ケフェウス座 IC1396


IC1396


 ケフェウス座に存在する大きな散光星雲「IC1396」をクローズアップした写真です。写真左上には、真っ赤な色で有名な恒星「ガーネットスター」が輝いています。IC1396はとても大きく、3度以上も広がっている星雲です。残念ながら大変淡いので、肉眼では全く見えません。観望よりも写真向きの天体でしょう。写真写りは比較的良好で、Hα光に感度が高いフィルムを使えば、標準レンズでも簡単に写し出すことができます。近くに存在する北アメリカ星雲と一緒に写し込んでみるのも楽しいと思います。

 BRC鏡筒と銀塩フィルムを用いて、IC1396のディテールを狙ってみました。今回は中間調からシャドー部の表現に重点を置いて、画像処理を行いました。星雲明部の輝度を抑えたので、写真に派手さはありませんが、IC1396の濃淡と星雲が背景にとけ込む様子を表現できたと思います。

 このIC1396は、よく見るとところどころに複雑な暗黒帯が存在していて、興味深い構造をしています。一番特徴的なブライトリム構造「vdB142」のCCD写真は、こちらに載せていますので、見比べてみてください。

撮影条件
BRC250C+Mamiya69フィルムホルダーにて直焦点撮影
MS5赤道儀 BORG76ED+STVにてガイド 露出60分
フィルム:エクタロームE200(+2増感)
撮影地:奈良県十津川村
2005年8月撮影

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