すばる


M45


 清少納言が枕草子の中で「星はすばる。彦星。ゆふづつ。よばひ星、少しをかし」と詠んだことで有名な「すばる」がこの星です。すばるは欧米では「プレアデス星団」と呼ばれており、散開星団の一つです。肉眼では6〜7個の星が見えることから「セブンスターズ」と呼ばれることもある、馴染み深い星団です。
 この「すばる」は牡牛座の中にあり、冬も早々に昇ってきます。秋の真夜中には天頂付近に昇ってくるので、日本からはとても見やすい天体です。双眼鏡で見ると視野一杯にたくさんの星が広がり、時間が経つのを忘れるほどの美しさです。星の綺麗な高山で見ると、星が潤んだように見えてきて、すばるを包む青い星雲の存在をイメージすることができます。星空観望には絶対にはずせない天体です。

 この写真は明るい光学系を使って、すばる周辺に大きく広がる淡い星雲の描出を狙った作品です。すばるを包む青白いメローぺ雲は有名ですが、その外側に淡い星雲が広がっていることは、あまり知られていません。形状も面白い形をしており、星間ガスの流れを感じさせてくれる写真です。

撮影条件
CanonNFD400+67カメラにて直焦点撮影
EM-200赤道儀 BORG76ED+STVにてガイド 露出45分
フィルム:エクタロームE100S(+1増感)
撮影地:奈良県大塔村
2004年9月撮影

月刊天文入選作品

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