里山だより        2008年4月27日(日)     
                                      午前11時の気温は17℃です。
                里山だより(山笑う                

 天候に恵まれた4月27日(日)、芋谷の棚田では、田の神様を水口に祭り、田んぼに水を入れる「田植えの準備」が始まりました。
  アクションチームも、会のメインイベントである稲作の準備作業「苗代つくり」と、籾の「直播」の作業が行われ、大勢の方が参加されました。

 草削鍬(三角ホー)を砥石で研ぎ、田んぼの土の表面を磨くように雑草を削りとり、石垣やあぜの雑草もじゅうたんのように刈って、 ぴかぴかになった田んぼに、種籾を直に播いていく様は、「稲作」という作品つくりであり、日本人の伝統精神を感じさせる作業です。

 世界を制覇した日本の工業製品の品質は、このような伝統文化から生まれたのではないでしょうか。   

  6月の田植え、秋の収穫が楽しみです。 是非参加して頂き、日本の文化を体で感じて欲しいものです。


黒米の田んぼに「苗代」を作り、良い苗を育てます。


ピカピカの田んぼに直接、種籾を播きます。

 (芋谷の自然)  
 この時期、萌黄色に包まれた里川(芋谷川)を遡ると、美しい春の妖精たちに出会えます。 前日の26日、山は笑っています。
 ウワミズザクラやヤマザクラの大木は満開の花に覆われ、川沿いの道では、少し暗いところでも育つ 「カスミザクラ」も清楚な花を咲かせていました。 廃屋の果樹園の跡は、「カラタチ」の花も満開です。

土手には少しめずらしい「ホタルカズラ」が地面一面に花を咲かせています。 蛍が輝いているようにも見えます。  

 もう少し登っていくと、無数の白い小さな虫が道を覆っています。 水生昆虫カゲロウの成虫(スピナー)の大群が飛翔しています。 この時期に羽化する種類から考えて「ヒメヒラタカゲロウ」?でしょうか。 前日にスーパーハッチがあったようです。

 化石のような生き物、「カゲロウ」は翅のある昆虫では一番古く、古生代石炭紀からも化石が出るようで、すべての昆虫の中で 「亜成虫」というステージがあるのはカゲロウだけです。 20日の水生昆虫調査では、採集してパットに入れている間に亜成虫になりました。 再度脱皮して、成虫になります。  
  「柳の葉は、川に流れて魚になる」  芋谷の大自然を大事にしたいものです。 
 5月の連休には是非、芋谷の里川を歩いてみてください。  オオルリやキビタキのライブコンサートも聴けます。                                                      井奥 恵三


白から少しピンクの花が美しい日本の山桜です。


蛍蔓 ツルが地面を覆って一面に咲いています。


 秋には大きな実のなるカラタチ。どこの家も植えていたようです。


右下は亜成虫(ダン) Fly Fisingは川虫を研究する釣りでも有ります。