2008年6月現在 |
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梅原雅代(うめはら まさよ)【聴】 |
劇団あしたの会が誇る独占的座付作家。名作「あしたを拓く」以下公演発表作品は合計7本。脚本執筆の立場から主に演出方面での活躍を続け、演出家であった今は亡き故芦田鉄雄氏の遺志を、誰よりも色濃く劇団内に引き継ぐ使命を併せ持つ。 劇団内互換的活性化方策により、近年脚本担当の座を一時他の劇団員に譲れば、近年あしたの会公演としては初めて役者として登場、異称「忍ばずのうめ」としてのキャラクターを如何なく舞台の上に発散させた。。 |
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蒲原敏光(かまはら としみつ)【ろう】 |
劇団あしたの会の無頼集団を束ねる役者陣の要。舞台上でのホール全体を圧するその存在感は、時には演出家としても劇団を牽引する。演目「青の記憶」と「新入社員」は、彼の原作並びに演出によるもの。相手が聴こえようが聴こえまいが国籍が違っていようが、とにかくコミュニケーションを大切にし、その人格と人間性を慕ってあしたの会と関係を結び始める人物は多い。 |
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山脇立嗣(やまわき たつし)【聴】 |
あしたの会演劇創作活動においては今や重鎮の存在を示す。役者としても高いステイタスを築いていたが、近年怒涛の執筆活動を内外に宣言するや、ついに自作脚本「居酒屋ふるさと」シリーズをあしたの会本公演に持ち込むに至る。その実績は、戯曲「ずっと咲いてる」が4年前の京都映画祭参加作品「アイ・ラブ・フレンズ」への脚本採用、また昨年には「居酒屋ふるさと」シリーズ戦中編「白雨至りて」が沖縄市戯曲大賞受賞と、現在は執筆活動方面へとその暑苦しい情熱を注いでいる。 |
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高井恵美(たかい めぐみ)【聴】 |
劇団あしたの会の運営における泣く役者も黙る名参謀。全国レベルの手話力を誇り、手話界ではもちろん、一部の学区においても「先生」と呼ばれる高度な文化人として劇団の心強い存在である。役者・裏方双方を器用にこなし、演劇人としても並々ならぬ力量を発揮するが、その存在に一旦ボケられると、その落差こそが一部の劇団員に並々ならぬネタを提供している。 |
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志水陽一(しみず よういち)【ろう】 |
劇団旗揚げ当初から、何れの舞台においても映えて止まないあしたの会が誇る看板役者。緩急自在に操る卓越した手話表現のみならず、身体全体から発せられるその表現は、周りで観る者に宇宙哲学的な奥行きと感動を覚えさせる。その役づくりのための深遠なる自己の追い込み方は、ベテランの域に達した今もなお、役者の鏡として周りを惹きつけている。 |
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勝山靖子(かつやま やすこ)【ろう】 |
娘の派手な成長に目と体を細らせる劇団の中では珍しい母さん団員である。以前から芸術的に高度な腕前を示し、初期の公演ちらしにおいては、その美術デザインを一手に引き受けていた。役者としても存在力を示し、その極め付けは、台風のため瀬戸内海を船で渡って来れなかった出演予定女優の代わりに、急遽本番当日ホールへ向かう近鉄電車の中で台詞を覚え、見事本番を演じきった非常の人。 |
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三井博茂(みつい ひろしげ)【ろう・故人】 |
京都ろう劇団「ひびき」出身。かねてよりろう演劇界では勇名を馳せていた名役者。かつて本番直前舞台に転落し、座薬の投与をきつく確認されながらも一公演を乗り切った驚くべき役者根性を示した。近年健康面の問題と、そんな中での子育てのために劇団活動は一旦休止していたが、2004年12月の「あしたを拓く」神奈川公演の出演を最後に、以降その現役復帰の望みむなしく2008年3月早春の候、ついに還らぬ人となった。享年54。 |
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中東孝雄(なかひがし たかお)【ろう】 |
他の追随を許さない独特のキャラクターを演じることができる劇団随一の個性派役者。舞台の上に、春の陽だまりを落としたようなエキセントリックな存在は、ツボにはまれば時としてどんなベテラン役者をも凌駕する。これも健康回復のため現在劇団活動は休止しているが、次の更なる当たり役がやって来たときの為に、誰もがその挑戦を待っている。 |
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羽深秋広(はぶか あきひろ)【聴】 |
かつて在籍していた滋賀県の劇団より、逢坂の関を越えて円満引き抜かれた広域役者。全く芸風が違う相互の劇団を渡り歩きながら、早期の段階であしたの会の演出に順応していた軽薄な力量は、やがて劇団唯一のフェスティバル個人賞を獲得するに至る。近年、二十数年間勤め上げた会社を辞めると、ときどき稽古を放ったらかして大陸へ遊びに渡るという勝手な行動に、誰からも非難と羨望の目を向けられている。 |
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大杉圭以子(おおすぎ けいこ)【聴】 |
活動中においては、妥協を許さぬ毅然としたスタンスで無意識に周囲を牽引する情熱の貴婦人。いかなる際にも真摯に役割を全うせんとするその一途な姿勢は、インフォーマルな組織内における本質行動の手本を示していた。仕事上の都合によりあしたの会の活動から遠ざかって久しいが、現在その復帰が長く待たれている。 |
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ぴろりん(ぴろりん)【聴】 |
劇団運営と公演制作に圧倒的な力量を誇る裏方の大局。国籍が特定できないようなその名前は、宮崎アニメに登場するとあるキャラクターから引用されているという夢の広がる存在だ。画像創作を生活の生業とし、その専門性より最近は宣伝関係のビジュアル制作をほぼ独占的に引き受けてきた。劇団のために職場の設備を奔放に使いまくっても、社長からの労使的信頼も極めて篤い職業婦人の鏡。 |
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山下昇(やました のぼる)【聴】 |
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独特の義侠的世界を地で構築することの出来る熟年の性格俳優。一般余人には踏襲できないような多事多様の人生経験を有し、そこで培われた正義感をもって、劇団活動方面のみならず、あらゆる場面において他の若年層にここぞとあるべき先達たる見本を醸していた。これも仕事上の関係により、現在活動から遠ざかっているものの、脚本執筆環境においてはキャラクター構成に欠くことのできない重要な存在として、作家の脳裏の中に君臨している。男・山下。 |
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西川健一(にしかわ けんいち)【聴】 |
劇団あしたの会に関わるや、その努力と才能により演劇スタッフとしてすさまじき力量を短期間に習得し、今や京都演劇界はスタッフの重珍に名を連ねる不幸な男。旧くから手話に携わり、若い時分に取得した手話通訳士をはじめ、他にも高度で多彩な資格を保有していながら、劇団活動のためにその履歴が収入に活かされていない。最近転職など人生の大きな転機をたて続けに踏んでいる。 |
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谷進一(たに しんいち)【聴】 |
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舞台構成に安定した布陣が約束される堅実派の好役者。もとより広い活動範囲を擁していたが、短期間で手話を会得するにあたって更なる世界が広がると、自分の職場でも今は衰退してしまった労働演劇を展開中。また最近の楽しみだったことは、一文字鷹が司会しているKBSの番組『目で聴くテレビ』で彼のアフレコを担当している事らしい。家庭では1月生まれの睦月ちゃんのよきパパでもある。 |
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中川綾(なかがわ あや)【ろう】 |
最近子育てと舞台出演を交互に繰り返している若きママさん女優。花のあるヒロインを演ずることのできる貴重な戦力として、劇団座付き作家の中での存在力は大きい。その存在力が故に、妊娠7ヶ月で物語のヒロインとして舞台に上がった近作では、実に脚本の説得力に満ちあふれていた。 |
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阿万道代(あまん みちよ)【ろう】 |
あしたの会役者陣の中では、百戦錬磨・海千山千の男優連中に対し、女優としてこれが一歩も引けを取らない情念の名女優。舞台に上がる度に円熟味を増し、特にその手話の美しさには時として共演者をも魅了する。家庭では夫と自分のために多様多才な主婦をこなし、その甲斐あって近年豪邸に引っ越している。 |
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中山美代子(なかやま みよこ)【ろう】 |
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はるか大阪の地から旧式の軽自動車を駆って稽古に駈けつけていた浪速のシングルママ。近年地元での活動への注力により、あしたの会の演劇活動においては一旦遠ざかっているが、その豊富な人生経験から劇団活動ブレーンの立場として、早期の復帰が待たれる人材である。 |
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一文字鷹(いちもんじ たか)【ろう】 |
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劇団随一、固定客層を動員することができる若手二枚目俳優。初演のときにメンバーの知り合いの観客より「あのキムタクに似た子誰?」と聞かれたときから調子に乗り始め、ここ8年間の公演で都合3回の主演を踏むに至る。現在切実な健康上の理由で劇団活動を控えているが、これはウィリアムスのいない球団のような状況と同等であると言えよう。その回復を心から待つ。 |
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分寺裕美(ぶんじ ひろみ)【聴】 |
京都演劇界では役者として以前から名の通っていた存在が、ここあしたの会に参加してくると、一転裏方を中心に劇団を地道に強力に支える頼もしい仕事人。規律を重んじ妥協を許さない、劇団内では他に類を見ない常識人で、隣県の一泊公演の際には、本番当日に車で移動している非常識な役者を叱りとばしていた。 |
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小林佐江(こばやし さえ)【聴】 |
与えられた役割に地道な努力を傾ける、誰もがその存在を認める強力な若手。演劇経験はまだ浅く、回ってきたスタッフワークはほとんどが初めての経験となるが、趣味である炎天下での野菜作り、オフロードバイクを盗まれてからの原付走行、職業訓練校に通いながらの一大転職等、その持ち前の根性で全ての仕事を乗り切った。現在新職没頭のため一時休団中。 |
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北川友子(きたがわ ゆうこ)【聴】 |
他に該当が見当たらないせいか、あしたの会にあっては珍しく華のある清純女優。前作「絆、ものがたり」では、初めての試みであるラブ・ストーリーの制作において、見事そのヒロインに抜擢された。演劇技術会得と同時に真摯に手話力の向上も目指し、公演終了後のその「涙のスピーチ」は、打ち上げ宴会の名物になっている。 |
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てんねん(てんねん)【ろう】 |
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「天然」と呼ばれる若手。 |
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吉田富一(よしだ とみいち)【聴】 |
劇団最年長。舞台に登場するなり、観客席のみならず舞台上をも含め会場全体をすっぽり惹きつけて止まない魅惑の性格俳優。入団以来脚本執筆者の立場においてはその脳内を如何なく飛び回り、登場人物の充て書きが唯一許される驚くべき存在力を示している。老齢に差し掛かっていることもあり、いつまでも元気に現役を続けてもらうことが、劇団員のみならず京都演劇界全ての願いといなっている。 |
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徳江真史(とくえ さだし)【ろう】 |
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タイミング上未だ正規の役者としての配役実績はないものの、舞台人として底知れぬ大器の片鱗を窺わせる現在あしたの会最大の埋伏臥龍。即ち他の役者が稽古を休むにあたり自然と代役に入って稽古を進行させ、時には本役以上に演出家に創造力を掻き立てさせる恐怖の若手である。みちのく地方出身のその素朴で飾りのない人となりは、舞台に接する観客からも高い好感度をもって迎えられるに違いない。 |
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池内理英(いけうち りえ)【聴】 |
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前々作の公演スタッフ補助の立場からその力量を買われ、見事劇団本採用に歩んだ期待高き若手。原則的に正規の団員しか保持できない一部の劇団グッズを、早期勧誘のために無理やり配給されたとも聞こえている。控えめな人となりとは相反し、メンバーが集まると必ずアルコール類を過剰に消費して止まないこの集団の中にあって、これが無事対等に渡り合うことができる見事な潜在能力を示す。 |
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AYA 【ろう】 |
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舞台表現の場にその活動路線を求め、あしたの会本公演の役者デビューを静かに目指す所謂現代風の若手。その表現力の研鑽によっては、他に劣らぬ程の舞台栄えが実現できる資質を十二分に有すると予測されている。現在健康上の理由から一旦劇団活動から遠ざかっているものの、近未来には必ず復活を期すると聞こえている現在最大の待望株。 |
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八百奏美(やお かなみ)【ろう】 |
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みちのく出身。役者としての配役が無かった入団当初から「代役のプリンセス」として演出家の食指を大いに動かしていた期待の新人。年齢的にも劇団員の平均年齢を一人で下げている貴重な存在であり、同時に女優としての資質を無限に秘めた可能性を随所に垣間見ることが出来る。その真摯で誠実な活動への取り組み姿勢は、必ず舞台の上で結実するに違いない。 |
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堀温思(ほり あつし)【聴】 |
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劇団最年少。劇団唯一の現役大学生団員である。学業優先のため当面劇団活動からは遠ざかっているが、この悲壮な参加方針に相して、周りがどれだけ魅力のある活動環境を整え上げるかということも、我々大人の劇団員にとってひとつの使命になっている。ええから無事卒業して早よ戻って来い。 |
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山下岩吉(やました いわきち)【聴】 |
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和太鼓の名手。旧知を頼ってあしたの会の稽古場に顔をのぞかせると、いつのまにか脚本読み合わせの場において圧倒的な存在感を醸し出していた熟年の新人。そのトボケたような独特の台詞の言い回しは、あしたの会役者陣における伝統傍流である個性派性格俳優への道を早くも約束された域に達している。あしたの会メンバーと稽古後交流するにあたっては、現在命懸けで禁酒中。 |
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芦田鉄雄(あしだ てつお)【聴・劇団人間座所属・故人】 |
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まぎれもなく、劇団あしたの会をここまで牽引・育成してきた魂の演出家。その演出回数は、あしたの会全11回公演中7回を数える。形だけの嘘の演技を何よりも嫌い、舞台の上に展開するスタッフをも含めての全ての「こころ」を常に大切にと説く。病気と闘いながら演出に臨んでいた三年前の「居酒屋ふるさと営業中」、その本番一ヶ月前に逝去。しかし今もその魂は私たちの舞台に息づいている。持論「言葉は体の一部である」 |
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