里山だより        2009年5月5日 
             
         
                      休耕田の再生
里山だより(休耕田の再生)               平成21年5月5日 (子供の日) 曇り一時雨

  おいしい棚田米を育てようと、今年も芋谷の棚田では5月の連休を利用して田植えが始まりました。 
 3年前頃から休耕田が増えてきましたが、地元の方のお陰で今年も美しい「芋谷の棚田」に出会えそうです。  当会の活動は、なんとか「休耕田を再生」しようと、「畦の草刈り作業・斜面の下草刈り・米作り」と、里山を守る活動を細々と続けています。 たいへんな労力、時間を使って参加されている皆さんに感謝しています。 有難うございます。  

  里山を守る! それは私たちの未来を守ることでもあります。  行政も「自然を守る」ことへの理解は進んでいますが、ボランティア頼みの イベントが目立つだけで、真に棚田を守っておられる「地主さん」にどれだけの援助がされているのでしょうか? 
  地主さん・行政・市民が一体となって取り組めるのは、いつの日でしょうか!

      ゴールデンウイークの初日、4月29日(昭和の日)、晴天に恵まれた「臨時活動日」には、芋谷にたくさんの子供たちの歓声が上がりました。
  新しく入会された方も参加されて、熱心に休耕田の再生に向け、草取りや、斜面の下草刈りに汗を流されました。 

 同じ日に「橋本ひだまり倶楽部」の総会も開催され、今年は自然博物館の花・Nさんが来られ、5年ごとに行われる
 「たんぽぽ調査・西日本2010」について調査協力依頼を受けました。
  皆さんのご協力をお願いします。  会終了後、Nさんを「芋谷トンネル」へ案内しました。

 昨年の梅雨時に崩壊したトンネル内部を調べてみました。 
トンネルを補強していた石積みのアーチの上が大きくえぐられ、天井から奥のほうへもうひとつのトンネルができています。 危険ですのでお勧めできませんが 洞窟探検のようでもあります。


  新しく取り組む休耕田


崩落した芋谷トンネルの内部

 (芋谷の自然)  

  5月4日(みどりの日)夕方、5月5日(こどもの日)、芋谷川を遡ってみました。   
 帰化植物は、この自然豊かな芋谷にたくさんあります。 芋谷川を埋め尽くす「オランダガラシ」(和蘭芥子)は、別名フランス語の「クレソン」、 肉料理の付けあわせとして料理に使われます。
 スジグロシロチョウがとまるアブラン科の「セイヨウカラシナ」(西洋芥子菜)、どちらも食用として導入 されたものが野生化したものです。    春の川辺を彩る植物として日本の自然になったようです。


オランダガラシ


セイヨウカラシナとスジグロシロチョウ


芋谷の上流は、キビタキやオオルリの美しい声が聞かれるようになりました。 山の奥のほうではツツドリの声も聞こえてきます。  キビタキやオオリルの姿には出会えませんが、ラッキーにも黄色い姿が美しい「キセキレイ」に出会えました。
   子育てのために虫をくわえる姿が見られました。   夏鳥たちの子育ての季節です。 皆さんも春の芋谷へ出かけてください。 

子育て中の「キセキレイ」 わかりますか「ムベ」の花です。 実はアケビのように割れません。

(中国の農村)
 先日仕事で訪問した、中国の烟台市から青島市への移動中は、懐かしい農村風景が続きました。
山東省は、13億の中国の人々に供給する中国一の野菜供給地です。日本へもたくさんの野菜がきています。
 あの広大な大地を、今も牛を使い鋤で、人の手で鍬を使って耕しています。機械と言えば三輪トラックぐらいです。

    人の力は偉大です。 我々の活動も、中国の人々に負けないように牛の涎のようにコツコツと耕していきましょう。

  我々日本人の先祖は、約4200年前、畑作牧畜民の大移動により、この大地から朝鮮半島を伝ってやってきたそうです。
この果てしなく広がる美しい畑は、機械を使わず鍬で作り上げたものです。  中国は、現在世界一ポテンシャルのある国です。