里山だより (自然配植)2011年11月5日、11月6日  雨のち曇り

     第11回紀伊半島三県森林ボランティア交流大会
和歌山県・奈良県・三重県の森林ボランティア約60名が参加して、第11回紀伊半島三県森林ボランティア交流大会が、 和歌山県伊都郡かつらぎ町花園の「花園ふるさとセンター」及び高野町高野山で開催されました 当会からは、4名が参加し、久しぶりに再開した大勢の山仲間との交流や親睦を深めました。

今回は、自然配植技術協会会長や国交省・環境省の専門委員指導員等多くの役職を務められ、学者であり実務家でもある 高田研一先生の指導で、 「自然配植」をテーマに広葉樹の植樹技術の習得と、森林ボランティア団体の親睦を深めました。

植樹場所の高野山   キハダやイロハモミジ、ミズナラの紅葉が美しい広葉樹の森


生態学(生物と環境の間の相互作用を扱う学問)学者でもある高田先生の話はたいへん面白く、時間を経つのを忘れます。   翌日の実際の植樹指導はたいへん厳しく、地質、地形、樹種の配置、実際の植樹や土運びなど合格点を貰うまで苦労しました

高田先生の「自然配植」についてー  

 「人のために木を植える」  森をつくる技術というものがわが国で果たして培われてきたののだろうか? スギやヒノキ、カラマツの広大な人工林を植え続けた  林業者たちがエコロジーとエコノミーの二つのエコに裏切られ、スギやヒノキでだめなら、今度は広葉樹だと情緒的に無定見な  造林がなされることが一番恐ろしい。」

  「木を植える前には、きちんと調べ、考えるべきことがあるだろう。 植えるときには、留意すべき点がたくさんあるだろう。・・・」  

以前実践で教えていただいた宮脇昭先生の「鎮守の森つくり」とはまったく違い、本当に意味のある植樹を行う専門家への 教育訓練の2日間でした。

   「緑化というものが、地球環境資源として、長く持続、発展する豊かな成果もたらすことを目的としているのであれば、  植物の本質から考えて、むやみやたらに百本の苗木を植えることより、丁寧に愛情と技術力を込めて五十本の苗木を 植えることの方がより大きな果実をもたらすことは、自然の姿を多少でも知っているものであれば、容易に想像がつく」   引用:高田研一先生の話より

 我々が取り組んでいる「ふるさと演習林」の活動は、基本計画から失敗しているのではと考え、再考が必要かもしれません。  詳細な、技術指導や資料を頂きました。今後皆さんといっしょに勉強して行きたいと思います。

高田先生による植樹苗の選び方や扱い方の指導 

植樹の実践指導 「3本巣植え」 ミズナラ

交流会のあと、高野山総本山金剛峰寺「中門」の再建現場を訪れ、棟梁より木材の伐採や加工方法など  詳しい説明と見学を受ける機会に恵まれました。平成27年には高野山に巨大な文化財が現れます。