M42周辺の散光星雲


M42周辺の散光星雲


 オリオン大星雲(M42)の周辺には、淡い星雲が広い星域に渡って存在しています。その星雲の構造を写真に表したくて、2枚の写真を合成して表現したものが上の作品です。

 写野を考えると300mm望遠レンズでちょうどよい具合でしたが、淡い部分の構造を表現するために、400mmレンズで構図をずらして2枚撮影し、モザイク合成で作品化することにしました。手間はかかりましたが、そのかいあって、バーナードループなど淡い星雲の微妙な動きが表現できたと思います。またこの写真からは、M42の東と西では星雲の色や構造が変わっていることがわかります。この辺りに注目して観察してみるのも面白いと思います。

 モザイク合成するにあたっては、私の使っている望遠レンズは収差が大きいのが難点でした。ですので、写真上現れる収差量を考えて、事前に撮影する2枚の重なり部分を計算しました。撮影時は、計算した量だけ正確に写野をずらし、露出時間を秒単位まで統一して撮影を行いました。合成はPhotoshop上で行いましたが、事前の計算のお陰でスムーズに合成することができました。
 

撮影条件
CanonNFD400mmF2.8+67カメラにて撮影
EM200赤道儀 BORG76ED+STVにて自動ガイド 露出40分×2
フィルム:エクタロームE100S(+1増感)
Photoshopにてモザイク合成
撮影地:奈良県大塔村
2004年10月撮影

月刊天文ガイド入選作品

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