里山だより        2008年8月11日    
                                      
里山だより(鴻の湯元)         2008年8月11日(月)  晴れ   

       絵日記のような青空、芋谷はしばらく雨がありません。BさんやOさんなどに出会いました。
   この日は夕方、やっと雷雨になりほっと一息です。   しばらくぶりに訪れた「芋谷の棚田」は、夏の太陽を
  いっぱい受けて元気に輝いています。 棚田のイネも黄金色に色づき始めました。 

  イネの上を「ウスバキトンボ」がたくさん飛んでいます。精霊蜻蛉とも呼ばれ、東南アジアの国々から 世代交代を
 繰り返しながらやってきた「渡り蜻蛉」です。  今飛んでいるのは、5月頃にやってきた親から生まれたのでしょう、
 黄金色の棚田の上を無数に飛び交っていました。 
    「シラヤマキク」や「アキノタムラソウ」が咲き出し、季節が少し進みました。

 


白山菊(「ムコナ」と呼ばれます)


 アラカシなどで育つ、照葉樹林の蝶です。

 
    棚田展望地を過ぎて、芋谷川終点の三叉路の手前、尾浦さんの田んぼのハサ木置き場にスズメバチが巣を作っています。
   注意書きがありますが、行かれる方は十分に気をつけてください。
                      (注: 数日後に、この巣は危険な為、専門家に取り除いてもらいました)

     巣の模様がはっきりと大きいので 「コガタスズメバチ」のようです。 


このブルーシートの屋根裏に作りました。 道沿いですので十分気をつけてください。
横手八幡への道をたどると「紀見温泉」の跡に出会えますが、この前の川の水量は、極端に少ない状態です。

 芋谷川は、終点の三叉路の少し上流から伏流水が噴出し、下流は豊富な水量になっている不思議な川です。

 かって繁栄した紀見温泉は、「鴻の湯元」と呼ばれ、芋谷の棚田にも昔はたくさんの「コウノトリ」がいたのでは ないでしょうか。  「鴻の湯元」の昔の写真は、「和歌山大学紀州経済史文化史研究所」のホームページで見ることができます。 検索ソフトで、「鴻の湯元」と入れても出ます。 コウノトリが暮らした時代を一度見てください。

 先週、仕事で行ったベトナムやタイは、今も人と生き物が楽しく一緒に暮らしています。 いいですねー。    以下は工場近くの水田の様子です。 昔の日本も、コウノトリと一緒に暮らしていたのですが残念です。 タイでは、コウノトリの仲間 「スキハシコウ」が、たくさん田んぼにいます。 タニシを採って生活しているようです。  ベトナムは国の人口8600万人、平均年齢28歳の若者の国です。 今は、たいへん幸せで楽しいとのコトです。


Nさんの鑑定では「スキハシコウ」のようです。

タイは「直まき」、ベトナムは「田植え」をします。
  
  虫や鳥や花は、我々には一様にしか見えない環境を細分化し、それぞれの環境に合わせて自分たちの姿を 変えることによって繁栄してきました。   我々人間は、生活の便利さや、農業や工業の技術によって、まわりの環境を自分たちに合わせて 自分たちに都合のよい環境に変化させてきました。 単純化した環境で、ヒトだけで繁栄できるのでしょうか。 生き物が暮らせる細分化された環境を大事にしたいものです。

 山内の演習林前の山は無残にも破壊し、無形の「カネ」のために、こんな姿です。  どちらが幸せか、東南アジアの国々の生き方も参考にして欲しいものです。


こんな姿になりました。 ここに工場を立てるとは、いかにも島国・日本の発想です。