御同朋の社会を目指して!


「教育基本法」改正・私の見方

 
                                          
 現在、子供たちが学ぶ教育現場では様々な改革が急ピッチで行われていま
す。その中の一つに、現在の「教育基本法」を改正して、新たな法律を作ろうと
する動きがあります。     
 でも、「教育基本法の改正だ!」と言われても、何がどういけないのかわから
ない方も多いのではないでしょうか。実は私も最近までその一人でした。
 そこで、このページではこれから何回かに分けて、政府が進める「教育基本
法」改正の意図について、私の見方・意見等を述べてみたいと思います。



『心のノート』を考える@


 みなさんは『心のノート』というのを聞いたことがあるでしょうか?小学生や中学 生のお子さんがいる方なら、みんな必ず持っていますので、一度見せてもらってく ださい。現在、全国の小中学校で、この『心のノート』を使って道徳教育が行われ ているそうです。

 さて、この『心のノート』は、戦争のできる国≠ノとって必要な戦争を積極的 に支持してくれる国民≠つくり出すために作成されたものであると言われていま す。
 では、実際にどのような内容なのか、これから何回かに分けて見ていきたいと 思います。


 この『心のノート』は、文部科学省(国家)によってつくられ、全国の小中学校に 配布されたのですが、その位置づけは「教科書」でもなければ、「副読本」でもな い、「補助教材」であるとされています。
  どういうことかと言うと、「教科書」や「副読本」というのは、子供たちの手許に届く までには、文部科学省の検定もあれば、各教育委員会の採択、それぞれの学校 での選択など、さまざまなチェック機能が幾分はたらくそうです。しかし、「補助教 材」と呼ばれるものは、検定や採択などを経ることなく、いわばノーチェックで文部 科学省(国家)の意思が直接子どもに届くことになるんだそうです。
 そのような『心のノートが』、2002年春、「人間として生きていく上での大いなるプ レゼント」と称して全国の小中学校の全生徒1200万に配られたそうです。
 つまり、何のチェックもなく国家の意思がそのまま、学校の「道徳教育」を通して 1200万人の子どもたちに一律に伝えられるということです。

 
 さて、この『心のノート』は、小学校1・2年生用、3・4年生用、5.6年生用、中学生 用と四種類からなっています。そのどれもがカラフルでおしゃれなデザインであっ たり、子どもたちに優しく語りかけるような体裁だったりと、ソフトで癒し系の印象 を与えるため、特に低学年の子どもたちには評判はいいそうです。

 しかし、よく考えてみると、「道徳教育」と称して一定の価値観や国家観というも のを国家が一律に教育してもいいものでしょうか?ましてや、その内容が国家に とってだけ都合のいいものである場合には、相手が小さな子どもだけに非常に危 険な感じがします。

 そこで、次回からはこの『心のノート』によって実際にどのような価値観、生き 方、国家観を教え込もうとしているのかみていきたいと思います。

05.1.21(tomo)

参考資料:『「心のノート」を考える』 岩波ブックレットNO.595 三宅晶子著



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