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A . I . W
A r c h i I n f o W e b |
これまで、いただいた質問をQアンドA形式にまとめました。
表題:業者選定 |
Q-1.
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A-1.
新築時より10年も経過すると、全てのマンションに共通することは、もし何らかの不備があれば、経年的劣化を除き、すでにその兆候が現象として表に現れてくるものです。 長年のコンサルタントとしての経験から、第一回目の大規模修繕をおろそかに行うと、それ以後の修繕費が大幅に増えるということが判っています。 それ故、今後の耐用を考えると、全ての劣化の芽-特に構造体の不備をこの時期に摘んでしますことが大切と考えています。要は、きっちりとした建物診断とそれに対応した仕様の選定−設計がポイントになります。 その設計に基づき業者入札に掛け、業者選定を行う訳ですが、その業者がいかに設計仕様書の意図を理解し、忠実に見積を行っているかを見極める必要がある訳です。 そのためには、一式見積ではなく、設計書に則った項目毎の内訳明細見積を要求する必要があります。 |
表題:結露 Q-2. 同じマンションで、このような電話のトラブルが結構あるとも聞きました。 これは、マンションの構造上の問題なのでしょうか。 A-2. あるいは、施工されていても結露しているということは、効果がないものと思われま す。 結露は、マンションにおける三大クレームの一つです。 解決は、外壁側に結露対策を施す以外ないでしょう。電話用ボックス廻りでの断熱は 不可能と思われます。 内壁仕上げがあるようですので、下地と外壁コンクリートの間に断熱材を挿入することになります。発泡系の断熱材なら、穴を開けてウレタンを注入します。注意することは、隙間を開けずにびっしりと注入することです。 なお、上記対策が済むまでの注意点は、タンス等は、壁から離し隙間を開けて設置し、空気が流通できるようにしておき、できるだけ換気を行い、また湿気の出る暖房(ガス、石油等)は避けることです。 また、結露については、欠陥とまでは言えませんが、電話が不通になるくらいの被害が出ているなら、管理組合とご相談の上、管理組合から分譲者に善処を申し入れるこ
とも考えられます。
1ヶ月ほど前から電話に雑音がはいるようになり、だんだんひどくなりとうとうプッツリ切れてしまいました。調べると、北側の部屋の壁が結露でべたべたになっていました。その隣に電源コンセントもあってそれも水滴でいっぱいでした。
当該マンションは、恐らく断熱材が施工されていないのでしょう。
表題:設計監理 Q-3. 早く信頼できる設計監理業者を決定して、専門家のアドバイスをうけたいのですが、設計監理業者はどんな人で、どこにいるのかも解かりません。 どのように選択すべきですか? A-3. 基本的には、設計監理者の実績等の情報を入手し、数社に当たり面接等行い、判断するほかありません。 名の売れた居住者団体や設計事務所でも、担当者の当たり外れは、あることと思われます。 しかし、基本的に、集合住宅の調査とか設計監理は非常に特殊な分野で、設計事務所
であれば、どこでもできるという業務ではありません。強いていえば、新築専門の設計事務所では、ほとんど無理といっても過言ではありません。 私が扱っている例でも、あれこれ比較する管理組合に出会います。 それはそれで良いのですが、結局判断する根拠がありませんので、安い業務費を提示したところに発注するようです。しかし、結局は安物買いとなり、何らかの失敗の後、当方の事務所に相談にお見えになる管理組合まであります。結局二重の負担を背負うことになります。 疑問があれば、専門家ととことん話し合い、ご判断下さい。
私どものマンションは築11年を迎え、専門家に概観してもらったところ来春にも外壁等の改修をした方がよいと言われました。
お答えするには大変難しい質問です。
表題:避難通路 Q-4. このことは、建築基準法、及び消防法等にかなっているものなのでしょうか。 A-4. 略図によると、細かい寸法等内容は判りませんが、非常に問題ありと思われます。 当マンションは本来玄関ホールが唯一の避難口となっていますが、現在はバイク置き
場ということですので、廊下からが唯一の避難経路になると思われます。1.5Mの通路が確保されていたとしても、もし仮に火災等非常時に、乱雑に自転車が置かれていたため、避難に支障がでた場合、管理者(理事長)の法的責任が発生すると思われます。 とにかく、避難階段から屋外への通路は確実に幅員1.5M確保しなければならないということです。 しかし、1.5Mがマンションの通路として適正かというと、不適切以外の何者でもな
いと思います。 次ぎに集会の決議についてですが、費用は掛からないかもしれませんが、共用部分の用途変更に当たるので、議決権総数の3/4が必要です。特に避難経路に問題が生じるような変更については、理事会の不法行為とも受け取られかねませんので、注意が必要です。
以前より自転車が置き場からあふれ、路上等に駐車、駐輪しているため町内会、及び消防署より注意をうけております。そのため、玄関アプローチをバイク置き場とする案が浮上しました。玄関部分をバイク置き場とするともちろんその部分は通行はできません。
建築基準法上は、避難通路は1.5M以上となっています。
表題:設計監理 Q-5. この際、水道管の腐食状況を調査を行なった結果、水道管工事が必須な状況です。とりあえず、来年度に水道管メータ回りの交換の予算化を管理会社から提案されてお
ります。 1点目:工事の監督コンサルタントをおくべきではないだろうか(管理会社からは
言われておりません) 2点目:水道管の腐食対策と水道管のメータ回り交換を一緒に行なうほうが安いのではないか→最初管理会社はこれを提案していた。 A-5. 工事の質を考えれば、当然監理者を設ける方が良いと思います。 2点目について:詳しい状況が判りませんが、一般論としては関連する工事を同時にやる方が、断水等の手間や工事費が相対的に安くあがることは事実です。 しかし、個々の問題がありますので、絶対こうであるべきとは言えません。配管の腐食の状況、修繕の緊急度を考慮して決める必要があります。
私どものマンションは、築14年になっており、昨年度大規模修繕を行ないました。
1点目について:私どもは、コンサルタントですので、基本的に設計監理・施工分離を原則としています。設計監理・施工分離とは当然設計及び工事監理者を別に付けるということです。
表題:コンサル費用 Q-6. 来年度の予算計上のために、診断及び設計の目安となる価格(最低から最高まで)を知りたいのですが? A-6.
マンションの劣化診断および大規模修繕の計画を検討しております。
残念ながら、マンションの概要が不明のため、適切なお答えができません。マンションは、規模や築年数、環境等により、劣化状況も変わり、また修繕の内容によっても設計料が変化します。具体的には、コンサル費用について、お見積もりをご依頼下さい。
表題:コンサル Q-7. このような企画に、コンサルタントとしてご出席願えるのでしょうか。 A-7.
当マンションの管理組合は、発足してから一年とちょっと経つのですが、現在、修繕積立金について学習会等を行い、知識の収集を行っています。その結果、さまざまな情報を基に、修繕積立金の見直しを行う必要があることが判明し、住民への説明会等を行おうと考えております。
もちろん、ご依頼いただけましたら、出席させていただきます。費用は、実費精算方式で請求させていただきます。
必要でしたら、見積をご依頼下さい。
表題:管理会社 Q-8. 一応、管理会社にクレームの電話をいれましたが、管理会社からの明確な返事がありません。また、管理人の変更も願いましたが、これについても、明確な返事がありません。 この後、私はどうしていったら良いのか、困っています。何かアドバイスがあれば教えてください。相談するところがありません。 A-8. なお、委託管理費については、特に、管理会社の本社経費については、ブラックボックスで明確なことが判っていません。 しかし、最近では、管理組合が委託内容の明確化のためスペックを作り、数社から見積をとり、管理会社を選定している例も見られます。管理会社と対面し、何が問題なのか徹底的に議論し、それでも納得できなければ、管理会社の変更も止むを得ないでしょう。ただ高いから見直す-安くさせるでは議論がかみ合いません。 受けるサービスに対して支払う対価が大切なのですから。
総会議案の中に、管理費の値上げが盛り込まれていましたので、管理会社への管理委託費の見直しについて協議しました。委託管理会社の管理人(住み込み)に管理委託費の見積りの明細を見せてもらえないかと、依頼したところ、その管理人が、「その件について、うちの会社の担当者が来るか、課長がくるか、本部長が来るか、裁判所がくるかわからんが、それなりの覚悟ができてるんやろな!」と言われ、私が、「それはどういう意味や」と聞いたところ、日頃のうらみがあるかの様に、声をあらげて文句を言われました。
何も困る必要はありません。このような管理人を派遣している管理会社も管理会社です。発注者である管理組合が毅然とした態度をとるべきです。必要ならば、内容証明郵便で会社宛、要望を述べるべきです。
表題:分譲会社 Q-9. A-9.
マンションを購入した後で、不動産会社が倒産した場合はどのようになるのでしょか?
住まいしてからのクレーム(瑕疵)の処理ができなくなりますが、建設業者が存続していれば、直接建設会社と交渉して瑕疵の処理、アフターサービスに当たらせることは、可能です。
表題:分譲会社 Q-10. A-10. 話は少し外れますが、現に今お住まいのマンションの分譲者が経営不振に陥った場合ですが、一番の問題は、概ね分譲会社の子会社が管理をしている場合多いので、例えば積立金、管理費等が管理会社の名義で集められていたような場合は、連鎖倒産のあおりを受け、積立金等莫大な資金が管理組合に帰ってこなくなる場合があります。管理形態の確認を行う方が大切です。
最近は週刊誌等に
”あぶない会社”として不動産会社が載っていますが、気に入った物件があっても、あぶないと噂されている会社のものは契約しない方が良いのでしょうか?
難しい問題ですね。新築物件で既に完成している場合、青田売りの場合、中古物件の場合により事情は変わると思いますが、危ない会社の場合は、やはり慎重にと考えるのは当然でしょう。これだけ、マンションが供給されているのですから、何も問題のある物に手を出す必要はありません。