Code Of Princess

ジャンルベルトスクロールアクション
メーカーアガツマエンターテイメント
ハードニンテンドー3DS
備考:フルボイス

はじめに

こんな面白いタイトルが万が一にも埋もれるようなことがあったらもったいないこと極まりない、本作の魅力を少しなりとお伝えできればと思います。
さて本品、何がどう面白かったのか。

1.ゲーム部分

ジャンルはベルトスクロールアクション。主人公を画面中央に据えて右へ右へと進みながら画面内の敵を様々に立ち回って打倒していくシンプルな内容、歴史的にはファイナルファイト、閃乱カグラ、そしてガーディアンヒーローズ。それらの系譜に連なる内容です。
ただ、必ずしも右へ行くだけでなく敵を殲滅したら自動で次の戦いに移る局面が多いので、そうした戦闘主体なゲームデザインはどちらかというとくにおくん(初代)に近いシステムでもあります。
ゲームシステム操作方法などはWikiに詳しいのでここでは割愛します。
本作の特徴として同ジャンルと比べてユニークな点を記しますと

  1. スクロールは任意で左右へ進めるが、敵の殲滅がミッションの目的なのでそれを想定した戦略が必要
  2. ラインの概念があり、ガード(LかR)を押しながら上、もしくは下を入力することで軸を手前/奥に移動可能(ラインのないステージ、5ラインあるステージなど場面によって様々)
     敵味方共々基本的に自分のいるライン以外には攻撃できないので、立ち回りとしては回避に主だって使うシステム。
     (ガードを押さずに上を押すとジャンプ、下を押すとしゃがみ)
  3. RPGのようにHP、MP、攻撃力などがあり、それらステータスをレベル上昇時に上げることによって自分のスタイルに合った戦いが可能

一見複雑そうですが、序盤はラインのことを気にせず遊べるよう作られているので全く心配がいりません。
特に序盤から役立つのが自キャラの挙動を理解しコンボを開拓していく面白さです。
と言うのは本作はキャラにより大技後の硬直時間がかなり長めに設定されているので、闇雲な攻撃ではそのうち手詰まりになり、否応なく戦略的な立ち回りを研究すべき局面が生じるようになっているのです。
例えば主人公ソランジュ姫の場合、方向キーを入力しない状態(以下ニュートラルと記します)での弱攻撃連打はかなり動作後の硬直が少なくダメージソースとして堅実に利用できることが遊んでいるうちに把握せられてきます。
そして、下2回+弱攻撃で連撃が出せることと合わせると、例えばニュートラル弱は4回まで連続ヒットするので
 弱 弱 弱 弱 下下弱
といったことができるように、徐々になってくるのです。
こうした動きを理解することで強くなるACTとしての面白さを味わいながら、同時にレベルアップ時に獲得できるボーナスポイントを各ステータスに割り振りキャラクタを強化し自分のスタイルにあった環境を構築していく。こうしてRPGとACTの面白さを同時に味わえる、素晴らしいシステムの上で本作は構築されております。
ただキャラのレベルを上げるだけでない、むしろプレイヤースキルを上げることこそ重用されている、この素晴らしさこそ広く知られて欲しく思います。

物語

亡国の王女が父王より託された「デラックスカリバー(剣)」を携えて追っ手から逃げつつ国土を奪還し、世界を救うに至る物語。
特筆すべきはその描写で、物語が総じて台詞のみで構成されていてとてもテンポが良いことです。
通常ストーリーモードでは、「シナリオ選択 > デモ > バトル > デモ > リザルト」の流れになっているのですが、バトル前後のデモについてはそれが存在しない章もいくつかあり、このテンポの良さを象徴しています。あくまでも「ゲーム」の物語に徹している案配は遊んでいて実に気持ちよくテンポも良い具合です。
なら淡泊で味気ない内容なのか。
全くそんなことはありません。
それら短い描写や台詞回しの中に各キャラの個性が強く濃縮されていて、実に自然に物語を楽しめるよう構成されているからたまらないのであります。
一種シュールさを含んだ世界にて、人情、エントロピー、威勢、堅持、友情、そして性善説をフィーチャーした物語。大変面白くございました。
更には章題やセリフの各所に含まれるパロディの数々もとても面白い。聖闘士星矢にマジンガーZ、ドラクエに聖剣伝説2、レディガガにデーモン閣下、更には北斗の拳にキン肉マンに男塾にAKB48にポケモンと、その変域は止まるところがありません。
ここでもシナリオの良質さが光っており、これらのモトネタを知らない場合でもセリフに違和感を感じぬようにと徹底して丁寧に組まれた脚本なことが体験され、知らなくても物語が面白い知っていればその具合に爆笑必至なとてもきれいなまとまり方となっているのも読んでいて楽しく感じたのでありました。
ただ1点、シナリオモードで遊べる4人は誰を選んでも中途のイベントがほとんど変化しない(序盤と中盤にほんの少しだけの変化)、そしてエンディングも共通、ただこの点だけは本当にもったいなく感じました。これをもったいないと感じるほどに面白い内容だっただけに、なお惜しまれるのです。基本、シナリオモードは各キャラの挙動の違いとレベル上げに使うチュートリアル的場所、そう考えるのが良さそうです。
ともあれ根本的にまず面白い物語になっていますので、皆様もぜひこれを体験され、爆笑したり感動したり苦笑いしたり苦笑したり先の転回に思いをはせながら楽しんでみてください。

終わりに

別作品の話なのですがうみねこのなく頃にの第1章にて「ホラー映画や殺人事件をエンタメとして楽しむのは、畢竟その日常とは異なる刺激を得るための贅沢、あるいは道楽である」との議論が生じ、なるほどと納得したことがあります。
翻って本作のシナリオは、随所にちりばめられたパロネタを差し引いてもとても明るい雰囲気で統一されているのです。
無駄に明るいのでなく、相応に問題を孕みつつもその解決に向けての方針が総じてポジティブにまとまっている、性格に表現するとこうなるでしょうか。
不景気な昨今、暗い話は現実で事足りる昨今、こうした読んでいるだけで明るい気持ちへプレイヤーを至らせてくれるシナリオは上述のホラー云々とはまったく異なったベクトルで、その読み手に質の良い道楽を与えてくれていると強く感じました。
ソランジュさんの「得た力を良きことに生かす事へ躊躇無い」前向きさ、姫の素朴さとナイトの志を併せ持つ、実に素敵なお人です。本作で彼女の周囲へ人が集ったのも、ひとつにはそうしたことも理由なのかもと考えるとなお明るい心持ちになれました。
ゲーム部分が決してぬるくないこともこの旅が生半可でないことをプレイヤーに理解せしめ、その中でこそのこのシナリオだからこそ本作は面白いのです。
終幕も本作らしさに満ちた流れで読後感も良い具合。ゲームとしての寿命が天井知らずなことを考えるとトータルとして本当にいいゲームに出会えたものだとこうして書いていて改めて感じられます。

iPhoneにケイオスリングスありならば3DSにコードオブプリンセスあり。ゲーム専用機の懐の深さとその存在意義をさえプレイヤーに伝えてくれているような、それほどに触れていて楽しいタイトルでした。
脳トレ乱立はDS中期の流行でしたがそれが落ち着き互換性を保たれた3DSが発売されてそこそこ時間の経った昨今、同ハード界隈でいわゆる「ゲームらしいゲーム」がこうして発売される土壌がかなり整っていることが推定され、今後ますますもってこうした面白いタイトルが発売されていくことが考えられます。
そんな中の記念すべき一本として、本作もきっと10年語られるタイトルとなることでしょう。
3DSをお持ちなら、あるいはご購入の予定であれば、そしてアクションやRPGがお好きであれば、あるいはそこそこの難易度を説き伏せる快感やその達成感がお好きであればぜひお手にとっていただきたい一本です。
そして最近には、Windows対応版がSteamで配信開始されました。
ストーリーのフルボイスは踏襲され、システムSEもあり。
そして何よりキーボードでプレイできることは欠かせません。PCさえ持っておればデバイスへの追加投資が求められないこと、これは大変に素敵なことです。
その意味からも気楽に楽しめる作品、ぜひそのノリと同様気楽に触れてみてください。

FAQ

購入前後に気になる…と思しい点をまとめました。ご参考ください。

Q:ゲーム部分の効果音はステレオ・モノラルのどちらでしょう
A:モノラルですがプレイにはあまり影響しないので大丈夫です。
 具体的にはブレイブルーが無問題なら全く不都合無し
Q:プロローグ冒頭だけボイスが無いのだけどここなんて書いてあるの?
A:だいたいここの内容とおなじ
Q:どうしてもクリアできないステージがあるのだけどどうしたものでしょう…
A:L/Rボタンでのガードは殆どの攻撃に有効です。ドラゴンのブレスなどもこれで防げますので、後半戦で苦戦の折にはライン移動と合わせてぜひ有効に使って下さい。
  その一方、方向キーニュートラル+弱攻撃といった物理属性攻撃には敵の攻撃を弾くことの出来るものがあります(剣装備のキャラが該当)。これもガードに使えるほか、うまくすればカウンターを狙えます。LRガードと使い分けることで勝利に近づけることと思います。
  まず基本として、自キャラのアクションを理解し使いこなすべく練習する事が大切です。
  Yボタンによるロックオン攻撃後一定時間敵へのダメージが2倍、Xボタンによるバースト(MPを消費して攻撃力を上昇させる)でも効果時間中は攻撃力2倍。これらを行った後は攻撃のヒット音が変化するので音で状況を逐次把握可能。これらの上方とどのような技が連続技として繋がるかなどを色々研究していく、それがまずの基本となります。
 そのうえで装備が変更できそうならスキルに「ボスキラー(ボスキャラにのみダメージ上昇)」や「ハーモニクス(バースト中HP回復)」の付いた武具を装備するのも有効
それからラインシステムを回避に使うのも有効です。攻撃の予備動作が音で分かる敵はラインの移動で音で回避できます。
 レベルを初期化して1から育て治すのも一つの戦略。Lv99で初期化すると20ポイントのボーナスありで1から育てられて最終ステータスが底上げされるおまけつき。AttackをMax(160)にしてもラスボスとはかなり緊張感をもって戦えるのでご安心を。
Q:ラスボスにどうやっても勝てないのですが。。。
A:まずレベルを99にします。
 オプションから能力初期化をします。
 そしてライオンゲート戦やその他経験値稼ぎに有用なマップを活用してレベルを上げていきます。
  この状態でレベル99にすれば、その時点でのステータスの総量が+20となる理屈になり、かなり状況が改善されます。
  まずAttackをMaxまで上げてヒット時のダメージ効率を向上させ、バースト状態の継続時間を延ばせるPiety、魔法攻撃力と魔法防御力の両方が上昇するMind、HPの絶対量に直接影響するVitalityを好みに応じて上げる、こうした育成がおすすめです。
  一定以上ダメージを与えるとガーディアンを召喚し四方からレーザーを放ってくるので、ソランジュのB連打や右右Aの突き、アリーの右右Aのダッシュ攻撃で画面左右を横断する(可能ならXでのバーストをからめる)とすることで打倒可能です。
  攻撃パターンが3段階目へ変化したらほとんど勝利直前、守るより積極的に攻めて勝ちに行くのが良い具合です。
  それではご武運を…。

視覚補助上方

本作のメニューは一部例外を除いて次の操作が可能。
 1.上下を押し続けると、それぞれ上端・下端で突き当たる
 2.右を押すと最下段の項目へ、左を押すと最上段へ瞬時に移動出来る
   (厳密には、右を押すと8項目下へ移動、左で8項目上へ移動。タイトル画面等は項目が全部で4つなので結果的に方向キー左右で上端、下端へ移動できている
    追加クエスト、フリーモードの中などは項目数がとても多いのでこの左右移動で大きく移動できることを知っておくと項目選択が楽になります)

タイトル画面の並びは次の通り。

ストーリーモード
ローカル通信
インターネット
オプション

ストーリーモードの子項目
次の順にならんでいます。

シナリオ
・フリープレイ
・追加クエスト
・チュートリアル

シナリオ
シナリオを選ぶとキャラ選択画面へ遷移(ここは十字キー上下で移動)
初期状態では最上段のソランジュのみ選択できる。

キャラ選択後
装備選択画面へ移動
装備項目は上から順に次のようにならんでおり、最初は「この装備で確定」が選ばれている状態

武器



アクセサリ
この装備で確定(初期位置)

装備変更画面は、変更したい項目でAを押してそのあと上下で選ぶ。最上段が装備を外す選択になる。
また、他のキャラが装備しているものを選ぼうとすると、それを付け替えるかの選択肢「上がはい、下がいいえ」が現れる。これは、上下を押し続けて2項目以上移動しなかった場合がそうであると見分けられる。

装備選択後
シナリオ選択
初回はプロローグのみ選べ、下に下に増えていく。
ステージクリア後にオートセーブ

プロローグはボイス無し
本編が始まり次第ボイス入り(フルボイス)

ステージクリア後:リザルト画面終了後、レベルアップがあった場合ボーナス配分画面へ移行する(レベルアップ時には専用のファンファーレが鳴るので分かる)
レベルアップ後左右へ移動出来るようになったらこの画面に到達している
ここで自分好みにステータスを上昇させられる。
向上できる項目は次の通り。

vitality
plety
attack
defense
mind
speed

(上下で選択 右で上昇 左で下降 Aで確定)
パラメータアップ後自動的にセーブされる
これら終了後、上述の「装備選択画面」に自動で戻る。

シナリオの一覧は下へ下へ増えていく、つまり一番下が一番新しいシナリオ。
シナリオクリア後は自動的にその次の項目が選ばれている。

オプションの内容:
BGMボリューム
SE
キャラボイス
キャラクタデータの初期化
ゲームデータの初期化
通信用ニックネーム
(BGM、SEのボリュームは左右で調整する)

* なお、ある程度シナリオを進めると装備選択画面でXボタンを押すことでマルネコの店へ行けるようになり、それまで貯めたゴールドを使っての武器・」防具・アクセサリの購入が可能になります


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