いぬかみっ! featuring. Animation

任天堂公式

はじめに

突然ですが、カプコンより発売のkiller7というADV+3DSTGをご存じでしょうか?
内容は時々分岐がある一本道をスタコラ歩き回ってあちらこちらで銃撃したり仕掛けを解いたりしていくというやつなのですが、実はこのソフト、PS2版とGC版が出ております。
当時CEROレーティングがそれほど賑やかでなかった自制も手伝って、各ハードメーカーが問題のありそうな表現を独自のガイドラインで「自主規制」するというのが一般的でした。本作のGC版はハード性能上の快適さ以上に、中途のムービーでなんと「ことをいたす」場面が描かれている、直接描写ではないにしてもPS2版の同シーンは無声。とても面白い話ではないでしょうか。
何が言いたいのかというと、そういうきわどい、もしくは面白い表現に寛容な任天堂マッシーンでそうしたゲームが動くのなら、PCゲーの移植先はこれからでもWiiや3DSで盛り上がることも不可能では無いのではないだろうかというどうでもいい提言。そしてそれは、天然素朴などすけべさを多分に含みつつも人情物な本作がDSで発売された事実について、それが果たされて本当に良かったとの感慨がこの枕を書きながら沸々と沸いてきましたもので少し書いて残しておこうと思った、そんな感じでしたすみませんでした。

あばうと でぃす!

[DS電撃文庫 いぬかみっ! featuring. Animation]は、セリフ部分フルボイスのサウンドノベルです。
ライトノベル版、つまり原作をADVゲームとして着くって場面毎にアニメーションやグラフィック、SEにBGMを入れる、台詞部分はアニメ版と同じ声優さんによるフルボイス。1期と同時間軸で転回される物語は、尺の都合で省かれたと思われる場面が多分に含まれていることもあってアニメから入った人もとても興味深く楽しめる内容です。

終わりに

本作はゲームなインターフェイスこそ実装していますが「乗り越えなければならん障害」がミニゲームにしかない状況を考えると、果たして「ゲームソフトなのか」ということには疑問が生じざるを得ない部分があります。

ただ、本作についてはそれが良いようにも同時に思うのです。
難易度の差こそあれ大小乗り越える物に満ちたコンシューマゲーム世界であります。近年の格闘ゲームではコンボ(特定の技を連続で繋げていくテクニック)の練習自体がチャレンジモードとして看板され練習+学習になれるよう出来ています。
それは勿論初心者と熟練者の壁を取り払う素晴らしい工夫ですが、それとは全く別のフィールドにて、競うことを一時忘れてただ面白く楽しい時間を過ごせる作品があってもいい、そう思うのです。

学ばずとも遊べるゲームの存在意義。例えばですが、本作で初めてサウンドノベルへ触れて基本がそれで体得されたなら、次は選択肢の実装された作品を遊ぶ。そういうチャートも素敵だと思うのです。
「競技」としての要素が無くてもゴールあるタイトル、RPG然りADV然りには難易度がやはり存在する物。だからこそ本作のように、ボーンたるシステムのみで動作する作品を素晴らしく思う次第です。
本作のキャラゲという側面は、日頃ゲームやらんという人々への訴求という意味でも有効ですし、その意味でもすばらしい調整に思われます。
なので、根本は本当にただただ読むだけの本作。貴方のDS棚の1本にとりあえず置いておく、そういう感じでぜひお一ついかがでしょう。
ヨーコ、可愛いですよ。
   では、今日はこのあたりにて。      縮地…


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