 続いて船室の天井を開閉できる事だ。遊覧船として視界を確保したいが、そうすると低い橋梁をクリアできない。このジレンマを解消する為に可動式の天井を採用。高さに余裕がある場所では天井をオープン。低い場所では閉鎖する訳だ。

 そして凄いのが喫水の調整だけやのうて船室が昇降する構造になってるところや。掲載した写真4枚を見比べて欲しいんやけど左側が道頓堀川での状態(船室沈下状態)。右側が安治川での状態(船室浮上状態)だ。

 ちなみにもっとも低い橋は中之島ウェストピアの手前にある昭和橋だ。水面からわずか1mしかないとゆ〜厳しい状態。こういう事情なんで天候や潮位によっては運行中止もあるらしい(^^;

オクトバス、オープニングセレモニー

バンドと着ぐるみセレモニー開始前 湊町桟橋でバンド演奏とタコの着ぐるみが盛り上げようとしている

踊る着ぐるみしかし、このタコはリアルすぎるせいかいまいちウケない(^^; それでも節をつけて踊ってみたり苦労していた。ご苦労さまです。

チケットこれがオクトバスのチケットだっ

挨拶をしている森本社長14:30セレモニー開始。
まずは道頓堀スタジオジャパン森本啓一社長挨拶。
あまりこういうのは慣れてないのかトチりながらも言葉を選んで話しているという印象。

TVカメラTV局もいくつか取材に来てました。
ちなみに後ろに映ってるのはこのとき颯爽(?)と登場した我らが「オクトバス」や

来賓の方々磯村市長からの祝辞を関助役が代読。
左藤衆議院議員は自ら祝辞を述べた
旭堂小南陵師匠の祝辞。
オクトバスでは土・日を中心に上方芸人による講談をやるのだが、それを彼のお弟子さん達がやるのだという今日はオープニングという事で彼自身が講談をする事に

花束贈呈安全運転を祈念してオクトバスを操縦する2船長への花束贈呈。贈呈しているのはミスえびすばしと今宮戎の福娘。

ミスえびすばしと今宮戎の福娘ちなみに花束を贈呈したお2人。
正面からの写真がないと暴れる人がいるかも知れないので掲載(笑)

テープカット来賓によるテープカット。特に何が面白いとゆ〜訳でもないが、まぁお約束やもんね

オクトバス、搭乗記(いよいよメインディッシュや♪)

湊町リバープレイス出発地点は湊町桟橋。時刻表には湊町リバープレイスと書いてあるが実はここはまだ未完成な施設なのだ(^^; ちなみにここらへんの再開発プロジェクトは不況の影響を受けていて大赤字。この施設も厳しいかも知れんなぁ〜。

船内風景1船内風景2オクトバスの船内。座席は間伐材の自然木を用いたベンチだ。

タラップのカバー船内前部左の写真が乗船タラップのカバー。
道頓堀スタジオジャパンのロゴが描いてある

右の写真は船内前部。
クーラーの左下にある小さなボックスが屋根の操作用。
真中のドアがコクピットだ。

発進直前発進直前。この時点ではタコは全開状態や

道頓堀川航行中いよいよ定刻になり出発。低い橋が多いので天井は閉鎖。天井が滅法低いんで結構、閉塞感があるんだよな〜。
ちなみにこの写真は小南陵師匠による講談の最中。ちなみにこの頃に話していたのは道頓堀という名前の由来やったかな

道頓堀川水門道頓堀川水門
平成12年完成。潮位の干満を利用して道頓堀川を浄化しようというのが狙い。
ここで水位を合わせるために5〜8分停止する。ここの閘門はパナマ運河と同一方式なのだという

道頓堀川水門で停船中道頓堀川水門停泊中には天井が開かれる。う〜ん風が入るし開放感があってええなぁ
後方のゲートが閉じられてる点に着目して欲しい。残念ながらこの時点ではタコはしぼんだ状態だ(^^;

道頓堀川水門で停船中道頓堀川水門。前方のゲートが開放された。ここからはいよいよ木曽川だ。

大阪ドーム水門通過後すぐに大阪ドームが見えて来る。この日は日本シリーズ初戦だったんだよな〜(この時点ではゲームは始まってないが、残念ながらこの日近鉄は敗れました^^;)

昭和橋、通過中船舶航行の最難所である昭和橋を通過中。水面から橋桁まで僅か1mとゆ〜困った橋だ。オクトバスですら20〜30cm程度の余裕しかない。ここを抜けるとすぐに途中停泊駅である中之島ウエストピア(中之島西桟橋)だ。

中之島西桟橋逆光は勝利(笑)中之島ウエストピア(中之島西桟橋)。
ここで5分停泊なんやけど、今日はTV撮影の為に少し長めに停泊していた。途中停泊するんやから、ウリであるタコも当然全開だ。
ここからは安治川を航行していくことになる

大阪中央卸売市場大阪中央卸売市場
この辺りではずっと屋根はオープン状態。残念ながらタコはしぼんでるけど(^^;;
この間も講談は続いていて木津川、雑喉場、川口居留地、大阪府庁、安治川などそれぞれ小ネタが披露されている。こういう話も結構おもろいな。

大阪府警備艇府の警備艇に遭遇

安治川水門安治川水門
この水門は高潮防止用。月に1〜2度稼動試験を行うがこれがオクトバスの航行時間とバッティングすることがあり、その際はダイヤ変更か運行中止になるそうだ。

ユニバーサルシティポート夕焼けのオクトバスいよいよユニバーサルシティポートへと差し掛かる
当然タコも全開状態(^^)/

下船風景下船風景
65分にわたる船旅も終わりを告げUSJへと向かう人々。ご苦労さまでした。

オクトバス、全速ユニバーサルポートから道頓堀へと向かうオクトバス
ここから安治川までが一番速度を出せてると思う。

 さて、俺自身の感想としては喫水が深いせいか揺れなどもなく快適な航行やった。一番揺れるのは船着場(特にユニバーサルシティポート)かなぁ。船内については講談とかも結構おもしろかったな。

 あと船内では飲食物が売ってないんで、飲み物が欲しいなという意見があったが俺的にはタコ焼きの方がウケるとおもう。と、ゆ〜かこの船にはタコ焼き必須やと思う(をぃ)

 最後になりますが、オープニングセレモニーの事を教えていただいた上に招待してくれた道頓堀スタジオジャパンの塩川氏に感謝 m(__)m