アジア・アウトリーチ・AR236
 日本にリバイバルを送ろうとしていらっしゃる神様は、その証として、 日本に対して新たな宣教師派遣の波を与えてくださっています。そのお証を通して、 世界の国々から支えられていることを覚え、前進して行きましょう。 今回は香港から遣わされているエミリーさんにお話を伺いました。

 私は小学生の頃からキリスト教系の学校で育ったので、キリスト教への親近感を持って 育ちました。私の仲の良い友人もほとんどがクリスチャンです。大学を卒業してから信仰を持ち、 洗礼を受けました。

 姉がキリスト教に入信した後、私は姉を励ますために、教会が企画した中国本土への 3日間の宣教旅行に一緒に行きました。その旅の後、自分は福音のために何ができるかを 考えるようになりました。丁度その時は2011年でした。被災地であった岩手県宮古市に行き、 1年間ボランティア活動をしました。香港に戻って神学の訓練を受け、 2016年に宣教師として日本に戻ってきました。

 日本はとても魅力的な国です。しかし、宣教師として日本に来ることには躊躇しました。 日本は『霊的な投資収益率』が非常に低いからです。一方生活費などは、とても高いです。 これは日本に宣教師を送る派遣教会にとって負担です。しかし日本では、宣教活動の結果、 改宗する人は非常に少ない。

 世界には福音を必要としている場所が他にもたくさんあるのに、見返りの少ない場所に資源を 投入するのはもったいないと思うのです。しかし、神様は後に私のその間違った考えを変えて くださいました。マタイ18章には、1匹の迷える羊を探すために99匹の羊を残した羊飼いの たとえ話が書かれています。これが真の『天国の経済学』です。 父なる神は誰も失いたくないからです。

 私が被災地で奉仕活動をしていたとき「日本では福音の扉が開かれた」と言っているのを よく耳にしました。10年後の現在、東北での伝道活動は再び困難になっています。しかし、 神は今でも働いておられると信じています。その証拠に、神は今でも世界中のクリスチャンに 日本での宣教活動に取り組むよう呼びかけておられます。

 2016年に初めて日本に来たとき、第6回日本宣教会議に参加しました。宣教には、協力、 相互支援、サポートネットワーク、そしてもちろん、適切でその土地に合った神学的考察が 必要です。しかし残念なことに、教会の過去の歴史の中で、私たちは多くの分裂や迫害を 目の当たりにしてきました。ビションを共有し、お互いの違いを超えて共に考え、 協力していくよりも、自分だけで問題に立ち向かうことを選んだことが多かったのです。 もっと宗派・団体・地域を超えた協力関係を築いてほしいと願っています。

 香港と日本では、文化的な違和感に近いものがあります。香港は何事においても、 ペースの速い所です。教会の仕事も企画から実行までのスピードが速いです。だから、 日本に来て最初に覚えた言葉は「がまん」でした。「がまん」という言葉は、辛い事を耐え 忍ぶという意味ですが、私には漢字で書かれている「我慢」の字面的意味を掴みます。 他人にスピードアップを求めるのではなく、自分自身がスローダウンすることを思い出させて くれます。

※中国語には「忍耐」という言葉はありますが、「我慢」という言葉はなく、 漢字から我は慢(ゆったりする)という意味に理解できます。



アジア・アウトリーチ・ジャパン・・・アジア・リポート No.236

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JULY - SEPTEMBER 2021.