オリジナルの心地よさをつくる


春日の家

(浴室・洗面脱衣室以外の全面改修)


・構造補強

・耐震補強

・温熱・断熱改修


























 


Copyright(c)2004
K.ASADA ARCHITECT & ASSOCIATES
 
撮影/古田雅文
 
  長年住んでおられた家を、新婚の息子さんご夫婦の新居にと改修されました。
築30年以上経過した長屋の一軒で、築後に増築された浴室・洗面脱衣室以外の全面改修です。
住宅の図面、資料等は全く残っておらず、現況を調査・実測して図面を作成する事から始まりました。
大半が真壁であったこと、小屋裏を目視できたことで、小屋の軸組から柱・梁の位置、2階床梁の組み方を想定する事ができました。
床下については、点検口がなく、確認はできませんでしたが、解体後の状況を見て、判断・対応するとし、計画を進めました。

 解体してみると、土台が腐っていたり、柱の脚部が腐っていたりで、何本か取替えまたは補強する必要がありました。2階床組は全く想定と異なる梁の掛け方であり、また、梁を下から手で押し上げると簡単に外れるような状態で、しっかり組まれていませんでした。
長屋ということで、隣戸と柱を共有していることを危惧していましたが、各住戸独立した柱となっており、構造的に縁が切れていたことは、施工上幸いでした。

 今回の改修は、外壁と屋根以外はすべて解体し、内部をスケルトン状態にすることで、構造補強、耐震補強※、温熱・断熱改修(サッシのやり替えを含む)を行いました。
意匠的・機能的改修については、特に昇り降りが危険なくらい急な階段の改善、1階居間を少しでも明るく風が抜けやすくすること、少しでも収納スペースを確保することなどを念頭に入れて改修し、より快適で安心な心地よい空間ができたと思います。

※長屋の耐震補強について

一般的に、長屋は間口方向において耐力壁が少なく、耐震性が低いことが多い。いくつかの住戸が一体となった長屋においては、一住戸の耐震性を上げても、長屋全体として耐震性を満足させることは困難である。