里山だより 雪のお正月)   
                                            2011年1月1日(土)       雪のち曇り     午後2時の気温 8℃  
 

   新年のお慶びを申し上げます。 今年は雪のお正月になりました。 たいへん静かな元旦の朝です。
     「山眠る」 なんと素晴らしいことばでしょうか。 やがて目覚めて微笑み始める春がやってきます。
     生き物たちは、雪の下で訪れる春のために、準備を始めているのでしょう。
   
                 2011年1月1日 朝    芋谷、東谷、湯屋谷の山々

     新年にあたり、 雪の芋谷と山内の演習林を訪れてみました。
  
芋谷の棚田」は雪に埋もれ、トンネルへの道は、ケモノの足跡だけが続いていました。20センチを超える雪は、久々です。   
  昨年の猛暑の影響か、山の木の実も少なく、今年は北の国や高い山からやってくる野鳥たちも少ないようです。 私たちの活動が、日本人の心のふるさと、「里山」のたたずまいをいつまでも残すことに、少しでも役に立てれば幸いです。     
 春の七草は、雪に埋もれていましたが、葉を落とした木々の間で、野鳥たちは新年の太陽を浴びて、楽しそうです。

      和歌山県の鳥:「メジロ」 


遠くシベリヤや中国東北部よりやってきた冬鳥:「ジョウビタキ」


 山内の「ふるさと演習林」の前は、美しく整備されました。「紀北橋本エコヒルズ」小峰台地区はほぼ完成し、昨年12月には、 アラカシやコジイ、クヌギ、ツツジなど「ふるさとの木」も植えられました。   我々の活動の中で、この斜面の植樹を手伝えれば良かったのですが、残念です。
せめて維持管理でも今後手伝えればと感じます。  東側の斜面は、霜草の美しい薪炭林を残しています。一部は公園になるようです。

昨年11月末に、演習林内の池の所有者に出会いました。 12月始めに地籍の調査があるので溝の草刈りをされていましたが、当会の活動で、池の周りをきれいにしてもらい感謝しているとのことでした。造成地の山も昔はマツ山で、沢山のマツタケが あがったそうです。、その後山は荒れたものの今回の造成事業で、美しくなり喜んでおられます。今年から稲作も再開されるようです。

   この山肌を見ていると、小学生の時の冬の「うさぎ狩り」を思い出しました。斜面の上に、網を張って全員が並んで山を登ると 何羽か網に掛かり、学校へ持ち帰りました。 定期的な薪炭林の伐採に変わり、この造成地は、新しい里山の利用方法とも いえるのでしょうか。


            2011年の課題は、「ふるさと演習林」第2次拡張・整備事業」 です。

1、「ふるさと演習林」の拡大によって、より広範で豊かな里山を地域に復活・再生させる。
2、この事業が完成すれば、当地で見られる殆どの林相を観察することが可能となる。
3、このフィールドを利用したイベントや自然観察会、場合によっては軽度の山林作業を通じて、楽しみながら自然とふれ
   合う場を子どもたちに提供する。
4、活動を通じて地元の人たちとの交流を深めると共に、荒廃の進む地域の自然をどのように立て直していくかを共に
   考える契機としたい。
5、活動を広く紹介していくことで、地域の自然環境の豊かさ、それを保全していくことの大切さなどを多くの人たちに
   広めていきたい。    (以上は、セブンイレブン公募事業の提案書より)

      この計画を実現するために、皆様といっしょに取り組んでいきたいと思います。

       冬の里山の自然  
冬の里山の木の実 どちらも小峰台の近くの斜面に大木があります。  かつての里山の木々です。


少しめずらしい「ナナミノキ」です。マツが伐採されると増えるそうです。

 「タマミズキ」照葉樹林の中でいち早く育ち、高くなり生き残ります。

白いひげを生やした、テイカカズラの実。鴨長明「方丈記」の「マサキノカズラ」の冬の姿です。

     夏は、上のように美しい花です。