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Hα単色撮影にチャレンジ!


1.Hαフィルターを使ってモノクロ画像を撮ろう

 冷却CCDと今人気のHαフィルターを使って、星雲のモノクロ撮影にチャレンジしてみましょう。「えぇ〜、やっぱりカラーじゃないと」と思われる方もいるかもしれません。しかし、CCDで得られたHαモノクロ画像はとっても階調豊かで、インパクトがある美しさです。自宅から撮ったペリカン星雲のプリントを見てもらいたいぐらいです。きっと見れば「おぉー、いいね。私も撮りたいな」と思われることでしょう・・・違うかもしれないけど。

 ところで、Hαフィルターを使うとなぜ星雲が写るのかと思われる方がいるでしょう。それは一般的な散光星雲はHα光というある特定の波長で光っているからなのです。夜空に瞬く星は連続光(いわゆる虹の七色ですね)で光っています。しかし星雲は、連続的な色で輝いているわけでなく、特定の色の波長(OIIIやHαなど)だけで光っています。このHαの光だけを通すように作られたフィルターが、今人気のHαフィルターなのです。狭ぁ〜い特定の波長を通すだけのフィルターなので、これなら光害がある自宅からでも楽々撮影することができます。遠くにいかなくとも撮れるのですから、都会に住む人にとっては魔法のフィルターですよね。

 Hαで光る散光星雲はたくさんあります。人気のペリカン星雲、カリフォルニア星雲、モンキー星雲・・・それにあの馬頭星雲だって、Hαフィルターを使えば光害のある自宅からでも撮れるんです。CCDに慣れる意味も含めて、どんどんHα撮影してみましょう。

Pelican Nebula
↑都会で撮ったペリカン星雲です


2.Hαフィルターって一杯あるよ

 Hαフィルターと言っても、市場にはたくさん種類が出ています。一体どれを使えばいいのでしょう。小さいフィルターの割に値段も結構しますし、気になりますよね。

 Hαフィルターを選ぶ上で注目することは、仕様書などに書かれた「半値幅」という言葉です。半値幅というのは通す波長の幅のことで、これが広いほど広い範囲の光がたくさん通り、狭いとHα光以外の光が通りにくくなります。
「じゃぁ、広い方が光をたくさん通すのでいいのか」というとそうではありません。広くなればHα以外もたくさん通すことになるので、光害の影響も受けやすくなります。「じゃ、狭い方を買えばいいんだね」と言われると、狭くなるとフィルターを通る全体の光の量がググッと減るので、コントラストはよくなるものの露出時間がべらぼうにかかってしまいます。

 「じゃぁ、どうすればいいんだ」と言われると、使っている機材と合わせて考えてみてはいかがでしょうか。ご自分の持っている機材のF値がとっても明るく、F2.8とかでしたら、一度にたくさん光を集められますので、狭い幅のものでも十分撮影することができます。しかし「F8しか持っていないよー」ということであれば、受ける光の量は激減しますので、少し広めのものを使われるのがいいでしょう。

 ちなみに半値幅が狭いものでは、5nm(Custom Scientificフィルタなど)ぐらいのものがありますが、10nmぐらいのものが価格もこなれて一般的なようです。私も13nmのものを使っていますが、これで結構楽しめます。初めはこのくらいで撮影されるのがよろしいのではないでしょうか。最初から
 「オレは超狭いフィルターで、ハイコントラスト作品撮ってフォトコン目指ぁす!」
とやると、撮影だけで2晩、3晩にわたってしまい疲れてしまいますので。初めは気楽にいきましょう。

Astronomik Halpha Filter

Astronomik製 13nm Hαフィルター

3.Hα撮影に使う機材

 さて実際に撮影に移る前に、どの機材を使って撮影に挑みましょう。
 何も言わないと「やっぱりSDP光学系じゃないとな。」「いやFSQの方が海外実績が上だからこれだぜ。」「オレはε180しか意味ないと思うね。」と思われるかもしれません。まぁ理想を言えば、前の三つのどれかを使えれば最高には違いないのですが、ちょっと高価な望遠鏡ですよね。その点、Hαフィルターは狭い波長の光しか通さないので、色収差はほとんど無視することができます。ですので、昔使っていたアクロマート屈折望遠鏡で撮ったりすることができるのです。これは助かりますよね。

 ただ、注意すべき点もいくつかあります。上にも書きましたがHαフィルターを通すと光の量がグッと少なくなります。それを補う意味でもなるべく明るい光学系が有利だということです。もちろん暗い光学系でも写すことはできますが、明るい光学系と同じだけの滑らかさ(SN比)を得ようとすると、たくさん露出する必要が出てきます。

 それともう一つ。色収差はキャンセルできても、コマ収差や非点収差は無視できないということです。写真の端々まで、ピシッと丸を保った星像を得ようとすれば、この点は気を付けていた方がよいと思います。ニュートン反射望遠鏡でしたら、コマ収差を減らす補正レンズも市販されているので、使われてみるのもよいでしょう。屈折望遠鏡なら、補正レンズを入れなくてもCCDチップの範囲なら、収差も目立たないことも多いので、一度撮影を試してみられるのもよいと思います。

 細かく書きましたが最初は失敗はつきものです。
 あまり考えすぎず、まずは手持ちの機材で撮影してみましょう!


4.ガイドはどうする?

 いよいよ撮影・・・の前にもうちょっと気になることがあります。星は日周運動しているので、それを追いかける自動追尾をどうするかということです。
 「オレの赤道儀は三鷹GN赤道儀だから追尾誤差は±1秒以内!」
 「ガイドなんていらねぇ。放っておいても大丈夫だぜ。」
という人はよいのですが、普通は赤道儀にオートガイドさせてやらないと、星が流れて写ってしまうでしょう。

 「ST2000XMはセルフガイドチップがあるから、それで追尾させたらいいじゃない」
と言われるかもしれませんが、ガイドチップに届く光はHαフィルターを通して、微弱になっています。明るい星が運良くあればよいですが、ないとガイド星を見つけることができません。これがHα撮影のネックでもあります。

解決策としては2つほどあります。銀塩撮影の時のように
 ”ガイド鏡とオートガイダーを使う”
 ”オフアキシス装置を使って、フィルターの前にオートガイダーを挿入する”
 ということです。どちらにしてもオートガイダーは必要になりますが、仕方ありません。事前にTheSkyなどで写野を調べて、ガイドチップ内に明るい星がない場合は上のどちらかの方法を採るのがベストでしょう。

 でも暗い星しかなくても、ガイドチップに5〜10秒程度の露光をかけてやれば、案外セルフガイドできちゃったりします(私も面倒なのでそうやっています(笑))。赤道儀の極軸をしっかり合わせて、セルフガイドでやってみるのもいいんじゃないでしょうか。

5.撮影だ!

うんちく長かったですが、やっと撮影です。各自撮影してください。

撮影中・・・説明省略?・・・

 撮影については、それほど気になることはないかと思います・・・というか言葉で説明するのが難しいです。今までに何度か天体写真を撮影されたことがあれば、赤道儀の設置。極軸出し。ピント出し。撮影天体の視野導入を経てスムーズに撮影に移れることと思います。

 気になることは、都会で撮影する場合(郊外でも散光星雲は見えませんが)、導入時の目安となる星が見えないということです。赤道儀に流行の自動導入機能があれば完璧ですが、ない場合も多いでしょう。その場合は星図片手に探してください(笑)。目盛環で探す方法もありますが、気合いで探す方が早かったりします。私もテンマに改造したくせに、未だにファインダー目視で探すことが多いです。

 また冷却CCDは、撮影画像をすぐにパソコン画面で見ることができます。Hαフィルター画像だとある程度露光しないと星雲は写ってきませんが、最初Rフィルターにしておいて、3×3ビニングモードで数秒露光してやると、うっすら星雲が写って写野に星雲が入っているかどうかがわかります。構図決定するときもこうして確認されみてはいかがでしょうか。

6.シビアなピント

ピントゲージさぁ撮影してみてどうですか?うまくいきましたか?
CCD撮影でミスしやすいこととして

 「CCD冷却温度の下げ忘れ(私だけ?)」
 「CCDビニングモードの変え忘れ」
 「ピント合わせが不十分」
 「ガイド流れ」

などが上げられます。最初の二つは注意不足ですから、気を付けるようにすれば直るだけのことですからよいとして、ピント合わせとガイド流れは気になりますよね。ピント合わせってどうしたらいいのでしょう。

 デジタル機材を使うようになって、ピント出しがよりシビアになってきました。銀塩時代からも天体写真は点光源ですので、一般風景撮影とは次元の違うピント出しが必要でしたが、デジタルになってよりその傾向が強まった気がします。風景写真で「これはもうちょっと絞り込んで、パンフォーカスにしないとねぇ」なんてことは天体写真ではできませんからね。ピント合わせは時間をかけてじっくり行いましょう。

 幸い冷却CCDの場合は、撮影した画像をリアルタイムに近い速度でパソコンに表示してくれます。それと同時に写野内で最も明るい星の輝度値も表示されますので、それを目安に合わされるのがベストでしょう。ソフトによっては、もっと便利なピント合わせツールもあるようですので、興味がある方はそういうソフトを使われるのもよいでしょう。どちらにしても「ピント合わせは面倒くさいけど、これで作品全体の質が変わるのだから、じっくり時間をかけてやろう」という気持ちが大切だと思います。

 良いピントを得る上で重要なことが気流の善し悪しです。惑星が望遠鏡でピタッと見えるほどのよい気流なら、星もほとんど瞬かずにピントのピークもわかりやすいでしょう。それに比べて、真冬の目で見ても惑星が揺らいでいるときは、ピントのピーク位置がどんどん変わり、いらいらしてしまうこと請け合いです。そういうときは、撮影を諦めるか、あまりピントに時間をかけず「ここでいいや!」ぐらいの気持ちで撮影されたらいいんじゃないでしょうか。でも、それが遠方に撮影に出かけているときだったら・・・意地でもジャスピンつかみたいですよね。がんばりましょう(笑)。


7.セルフオートガイドはややこしい?

 さて次に問題になるのが、ガイドが上手くいかないときです。別途オートガイダーを利用している場合は撓みなどの影響もあり複雑ですが、セルフガイドがうまくいかないという話もチラホラ伺います。ちょっと原因を探ってみましょう。

<その前に気になる点>
 ちょっとマニアックな話ですが、気になる一つの点として上げられるのは、赤道儀と修正信号を送る冷却CCDとの接続方法です。従来型のオートガイダーST4などの場合には、装置を保護する上でメカニカルなリレー回路が入っているリレーアダプタボックスの使用が推奨されてきました(今でも日本ではずっと推奨されているけど)。
 しかし、STVになり内部回路も一新されて、リレーアダプタボックス(RAB)の必要性が薄れてきたように思います。赤道儀のオートガイド端子も標準装備されてきた今、リレーアダプタボックスを使用することで、オートガイド精度に悪影響がでる可能性もあるような気がします。「何度やってもキャリブレートが上手くいかない」という方は、この辺りを疑ってみる必要もあると思います。ちなみに私の場合は赤道儀とCCDは直結ケーブルを使って信号伝達を行っています。

 セルフガイドのまず第一の関門は、ずばりキャリブレーションの成功でしょう。「キャリブレーションって何だ?」という方はいないと思いますが、ちょっと簡単に説明を・・。
回路にとってオートガイドを成功させるためには「こっちにこれだけ信号を送れば、望遠鏡がどの方向にどれだけ動くか」ということを知ることは、とても重要なことです。それを学習させるのが「キャリブレーション」というわけです。英語やカタカナで書くとなんだか難しそうですが、単純簡単なことですよね。

 で、このキャリブレーション。なぜか私はラッキーにも失敗することは少ないのですが、案外失敗してしまうようです。ちょっと肝心要な要点を列記してみましょう。

1.接眼部へのCCD取り付け角度は大丈夫?
2.赤道儀の修正速度は恒星時以下になってる?
3.オートガイドチップの写野に明るい星入ってる?

思いつくのはこんなところでしょうか。

 まず1については、CCD取り付け角度はなるべく赤緯、赤経方向に合わせた方がよいと思います。別に30度くらい傾いていても問題なくキャリブレーションは成功し、オートガイドできますが、作品の南北を合わせる上でもこうしておいた方がよいと思います。ただガイド星がない場合は仕方ありませんが。

 2については、恒星時以上の修正量を与えてしまうと、赤道儀のバックラッシュによって正確なガイドができなくなってしまいます。特に赤経側は恒星時以下にしておく必要があります。キャリブレーションはOKなのに、いっつもガイドに失敗してしまう方はこの辺りも注意してみましょう。

 3は当たり前のことですが、チップの上に星が載っていないとキャリブレーションしようがありません。キャリブレーション時はHαフィルタ越しでなくてもよいので、IRカットフィルタなどで光量を稼ぎ、実行してみましょう。
 また、明るい星が写野の端にあるときもキャリブレーションミスが起こりやすいです。なるべく中央に明るい星、それも同じような明るさの星が写野内に存在しないようにして、キャリブレーションを行いましょう。

<ちょっと一言>
天体写真は、暗闇で作業する上に行程が多岐にわたっている写真撮影です。その行程の複雑は他に類をみないほどです。ですので「最初から完璧にやろう」と気負わず、慣れて行かれるのが上達への早道でしょう。また、撮影前(シャッターを切る前)にやるべきことを順序立てて覚えておけば、遠征に行ってもミスがなくなり、思い出に残る写真を撮れることと思います。

8.よし!撮れたぞ!

撮影は上手く行きましたか?

「完璧だ」
「とりあえず撮れたけど、星がちょっと流れて線になっている」
「なんだか薄くしか写っていない」
「ノイズが一杯で汚いなぁ」
「ピンぼけで星が大きな円になっている」
「端っこの星が丸くない」

といろいろあるとは思いますが、とりあえずお疲れ様でした。

完璧の方は申し分ないでしょう。

星が流れている方は追尾エラーが原因でしょう。極軸の設定も見直した方がよいかもしれません。

薄くしか写っていないのは、ただ画面のレベル表示範囲が狭いだけで、画像処理すれば出てくるかもしれません。また、なるべく露出は1コマ10分以上はかけたいものです。

ノイズ一杯の人は、冷却温度は忘れずに下げましたか?下げすぎて素子に負荷がかかりすぎるのもよくありません。また、淡い星雲だとどうしてもノイズ感が出てきてしまいます。できるだけ多くの枚数を撮影し、後でコンポジットして滑らかにしてやりましょう。。

ピンぼけの場合は、ピント合わせをしっかりやるしかありません。もう一回ピント合わせからトライです。

端っこの星だけが丸くなっていないのは、コマ収差や非点収差などの影響です。また場合によっては光軸がずれている可能性もあります。その辺りをチェックしてみてください。


9.これからどうするんだ?

 さてせっかく撮ったのですから、撮れた画像を画像処理して綺麗に見栄えするようにしてやりましょう。と言うと「あぁ、オレは画像処理嫌いなんだよなぁ。」「やっぱりポジ原版でないとな。画像処理なんて邪道だよ。」なんて声が聞こえてきそうですが、冷却CCDの画像の場合、画像処理なくしてよい写真作りはできません。撮影を3としたら画像処理は7ぐらいのウェイトがあるのがCCD写真です。
 また銀塩写真でもデジタル画像処理は避けて通れないのが今の天体写真界です。モノクロームの現像・焼き付け処理もある種のアナログ画像処理です。今ある技術でよりよい写真が得られるのですから、どーんとやってみましょう。きっとあなたの写真はより美しくなりますよ。Hα画像でしたら簡単ですしね。


10.やってみるか画像処理!

「そペリカン星雲1枚画像れじゃ画像処理やってみるか!」
「オレの撮った写真は右のペリカン星雲だ。なかなかだろう。」
「都会の自宅から撮ったのにペリカンが、憧れのペリカン星雲が画面一杯に表示されて、その時はもう小躍りしてしまったぞ。」
「でも一枚画像のせいか、ザラザラだしなんだか周辺減光も酷い・・・。こんなので綺麗になるのかな。」

 というわけで右がHα撮影したペリカン星雲の一枚画像です。迫力の写りですが、なんだかザラザラです。これからどうしましょう。

 まず覚えておきたいことの一つにCCD撮影すると、出てきた画像には必ずダークノイズと呼ばれるノイズ成分が含まれているということです。ダークノイズの量はCCD温度に大きく依存し、CCDの温度が高くなればなるほど、ノイズが増えてしまいます。ですから冷却CCDでは、このノイズを減らすためにCCD温度を下げているのですね。それにこのノイズには特徴があって、温度と時間が一定ならばダークノイズに再現性があるということです。ですから毎回撮影時にダークノイズ連続撮影し、減算処理しなくても、後でソフトウェアを使うことで減算処理が可能なのです。これは撮影時間を有効に使う上でも貴重な特性です。

 さて、右上の画像はダークノイズ処理も何もしていません。まずCCD画像を開いてやるべき処理は「ダークノイズ減算処理」と「フラット補正処理」です。細かいことは後回しにして、早速処理してみましょう。

「よし、ダークノイズとフラット処理だな。」
「えっと、この前買ったステライメージ5を使って・・・これのダーク/フラットというアイコンだな。」
「ダークフレームを指定して、今回はマイナス10度の20分だから同じものを指定して・・フラットフレームはトレーシングペーパー乗っけて撮ったこれだな(後述)」
「よし、OKと」
「おぉー、下のような画像になった。ザラザラ感はあまり変わらないが、周辺減光が減ったなぁ。」

ダークフラット処理後

というわけで処理後の画像が上画像です。
 小さい画像なのでノイズの減少はわかりにくいですが、大きな画面で見るとダークノイズは見事に消えています。また、フラット補正により周辺部が明るくなり、周辺減光が減っていることがよくわかります。ここまでやれば前処理はOKでしょう。場合によっては、ランダムに出たホットピクセル、クールピクセルが目立つことがありますので、ソフトに搭載されているホット・クールピクセル除去コマンドで軽めに取り除いてください。あまり強くかけすぎると、星まで消えてしまいますので軽めが基本です。

11.ダークフレーム、フラットフレームってどうやるの?

1200secDark 上で出てきたダークフレーム、フラットフレームをどうやって作ればよいのでしょう。

 まずダークフレーム作成は簡単で、CCDにフタをして撮影画像と同時間露出して撮影してやればできあがりです。ただ注意することは、冷却温度を同じに保つことと、機種によっては光もれすることがありますから、なるべく暗いところで撮影を行うことです。ちなみに私のST2000XMも僅かながら光漏れしてしまうようです。

 右はST2000XMで撮ったダークフレームです。CCD温度はマイナス10度で、露出は1200秒です。見やすいように一部をトリミングして、階調反転させてあります。画面一杯に散らばる黒い点がダークノイズです。こうしてみると結構たくさんありますよね。

 またダークフレームは、何枚かコンポジットを行った方がランダムに出てくるノイズも減らせ高品質なダークフレームを作ることができます。上の画像でも左隅の方にランダムに出てくる線上のダークノイズが写っています。せっかく撮った画像から減算処理するのですから、ある程度の枚数をコンポジットして、よりよいダークフレームを作っておきたいものです。

フラットフレーム 次に問題となるのがフラットフレーム作りです。これは結構手間がかかり、人によって色々な方法が考案されているようですが、私はトレーシングペーパーを使った適当フラットを用いて補正をしています。お金もかからず簡単なので、これからCCD撮影を始められる方にはお勧めの方法だと思います。

 その方法で得られたフラットフレームが右のものです。中央部がボンヤリ明るく、四隅が暗くなっているのがよくわかります。これは撮影望遠鏡に周辺減光があるためです。屈折望遠鏡などでは、もう少し全体的にフラットなフラットフレームを得られることでしょう。
 また、CCDのカバーガラスにゴミなどが載っていると、その部分だけ丸い黒い円が現れることがあります。フラット補正で補正できるので、あまり気にしすぎることはないですが、一杯できたら清掃しましょう。私なんて買ってすぐのST2000がゴミ一杯で、2回目撮影時に掃除しました(涙)。

 フラットフレームの撮影自体は簡単です。撮影が終わり薄明が始まりだした頃、フード先にトレーシングペーパーを貼り付けてそのまま撮影を行います。ついでにHαフィルタだけでなく、IRフィルタ、RGBフィルタのフラットフレームも撮影しておきましょう。後でコンポジットを行うので、一つのフィルタに対し8枚程度撮影を行いましょう(上の画像は8枚コンポジット画像です)。そして撮影を終えた後にフラット画像からダークフレームを減算し、コンポジットしてフラットフレーム作りを終えます。
 なお、私の経験では20〜30秒程度の露光を与えられるほどの明るさの空が、フラット作りには良い気がします。

 トレーシングペーパーを使ったフラットフレーム作りですが、機材によっては「オレの望遠鏡は天下のFRCだ。筒が巨大すぎて、そんなトレーシングペーパーは文具屋に置いていないぞ。」ということがあるかも。こういう方には、私も使っている「HCLのトレペ」をお勧めします。これは商品撮影するときに使うディフュージョン用のトレーシングペーパーで、大きなロール巻きで売っています。ヨドバシカメラなどでも取り扱っていると思いますので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。値段も安くて1000円程度でかなりの分量があるのでお買い得ですよ。


12.ダーク/フラット処理の次はどうするの?

ダークフラット処理後「ダークもフラットも処理が終わったぞ。」
「この次どうするんだ?」
「まずはこのザラザラ感をなくさないとなぁ・・・。これではプリントして部屋に飾れないぞ。」

 というわけでさっきも載せたダーク/フラット処理が終わったものが右画像です。ダークノイズなどの処理は終わったというものの、画像はまだ荒れています。この荒れを抑えるためには、コンポジット処理が一番有効です。撮影するときは同じ構図で何枚か撮影しておき、後にパソコン上でコンポジット合成処理を行い滑らかに改善してやるのです。

 例えば、今回は8枚ペリカン星雲を撮影しました。それぞれ一枚ごとにダーク/フラット処理を行い前段階処理を終えておきます。そしてその画像を使ってコンポジットを実施してみましょう。

 コンポジット処理はステライメージなどの画像処理を用いて行います。Photoshopなどでも実施することは可能ですが、少し手間がかかってしまうのと、16ビットデータまでしか取り扱えない難点があります。できればステライメージなどの専用ソフトを用意した方が、後々も簡単に処理を進めることができると思います。

 ここでもステライメージ5を使ってコンポジットを行ってみましょう。
 まず8枚の前処理後の画像を開きます。撮影中オートガイドが正確に行われていれば、星の位置は8枚とも重なるはずです。しかし実際には少しずれてしまうことが多く、ソフトに付属する位置合わせツールを使って、基準となる星を指定してください。また、撮影日が異なっていたりして、写野が回転している場合は、2つの星を指定することで写野の回転も自動的に行い、コンポジットしてくれます。

コンポジット画面「8枚の画像を前処理してと。」
「で念のため基準星を指定して。これ、結構面倒くさいなぁ。」
「とりあえず終わった。それからマニュアルによれば、バッチにあるコンポジットを選べばいいんだな。」
「ん。合成方法がいくつかあるけど、これはどれを選べばいいんだ?」
「マニュアルを読むと加算がいいみたいだな。よし加算だ。」
「位置合わせにチェックが入っていることを確認して、合成方法は加算。よしOKだ。」

・・・コンポジット処理が完了して・・・

「できたぁー!って、画面真っ白じゃないか! どうなってるんだ。」

 そう、加算でコンポジット処理するとたいてい画像は真っ白になってしまいます。でも画像が消えたり実際に白くなったわけではありません。レベル調整画面を見てみましょう。

説明図2  

 画面が真っ白な状態でレベル調整を開くと、上のような画面になり画像のヒストグラムは全く表示されていません。しかし、ここで右下にあるヒストグラム縮小を何度か押すと・・・

説明図3

 上の画像のように右端からヒストグラムが現れました。白いと思っていたのは、ただ単に画面表示範囲からヒストグラムが飛び出していただけなのです。早速レベル調整のスライダを移動して、ヒストグラムが画面表示範囲になるように調整してみましょう。どうですか、移動させたら下のようにペリカンが現れてきたでしょうか。初めてこれをやるとちょっとビックリしますよね。

説明図4

「ペリカンが浮き出てきたぞー」
「8枚もコンポジットしたので、滑らかさも上がっているぞ(比較写真下)。」
「夢のペリカンの完成だ。よしこれでプリントに出そう!」

比較画像

 上の比較画像からも明らかなように、8枚コンポジットした画像はとても滑らかな仕上がりになっています。もちろんこれをプリントしても美しいプリントを得られるわけですが、ここではさらに美しいプリント作りに挑戦してみましょう。
 ある意味、ここまでの処理は誰もが行っている処理で、ここからが自分の腕の見せ所といえます。コンポジットされた冷却CCD画像のデータは厚く、あなたの複雑な画像処理にも柔軟に対応してくれるでしょう。是非チャレンジしてみてください。

13.デジタル現像ってやる必要あるの?

「よっしゃぁ、ここからが腕の見せ所なんだな!」
「バシッと決めて、フォトコン入選さらってやるか!」
「・・・って何やればいいの?」

 まず右の画像を見てください。
 これは先ほど8枚コンポジットした画像で、レベル調整により、淡い部分が見えるように処理しています。調整の甲斐あって、ペリカン星雲を取り巻く淡い部分はよくわかりますが、よく見るとペリカン星雲の耳の部分(耳かどうかわかりませんが)や輝星が飽和しているのがわかります。このままプリントを行っても、飽和した部分は白飛びしてしまい、あまり綺麗な写真を得ることはできないでしょう。それでは、こういう場合は淡い部分を諦めればよいのでしょうか。そうではありません。ステライメージに搭載されているデジタル現像処理を施せばよいのです。

「デジタル現像処理。またややこしいのが出てきたなぁ」
「ステライメージの画面を見ると・・・ガンマ調整/デジタル現像/色彩強調というコマンドがあるな。」
「なんだか余計にややこしくなってきたぞ。」

 デジタル現像処理は名前から一見難しそうに聞こえますが、それほど難しい処理ではありません。ハイライトのデータを圧縮する処理の一つで、それを自動化して簡単に使えるようにしたものです。ややこしいことは抜きにして、ものは試しでやってみましょう。
 また、同時に出てきたガンマ調整については、トーンカーブを使って行った方が微調整がしやすいと思います。色彩調整についてはこちらはカラー合成の方法の一種ですので、今回は説明を省きます。Digital Level

「デジタル現像処理を選んで、っと。」
「おぉ、右のような画面が出てきたぞ。」
「説明を読むと、上のヒストグラムはレベル調整の画面と同じヒストグラム。その下の二つのスライダも同じもの。一番下のハイライト側のスライダがデジタル現像処理を調整するスライダか・・・」
「・・・わかんないし、このままOKでいいかなぁ〜。」

 デジタル現像処理の画面は右のようなものです。画面構成については、上のような感じでデジタル現像を行うスライダが付加されています。また画面中段にデジタル現像についての囲いがあり、ここで数値入力することも可能になっています。

 デジタル現像はハイライト側を圧縮し、全体の表示範囲を整える処理ですから、あまり強く現像処理をかけると写真が軟調すぎる仕上げになってしまいます。この辺りは個人の好みで分かれるところですが、ある程度ハイライト側にスライダを寄せて、写真のコントラストも表現できるようにするのがよいと思います。参考までに下に3つのパターンで処理した画像を載せてみましょう。

 上の画像は、一番左がデジタル現像を施す前。真ん中がデジタル現像の画面を開き、初期設定のままOKボタンを押したものです。右はデジタル現像のスライダを少し右に寄せて、圧縮処理がかかる範囲を狭めたものです。
 こうしてみると初期設定では、ハイライト側とシャドゥ側のコントラストが薄れすぎてメリハリ感がなくなっているように見えます。撮影対象によっても異なりますが、少し圧縮処理を弱めた方が自然な仕上がりになると思います。

 また、デジタル現像の枠の中にある「エッジ」というのは、ハイライト側のメリハリ感を強調するためのものです。星のシャープさも向上するので、弱めにかけておけばよいでしょう。あまり強くかけると星がいびつな形に変形することがあります。

これでやっと美しいHα写真のできあがりです。ご苦労様でした。


14.よいプリントを得るために

「完成だぁー!長かった。長かったなぁ。」
「撮影ではいろいろ失敗するし、画像処理ではあれこれ言われるし、ここまで来るのに何日かかったか。やっとプリントして額に入れて飾れる。感無量だ。」
「プリント、プリントと。ステライメージのファイルから印刷を選んで、と・・」

        ちょっと待ったぁ!

「な、ななんだ。まだ何かやるのか。さっき出来上がりって言ったじゃないか。」

完成画像 よりよいプリントを得る上で、重要なことがあります。それはソフト側で画像プロファイルがしっかりと付加されており、プリンタとのカラーマッチングが良好に行われているかどうかということです。この点においては、CCD画像処理ソフトのステライメージはまだまだ未成熟の感はぬぐえません。

 まぁ、難しいことはさておいて、フォトショップなどのカラープロファイルを付加できるソフトで完成作品を開き、プリントを行ってみましょう。
まずステライメージ画像をフォトショップで開く際には、TIFF形式(16ビット)で保存し直します。それからフォトショップで完成画像を開いてみましょう。

 フォトショップで開くと「カラープロファイルが埋め込まれていません」というダイアログボックスが開くと思います。普段自分が使っているプロファイルを指定して、画像を開きましょう。DotGainなどの指定によっては、画像が明るく表示されたりすることがあります。このようになったときは、ステライメージ側で一度モノクロ画像をカラー画像に変換してからTIFF形式に保存し直し、フォトショップで開いてみましょう。

 うまく開けましたか?

 さてプリントする前にやらねばならないことがあります。ステライメージでカラー変換を行わなかった場合、フォトショップの画像はグレースケールとなっているはずです。まずはこれをカラー画像に変換しましょう。変換方法は簡単です。イメージの中にあるモードを開き、RGBカラーを選択するだけです。

 変換できましたか?見た目は何も変わりませんが、スポイトツールで画像データをみてみると、RGB値が表示されるようになっているはずです。今回はモノクロ画像なので、RGB値はすべて同じ値となっているはずです。

 さぁ、いよいよプリントしてみましょう。プリンタの電源を入れてプリントの準備です。
まず初めは、小さなL版に試しプリントしてみるのがよいでしょう。画像解像度を使ってL版に収まる画像サイズに設定します。画像の補完処理は行ってはだめですよ。用紙設定でL版を選び、いよいよプリントです。

 ここで問題になるのは「画面のイメージ=プリントの仕上がり」にならないという現実です。モニタとプリンタでは、どうしても色の表示範囲が異なるので完全には一致させることはできませんが、Photoshop側でマネジメントしてやることで、ある程度は近づけることができます。今回はそれを試してみましょう。

「えっと、まずは失敗したらもったいないから、L版で試し刷りするんだな」
「RGBカラーに変換して、画像解像度でL版に合うようにしてと・・・あとプリント用紙をL版にしないとな。」
「それから、プリントプレビューを選ぶんだな。」
「おぉ、なんだかでっかい画面が開いたな。わけがわからんことばかり書いてある(上図)。」
「とりあえず教えられたとおり【その他のオプションを表示】をチェックして、カラーマネジメントにする、と。」
「ソースカラースペースは印刷機じゃないから、ドキュメントのAdobeRGBだな。」
「そして最後のプリントカラースペースは、オレはキャノンのプロフォトペーパー派だから、そのプロファイルを指定してと。」
「マッチング方法は写真だから【知覚的】にする。黒点補正は普通はオンでOKだったな。」
「よっし、プリントだ。」
 ・・・・
「あれ、また画面が出てきた。あ、そうかプリンタ側の設定もしないといけなかったな。」
「まずは用紙の種類を設定して。それから今回はフォトショップでカラー変換するから、プリンタ側の色補正をオフにしておかないとな。プリントって面倒だなぁ。」
「よぉーし、すべてクリアだ。いよいよプリントだっ。」

 ジィー、カタカタ・・・・

「出てきたぞぉー。愛しのペリカン。やっとプリントまで来たなぁ。」
「これだけやったら完璧だぁーって、なんじゃこりゃ!」
「黒白モノクロと違うで、赤色プリントじゃないか!」
「どうなってるんだぁ。ひょっとしてプリンタが壊れたのか?愛しのPIXUS990iよぉ〜。」
「現役モデルじゃないけど、元フラッグシップのおまえ、どうしたんじゃぁ。高かったのにぃ。」
「あ、ひょっとしてペーパーか?ペーパーが悪いんか?」
「在庫処分大安売り、持ってけ泥棒値段のプロフォトペーパーがまずかったのか!?」
「ここまで来て、ここまで来て・・オレはどうすりゃいいんだよぉー!」
・・・・

15.プリンタを知り、理想に近いモノクロプリントを得るのだ!

 上にも出てきたとおり、なるべく画面のイメージに近づけるには、ソフト側でカラースペース変換を行ってプリントを行うことです。プリント用紙のプロファイル(用紙の成績書みたいなものです)は、用紙メーカーなどにより提供されていますので、メーカHPからダウンロードすればよろしいでしょう。
 人によっては「今は普通にプリンタ側でカラー変換してプリントしているけど、やっぱり言われた方法に変えた方が綺麗になっていいのかな?」と思うかもしれません。しかし、カラー変換は色を綺麗にする技術ではなく、あくまでマッチングをはかる技術です。ですので現状で満足するプリントが出ていれば、それを続けていかれるのがよろしいでしょう。大切なのは「今度はこれでやってみるか。」「あっちの方が綺麗かな?」というようにコロコロとプリント方法を変えるのではなく、一つの方法に決めてプリントのクセを自分で覚えてしまうことです。

 今回ペリカン星雲をモノクロプリントしてみると、赤色に転んでしまいました。これはどうすればいいでしょう。

 まず知っておかなければならないことは、家庭用インクジェットプリンタはとても性能のよいカラープリンタであるということです。このプリンタは文字通り、小さなインク粒子を用紙に飛ばして擬似的な階調表現を実現しています。このような形式のプリンタの場合、色再現性を上げようとすれば、補色となるインクの種類を増やせば比較的簡単にカラースペースが広がります。ですから最新のモデルは「レッドインクが増えました。」「フォトブラックインク入ってますよ。」と宣伝しているのです。

 しかしその一方、このプリンタは黒白プリントは苦手な対象です。「プリンタに黒色インクが入っているから、それだけ使ってプリントすればいいんじゃない」と思われるかもしれません。しかしこのプリンタに入っている黒色インクは、あくまで他の色インクを補うためのものであり、それだけ使っても十分な階調は表現できないでしょう。
 さてどうしましょう。「赤色に転ぶんだったら、プリンタドライバでマゼンダとかを減らして調整すればいいじゃない。」という声もあります。確かにこれは有効な方法だと思います。でもやってみると結構微調整が難しいのが難点です。ここでは、せっかく始めにグレースケールをRGBカラーに変えたので、Photoshopの色相調整機能を使って補正してみましょう。

 今回のプリントは赤色転びです(キャノンプリンタは赤、エプソンプリンタはグリーン転びしやすいようです)。赤の補色は”グリーン”です。グリーンを増やしてやれば赤が減り黒白プリントができるはずです。と言ってもトーンカーブやレベル補正で行うと、全体の調子まで狂ってしまいます。ここはPhotoshopの豊かな色空間を使って、色相調整により最良なプリントを目指してみましょう。

 まず画像の上に、色相彩度の調整レイヤーを作ります。今回は全体にレッドの補色であるグリーン調にしたいので、色彩の統一を選び、グリーンに適合する色相120を入力します。彩度は0のままだと色が反映されないので、3〜10ぐらい入力します(下図)。これで画面を見てみると、少しだけ全体がグリーン調になっているはずです。スポイトツールでピクセル値を見てみれば、グリーン値だけ増加してることでしょう。

Green

 「よし、これでプリント」とやってみてもいいのですが、実際にやるとグリーンが強すぎるはずです。ここはレイヤーの不透明度を調整して、グリーン調の度合いを変更してやりましょう。ここからはご自分のプリンタの特性に合わせて行う必要があります。たいてい30%前後の不透明度で良好な黒白プリントが得られるはずです。
 また、もう一枚下図のように1枚目と全く反対の色相レイヤーを作成し、そのレイヤーの不透明度を変更することで色合いを調整することもできます。どちらもほぼ同じ仕上がりですので、お好みの方をされてみてはいかがでしょうか。

Green+180

「よっし、やっとプリントが出来上がった。」
「う〜ん。我ながら見事なペリカン星雲だ。ほれぼれするなぁ。」
「自分だけで楽しむのはもったないできだな。いっちょフォトコンにでも応募してみるか。」
「えーと、愛読の月天がいいな。よし撮影データを書いて応募だ。」

2ヶ月後・・・本屋で・・・

「よっしゃぁ!フォトコン入選達成ぃ!1ページ独占だぜ。ありがとねー、月天編集部さん
「次は星ナビ、天ガにも殴り込みだぜー。いけいけ怒濤の3誌制覇!」
「よぉーし、次回はカラー撮影に挑戦だ!」

カラー画像処理についてはただいま執筆中です。気長〜にお待ち下さい。。。

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