御同朋の社会を目指して!





参考書籍





●「同朋運動」関連
○『差別と真宗』 永田文晶堂 仲尾俊博・孝誠著
 同朋運動のこれまでの歴史や、なぜ真宗者として部落問題に関わるのか、詳しく書かれてい
る。
 「なぜ全教団人の同朋運動として「同和」問題に関わるのか?・・・・被差別部落の8割は真宗
門徒である。その大半は西本願寺がかかえている。・・すなわち、西本願寺は部落差別を自ら
の内側にほぼまるがかえしてきたということだ。・・教団が全体として親鸞の立場を奪還してい
たら、そのなかで差別・被差別の関係ー部落差別は廃絶されていたはずなのだ。すくなくて
も・・全教団的に対決されていたはずである。なのに教団はそうはならなかった。同じ信仰をも
った人びとの間でも差別は再生産されつづけた・・・いつから、いかなる理由のもとに真宗は逆
のはたらきをするようになったのであろうか。・・真宗者が「同和」問題に取り組むことは、・・・自
らの教団の差別性とそれを支えてきた信仰理解を問い、真宗の本来性を回復し、現在に再生
させるための営みそのものなのである」(本文より)。

○『仏教と差別』 永田文晶堂 仲尾俊博著
 仏教と差別、特に経典に出てくる「旃陀羅」の差別性について詳しく述べてある。日本の仏教
者は、経典にあるインドの被差別民「旃陀羅」を根拠に、部落差別の肯定・正当化を図ったと
いう。

○『真宗と業論』 本願寺出版 仲尾俊博著
 真宗で説かれてきた「諦めの業論」、「差別を肯定する業論」について詳しく書かれている。

○『ケガレ意識と部落差別を考える』 解放出版社 辻本正教著
 日本人の中にあったケガレ意識が部落差別の起源の一つであるする考え方。
 でも、部落差別の起源をケガレ意識としてしまったことで、行政の責任を追及できなくなってし
まう危険性があると聞いたことがある。部落差別解消のための運動が単なる清め塩≠ネど
の習俗解消運動になる危険があると。同朋運動も然り。

●「ハンセン病差別」関連
○『ハンセン病と浄土真宗』 同和教育振興会編 永田文晶堂 
 本願寺派教団人としてハンセン病問題にかかわるときの基礎中の基礎ともいえる書籍。S布
教使ハンセン病差別法話事件を知り、同朋運動とは何かを考えるための必読書。
 「教団が、ハンセン病差別への取り組みを進めようとするとき、何よりも必要なことは、被差
別者としてのハンセン病患者の差別の現実に学ぶということであり、差別の現実から出発する
ということである。そのためにはまず患者の声に聞かねばならない。」(本文より)

○『証言・日本人の過ち』 藤田真一編 人間と歴史社
 ハンセン病療養所入所者の森元美代治さ・美恵子さん夫婦が実名で自らの体験を語る。

○『共に生きるいのちとは 私の中で動き出すハンセン病問題』 高岡教区寺族青年会

 ハンセン病問題を精力的に検証されている藤野豊富山国際大学助教授の講演録は非常に
参考になる。また、ハンセン病問題に対する私たちの教団、僧侶の責任についても明確に書
かれている。是非一読されることをお薦めします。

○『念仏との出遇い@A』 同和教育振興会 
 ハンセン病療養所に入所されている方々の証言を聞き取り調査したもの。

○『ハンセン病重監房の記録』 集英社新書 宮坂道夫著
 国立療養所栗生楽泉園にあった「重監房」。療養所の医師や職員によって、裁判もないま
ま、「反抗的」とされた患者がそこに収容されたという。そこでいかに酷いことが行われていた
か、私たちは絶対に知っておくべきだと思う。

○『隔離という病い』 中公文庫 武田徹著
 「恐怖の宣伝、強制収容、終身隔離・・・近代日本におけるハンセン病患者への過酷な差別
は現在にも陰を落とす。「病んだ」共同体はいったいどこへ向かうのか―。隔離医療をタブー化
することなく、そこに潜む「排除のメカニズム」を分析的に明らかにし、人権思想との共存方法
を考察する。」(本文より)

○『差別とハンセン病』 平凡社新書 畑谷史代著
 「戦前、戦後とも、ハンセン病療養所は社会から黙殺されていた。その間、寝食を共にして入
所者とかかわったのは看護婦や医師ら療養所職員だった。彼らも元患たちと同様に世間から
「怖い病気を持っていないか」と白い目で見られてきた。・・・自分たちを強制隔離してきた国に
は「悪かった」とわびてほしかった。しかし、訴訟の原告になると、そうした職員も「悪者」にして
しまう気がしてならない。勝訴判決の後、世論は国を激しく非難した。「当然だ」と思うが、すべ
てを一くくりに断罪し、片付けているような違和感も募る。・・あの時、もし療養所がなかったら、
おれたちは冷たい世間の風の中で野垂れ死にしてたさ・」(本文より)

○『もう、うつむかない』 筑摩書房 村上絢子著
 25名のハンセン病回復者が、名前を公表し、顔をだして、「らい予防法」によって奪われた自
らの人生を語る。

○『山中捨五郎 記 宿業をこえて』 皓星社 林力著
 「父は、六十八年の生涯に、法名(戒名)までいれると六つの呼び名をもった。このことが何
より父の人生を物語っている。父は「らい」―ハンセン病患者であった。」(本文より)

○『孤高の桜』 葦書房 井上佳子著
 「口先では「偏見、差別はいけない」と、偉そうなことをしゃべりながら、当の自分自身はハン
セン病に対してこだわりを持っていなかったか。この病気は大人には感染しないと専門医から
いつも聞いていたにもかかわらず、どこかで病気を忌み嫌っていなかったか。植え付けられた
偏見、差別と闘いながらなかなかそれに抗しきれない自分。私はいつもある種の後ろめたさを
引きずっていた。」(本文より)







トップへ
トップへ
戻る
戻る