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「靖国」問題・私の見方



靖国神社に祀られている人々A 
 さて、最初靖国神社は<明治維新達成の犠牲となって亡くなった人>の魂を鎮祭する目的で建てられたとありましたが、では一体どのような人が実際に祀られているのでしょうか?

 みなさんもご存知のように、明治維新が達成されるまでには、薩摩藩や長州藩などの朝廷側と、会津藩などの幕府側との激しい戦闘(戊辰戦争)がありました。両軍の間でかなりの犠牲者が出たはずですが、今靖国神社に祀られているのは朝廷側の犠牲者だけだそうです。でも少しおかしいと思いませんか?会津藩など幕府側についた人たちも同じ日本人だし、敵味方の違いはあったとしても、<日本の国につくして死んだ人>ではないのかって。

 また、明治維新の功労者と呼ばれる西郷隆盛は靖国神社には祀られていません。西郷隆盛は維新後の政府部内の意見の対立のため野におりて、1873年(明治10年)に「西南戦争」を起こしたけど、政府軍に負けて自殺をして亡くなりました。西郷さんのように<日本の国のためにつくした人>でも、いったん刃向かった人は祀ってもらえないのですね。

 どうでしょうか、このあたりから少しは「靖国」問題の問題点の一つがみえてくるのではないでしょうか?靖国神社に祀られているのは、あくまでも戦争で死んだうちの一方の人たちだけだということです。政府にとって<都合の悪い人>は、たとえ<日本のため・・>であっても排除されるということです。

 これからは、この<日本のため・・>というのも、「一体誰のためなのか?」ちゃんと考えていかなければならないと思います。

05.1.2(tomo)

参考資料:『靖国神社ーそこに祀られている人びとー』 仮説社 板倉聖宣・重弘忠晴



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